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第6話 ライバル登場!?

久々のギャグ寄り回始まります!新キャラも出るよ。

「んっ・・・」


ぱちっと目を開くユウナ。


テントの隙間からは、日の光が漏れ出ている。


「もう、朝か・・・勇者様を起こさなくちゃ。」


朝、起きて、勇者様を起こす。この一連の行動はわたしのルーティーンのようなものです。

勇者様は、毎日あんな大剣を振り回しているものだから、やはりというか、体力の消耗は激しいらしくて…

なので、一度寝ると中々目を覚まさないんです。だから、わたしが毎朝起こさなくてはいけないんですね。


幸いにして(?)、勇者様の寝起きは良いので、安心して起こしにいけます。

もし、寝起きまでクソボケだったら……いや、考えるのはやめておきましょう…



そんなわけで、勇者様のテントへ。


「勇者様〜!もう朝ですよ〜。起きてください〜!」


テントの外から声を掛ける。まぁ、これだけで起きるような人じゃないので、結局いつも中に入るんですけど…


まぁ、勇者様は全裸で寝るとかそういうことはしない人なので、幸いにして(?)躊躇なく中に入る事が出来ます。


もし、勇者様が全裸で寝ていたらと思うと……わたしは毎朝勇者様の「勇者の剣」を見ることに…!


……失礼しました。少々過激でしたね…。


変な想像はともかく、案の定返事が無いのでテントの中に入ります。


「勇者様!起きてください!もう朝で・・・あれっ?」


思わず目を丸くするわたし。

テントの中に、勇者様はいませんでした。


荷物は置いてあるし、何よりテントがそのままなのに、勇者様の姿はない。


「何処に行ったんだろう……荷物はそのままだし、遠くには行ってないと思うけど…」


わたしがそう呟いた、その時でした。



ジャキーーーーーン!!


「きゃっ…!な、何ですか…!?」


突然、辺りに金属と金属が擦れあったかのような、甲高い音が響き渡る。


…いや。金属と金属というより、これは・・・


「剣と剣の……交わる音…?」


近くに村なんて無いハズだし、鍛冶屋の音などというのも考えられない。

となるとこれは、剣の音と考えるのが自然だろう。…となると。


「勇者様が……戦ってる……?」


テントには勇者様ご自慢の大剣は無かったし、勇者様が大剣を持っていってるのは間違いないでしょう。となると、やはりこれは…。


「勇者様…!」


慌てて音のした方に向かいます。勇者様を助太刀しなくては…!



……あっ、今「お前じゃ助けにならないだろ」って思った人は腕立て伏せ10回お願いしますね。


仲間の存在って案外馬鹿にならないものですよ?傍にいるってだけで変わってくるものですから。



……そんなこんなで、少し走っていると開けた場所に出ました。そこではーーーーー



「オラァッ!!」ブンッ!


「甘い!」ドカッ!


「がはっ…!」ズザァ…



……勇者様が男の人と戦っていました。

勇者様(ホムラ)より少し背の高い、クールな印象の男性。…この人、何処かで見たような…?


それはともかく、あの勇者様が押されてる…?


「勇者様っ!」


勇者様(ホムラ)の元に駆け寄るわたし。


「ユウナ…!」


わたしがやってきた事に少々驚いた様子の勇者様。


「……仲間がいたのか。」


「…お前に関係無いだろ。」


膝をついたまま、男の人を睨む勇者様。中々険悪なムードですね…


「勇者様!大丈夫ですか?この方は一体・・・」


「俺なら大丈夫だ。……それより、「この方は一体」って…ユウナも見たことあるだろ?コイツは()()()()()・・・」


えっ?見たことがある?しかも勇者様と同じで、って・・・



・・・・・・あっ。


「そうだ!思い出しました!勇者様(ホムラ)と同じで、国王様から魔王討伐の命を承った、水の剣士!名前は確か…」


雨野(アマノ)だ。ユウナとか言ったな?お前も可哀想な奴だな…。()()()()の仲間になるなんてな。」


「……何ですって?」


ピキっとするわたし。いくら普段邪険にしてるとはいえ、勇者様(ホムラ)は、わたしの慕うたった一人の勇者様。それを馬鹿にするのは、例え誰であろうと許せません。


…あっ、「邪険にしてんのかよ」って勇者様がボソッと言ってます。すいませんでした…。


「ホムラ。お前も落ちたもんだな?()()()()()()女戦士を頼るなど、お前の力量もたかが知れるってものだ。」


「……何だと?」


今度は勇者様がピキっとします。

そうですよね。勇者様もわたしが馬鹿にされるのは許せないですよね!


「言っておくけどなぁ!ユウナは()()()()()()()()過ぎて、戦闘面じゃ()()()()()()()()()んだよ!!」


「ちょっ、勇者様っ!!それ、全っっっっっ然フォローになってませんからね!?」


…このクソボケ勇者様に期待した、わたしが馬鹿でした。


「ふんっ……しかも雑魚を仲間にしたのか。まあ、雑魚同士お似合いなんじゃないか?」


雑魚同士?

また勇者様を馬鹿にしましたね?


