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海に、月が昇る ~シェリーの追憶~  作者: 時澤菫
太陽王子と月光令嬢
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4 ブリストル王国



 数百年前。歴史ある国として栄えていた海沿いの街。ブリストル王国のベルファス。そこに王太子として生まれたのがランヴァルドであった。黒いつややかな髪に、セルリアンブルーの目を持つ、容姿端麗で王子としての威厳を持った男だ。彼は17になって王の急病から、そのまま即位した。


 黒地に金色の裏うちがしてある彼の燕尾服は、この日のための特別な赤いマントが上から羽織られ、彼のスタイリッシュな様と相まって堂々たる風格を醸し出していた。





 その即位に続いて執り行われた披露宴では、公式の場にいつも姿を現さない侯爵の娘が来ていた。

 

 色白でブルネット、セージの葉の色をした目を持ち、薄いクリーム色のドレスに身を包んでいた。貴族の中では目立たない色の組み合わせで、普段出席しないということもあり、彼女を物珍しそうにみる招待客も多い。彼女は、のちに人魚としての伝説となるイザベラである。







 この日の謁見が、ランヴァルトが王となって初めの仕事であった。


 王太子のときに見慣れた顔ばかりであったが、侯爵令嬢のイザベラを見るのは初めてだった。美少女ではあるが、血の気が薄く青白いので、社交界でやっていくには大変だろうと直感的に考える。


 加えて人見知りが激しいようで、顔をこちらに全く向けない。


「顔を上げよ。」


 彼が声をかけると、ようやく澄んだ大きい瞳と目が合う。

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