第1話 わたし、防御力も攻撃力も桁外れの女戦士ですっ!
この作品を閲覧くださり、誠にありがとうございます。
作者の南ゆうきです。
別サイトで長らく二次創作をしていましたが、今回初めてなろうでの投稿並びに一次創作をさせて頂きます。
なろうでの執筆は初めてなので至らぬ部分もあると思いますが、楽しんで頂けると幸いです。
注意と言う程ではありませんが、留意して欲しい事があるので少しだけ前書きさせて頂きます。
当方、別サイトでは「台本書き」という形での執筆を得意としていますが、今回敢えてその形は採用せず、なろうにあった(?)書き方で書かせて頂いております。
何が言いたいのかというと、作者はいわゆる「地の文」を書くのがあまり得意ではありません。
特に後半になるにつれ地の文が少なくなっていますが、慣れた書き方が出てしまっている形です。
台詞ばかりで読みづらいかもしれないのでそれだけ留意して頂ければと思います。
また、若干Hなネタを使うこともあるかもしれない(というか一話目で早速使ってます)ので一応R15指定はしていますが、基本Hなネタは作者自身があまり好きじゃないのでそこまで多用することは無いと思います。
キツい描写は一切無しのコメディ×ファンタジーなのでそこはご安心ください!
というわけで、長くなりましたが前置きとさせて頂きます。
この作品が桁外れな反響を得られたら良いな…なんて思ったりしています。夢見過ぎですかね?
それでは、どうぞ当作品をお楽しみください!
「オラァッ!!」
「はっ!!」
女戦士は敵の攻撃を身体で受け止める。
「ふぅ…幹部を名乗るだけあって中々ですね…」
「何っ!?この俺の攻撃が効いてないだと!?」
そう。この女戦士【ユウナ】は桁外れの防御力を持つ。
生半可な攻撃は彼女に通じない。
たとえ魔王軍の幹部クラスであろうとも、彼女に傷一つ付けるのも容易ではない。
「もうおしまいですか?では今度はわたしからいかせて頂きます!!」
「ぐっ!!」
高らかに宣言すると、女戦士は双剣を取り出す。双剣は女戦士の愛用している武器である。
この双剣は雷の力を秘めており、彼女はその力を使って戦うのだ。
「はあっ!!」
女戦士が双剣を振りかざす。
するとその先端から雷が放たれる。
ビリィッ!!
「ぐうっ!?」
魔王軍の幹部はその攻撃に思わず膝をつく・・・
「・・・うんっ?今何かやったか?」
・・・なんてことはなく、何も無かったように棒立ちである。
「・・・・・・」
「・・・・・・ですよねぇ…」
そう、この女戦士、攻撃力も(ある意味)桁外れ・・・!
防御力は桁外れの高さなのに対し、攻撃力は桁外れの低さなのである・・・!
「おいユウナ!まともに攻撃出来ないクセに何やってるんだ!!」
「ゆ、勇者様〜!あとよろしくお願いします〜!」
「・・・俺、魔王軍の幹部だよな?…何見せられてるんだ?」
これは、そんな変わった女戦士・ユウナの物語・・・!
「まったく・・・」
「今回は萎えたとか言って向こうから引いてくれたから良かったものの・・・そうじゃ無かったらお前ヤバかったぞ?」
「す、すいません・・・勇者様が付いているので大丈夫かなと・・・」
「大丈夫なワケあるかよ!自分の攻撃力を考えろ!!」
「すいません・・・」
あ、この方は勇者様です。
いつでも熱い炎の勇者、名を【ホムラ カケル】さん。一応漢字で書くと【穂村 翔】さん。
『クソダサいから』名前を書く時はカタカナにしてるんだそうです。
わたしはそんな勇者様にお仕えする女戦士というわけで・・・
あっ、わたしの紹介がまだでしたね。
改めて、女戦士の【ユウナ】です。一応漢字で、フルネームで言うと【鳴神 悠菜】。読みは【ナルカミ ユウナ】です。
・・・あっ、フルネームで呼ばないでくださいね。
【鳴神】って雷神様のことだったりして、静電気程の力すら使えないわたしからすると、名前負けもいいところなので…
どうか皆様、お気軽に【ユウナ】とお呼びくださいっ!
「・・・おい。誰に何言ってるんだよ。」
「あっ、すいません。私に何か?」
「いや、お前は攻撃力クソ雑魚なんだから前線に出るなよって話を…」
「うっ…ハッキリ言いますね…」
「事実だし仕方ないだろ?それに、攻撃面はこの俺がいるんだし、何も問題ないっての!」
そう言って高らかに笑う勇者様。
「・・・果たして、そうでしょうか?」
「何?」
「このまま魔王を討伐するべく旅を続けていては、いつか勇者様の足手まといになってしまうのではと…」
「・・・いや、現時点で十分足手まといだからな?」
「うっ・・・だから、なんでそんなにハッキリ言うんですか〜!」
勇者様の口から出る言葉は、いつも割と容赦無い。
思った事をそのまま口に出してるんですよね、きっと。デリカシーのない・・・
「と、とにかくですね!そんな足手まといな現状を打破する為、わたしは鍛えるべきじゃないかと!!」
「・・・いや、その並外れた防御力だけでも十分役に立つし…別にそこまでしなくていいんじゃないか?」
「勇者様!?さっきと言ってる事が真逆ですよ!?」
この勇者様はいっつもこう。
自分の言ったことをすぐに忘れる。その辺の村人から魔物討伐の依頼を受けたと思ったら、数分後には村の酒場で飲んでどんちゃん騒ぎしてたりするようなお人です。
毎日この人の相手をすると神経がすり減って仕方ないんですよ・・・わたし、なんでこの人に仕えてるんだろう…?