わたしは罵詈雑言を(主に勇者様に)言われ慣れているので、どれだけ馬鹿にされても構いません。…攻撃力クソ雑魚なのは紛れもない事実ですしね。


ですが、勇者様を馬鹿にするのは許せません。

ここは、勇者様に代わって言い負かしてあげましょうか。


「……アマノさん。確か、勇者に任命されたあの日も勇者様(ホムラ)にちょっかい掛けてましたよね?」


「……だったら何だ。」


「いえ、別に…。ただ、あなたの言う「クソ雑魚」に()()()()ちょっかいを掛け続ける辺り、()()()()()()なんだなぁ……と。」


「……………っ!」


顔をしかめるアマノさん。どうやら怒らせてしまったみたいです。()()()()()


「……雑魚の癖に、へらず口だけは上手いな?…良いだろう。力量の差を分からせてやる。貴様には特別に、俺の全力をみせてやろう。」


剣を構えるアマノさん。

勇者様の大剣と違って、細長くて動かしやすそうな、薙刀のような剣。

…そこに水のオーラが集約されているのか、水色のモヤのようなものが見える。


「アマノ!よせ!!そんなの人間が喰らったら、怪我なんかじゃ済まないぞ!!」


…勇者様、分かってる上で言ってますね。これ。必死に笑いを堪えてる顔をしています。

勇者様、こういう時のノリは良いから助かります。


「・・・・・・」


アマノさんの剣をじっと見つめるわたし。念の為、受け身は取れるようにしておかないとですからね。


…やがて、アマノさんが動きます。


「俺をコケにした報いをうけろ。……『奔流(ほんりゅう)斬り』!」


先にわたしや勇者様を馬鹿にしたのはあなたじゃないですか。

そう心の中で突っ込むや否や、激しい水流がわたしを襲う。

…なるほど。これで視界と敏捷性を封じ、トドメに本体()での攻撃で相手を一刀両断叩き切る。そういう攻撃みたいですね。…確かに、()()()()()()()()無事ではいられない攻撃でしょう。

……ですが、わたしは・・・



この攻撃を、()()()身体で受け止めた。


「ユウナァーーーーーッ!!」


わざとらしく叫ぶ勇者様。…もう、笑いが堪えきれてないじゃないですか。


「………ふん。」


決まったとばかりに声を漏らすアマノさん。


・・・しかし。



「…勇者様(ホムラ)と互角以上に渡り合うだけあって、中々の攻撃ですね。ビショビショになっちゃいました。……でも、それ以外は勇者様(ホムラ)の攻撃の方が重いくらいですね。…なんて。」


「なっ…!?」


「ユウナ!!」


()()()()()()()()()


「まさか…アレを喰らって無傷でいられるワケが…!」


「言ったろ?『攻撃力()』クソ雑魚だって。コイツ…ユウナは、防御力に関しては桁外れの能力を有しているんだ。俺ですらまともにダメージを与えられない。」


「っ…!」


「だから…『頼りにならない』って言ったのも語弊があるな。正しくは『攻撃面に関しては』頼りにならないだな。ユウナの防御力には大いに助けられてるよ。」


「勇者様…!」


顔を見合わせ、微笑み合うわたし達。…本当はハイタッチくらいしたいところですけど、何分わたしはビショビショなので…


「……ふ、ふん。まぁ、少しはやるみたいだな?お前らはそうやって、雑魚同士励ましあって高め合うのがお似合いなんじゃないか?俺は俺で、一人更なる高みに登ってやる。…ユウナとやら。次はダメージを与えてやるから覚悟しておけ…!」


アマノさんはバツが悪くなったのか、早口でそう捲り立てるとその場を去っていきました。


「ふーんだ。負け惜しみ言っちゃって。」


「気にすんなよ。ああいう奴だから。」


その場に残された、わたしと勇者様。


「…それで?何故戦っていたんですか?」


「んっ?あぁ。いきなり寝込みを襲ってきやがったからさ。寝起きで戦わせといて何が雑魚だよ。ったく…」


わたしの質問に愚痴交じりに答える勇者様。…あのアマノさんって人、ああ見えて戦闘狂なんでしょうか…?


「それより、ビショビショになっちまったし、今日はパト村に向かえそうにないな。」


「あっ…すいません、勇者様。わたしがあの人の攻撃を避けなかったばかりに…」


「ユウナは悪くないだろ。むしろ、アイツに一泡吹かせられてスカッとしたよ。」


謝るわたしにそう言ってくださる勇者様。こういう事が出来ちゃう勇者様、素敵だと思います。()()()()と違って。



「それより、服乾かすのか?()()()()()()()()だし、俺的にはそのままで良いんだけど…」


「なっ・・・!///」



ぱーん!


「も〜う!勇者様!!どうしてそう、すぐにエッチな事を考えるんですか!!というか、()()()()んですから見えませんよ!!」


「えっ?付ける程()()の?」


「〜〜〜〜〜っ!?///」



ぽかぽか!


「だ・か・らっ!!なんでそう、セクハラみたいな事を平然と言うんですかっ!!」


というか、前に()()()()とか比喩してたのは誰ですか…。


「うわっ!悪かった!俺が悪かったから!だからクソ雑魚連続パンチングやめろ!!」



…とりあえず前言撤回。全然素敵じゃありませんでした。ただのセクハラクソボケ野郎でした。


……まぁ、わたしはこうやって勇者様と馬鹿やってる時間が凄く好きだったりするんですけどね。


「…というか、()()()()じゃなくて()()()じゃね?」


「まだ言いますか!?」ぽかぽか!


でも、セクハラだけは許しませんからね。勇者様。

ということで、ライバル枠が登場しました。ユウナの防御力の前には無力でしたが←


またそのうち出てくると思います!ということで、また次回!

次回からの話はギャグとシリアス半々くらいだと思います。


…えっ?パト村?まだ着きそうにないですねぇ…(オイ)

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