「いや、だから、攻撃力に関しては足手まといだけど、防御力に関しては役に立つって・・・」
「それって結局は微妙なんじゃないですか!?」
「そうかなぁ・・・そうかも。」
「そこは否定してくださいよ!?」
はい、これはいつものことです。
この勇者様がクソボケなせいでいつも気付いたら漫才のようなやり取りをしています。
わたしの攻撃力うんぬんを差し置いても、本当にこの人が魔王を討伐出来るのか不安なのですが・・・わたしだけでしょうか?
「と、とにかくですね!もう足手まといと言われないよう、クソ雑魚な攻撃力を鍛えたいと思うんです!・・・うぅ。」
「いや、自分でクソ雑魚って言って自分で傷付くなよ!?…そ、それよりユウナ!その熱意は買ったぞ!!」
「は、はい?えっと、つまり・・・?」
「ユウナがもうちょっと攻撃力を鍛えるべきっていうのは賛成だ。だから鍛錬しよう!」
「勇者様・・・!」
この勇者様、クソボケなクセに割と聞き分けがいいから厄介なんですよね・・・今はいい方向に傾いてますけど。
「よし、まずは・・・そうだな。ユウナ!俺に攻撃してみてくれ!!」
「えぇっ!?ゆ、勇者様!それはいくらなんでも…!」
「安心しろよ!お前のクソ雑魚な攻撃を喰らったところで、痛くも痒くもないからさ!!」
「っ・・・!だ・か・らっ!!なんでそうハッキリと傷付く事を言うんですか〜!!」
「えっ?あっ、いや、すまん・・・別にそんなつもりはなくて・・・」
「・・・・・・」
本気で言ってるのかこのクソボケ勇者様は・・・
「とにかく、俺は大丈夫だからさ!試しに一発やってみろよ!!」
「は、はい!それでは!!」
愛用の双剣を取り出し、電気を走らせる。
これだけ見ると割と強そうなんですけどね、わたし・・・・・・あ、悲しくなってきたので考えるのやめておきます。
「はぁっ!!」
双剣から電気を発射させ、勇者様に突撃させる。
「っ・・・!」
一瞬顔を歪める勇者様。
「どうですか?わたしの攻撃は?」
「・・・・・・」
・・・・・・あれっ?
「・・・・・・えっ?今攻撃したの?」
「しましたよ!?なんでそんなこと言うんですか勇者様!?」
「・・・いや、ごめん。まったく気付かなかった・・・」
「いや、あのっ、一瞬顔を歪めてましたよね!?」
「えっ?あっ、あぁ……あれは、その、なんだ……」
あれ?なんか歯切れ悪いな、勇者様・・・
「・・・その、ユウナのあんぱんが見えそうになったっていうか……その、つまり、そういうことで…」
「〜〜〜〜〜〜っ!?///」
ぺちん!
「ど、どこ見てるんですかっ!?この変態勇者様〜!!」
ぽかぽか!
「うわっ!やめろ!!俺が悪かったから殴るな!!痛いから!!…いや、痛くはないけど!!」
「痛くないってなんですか!!こんなに叩いてるのに!!」
ぽかぽか!
「痛くないは痛くないだよ!!さっきから可愛い効果音鳴ってるだろうが!!」
「えっ!?『ぺちん!』とか『ぽかぽか!』ってわたしが叩いてる効果音だったんですか!?」
「それ以外に何がある!?」
「わたし・・・物理的攻撃力ももしかしてクソ雑魚・・・?」
「むしろそうじゃないと思ってたのか?」
・・・・・・。
なんでいつもこうなんだこの勇者様は・・・
「そこはフォロー入れるところですよ勇者様〜!!」
ぽかぽか!
「分かったから!そのクソ雑魚連続パンチングやめろ!!」
「変な名前付けないでください!?」
ぽかぽか!
「分かったから!分かったから一旦落ち着け!!」
【しばらくお前ちください】
「・・・しかし、なんだ。お前の攻撃力の桁外れっぷりは想像を遥かに超えていたな…」
本当にハッキリ言いますね。勇者様・・・
「うぅっ……自分でもあんなクソ雑魚連続パンチングしか出せない程だとは思いませんでした…」
「いやそれ気に入ったのかよ…しかし、どうするんだ?流石にここまでクソ雑魚だと、ファンタジーの定石である、モンスターを倒して鍛えるってのもままならないだろ?」
凄まじくメタいですね。勇者様。
「い、いや!まだ分からないですよ!勇者様はお強いですから!!その辺のモンスターだったら、わたしでもきっと・・・!」
「そうかなぁ・・・うーん。まぁ、やるだけやってみるか・・・」
「はい!頑張りましょう!勇者様!!」
「いや、頑張るのはお前だからな!?」
防御力は桁外れ。
攻撃力も(逆の意味で)桁外れ。
そんなクソ雑魚?な女戦士・ユウナの鍛錬はまだまだ始まったばかりです。
・・・前途多難だって?
それはわたしが一番よく分かっているので言わないでください。お願いします…
作者です。
とりあえず一話目を作って投稿してみましたが、如何でしたでしょうか?
何か反応を頂けると執筆の励みになりますので、良ければよろしくお願いします。
続きもまたマイペースに投稿していこうと思っているので、どうぞよろしくお願いします。
取り敢えず一週間に一回くらいは投稿したいと思っている所存ですが、実際に出来るかは分かりません。
かなり気分屋なので、明日には続きを投稿するかもしれませんし、もしかしたら数ヶ月単位で空くかもしれません(笑)
まあ流石にそれはしないと思いますが、1人でも多くの読者様を楽しませる事が出来るよう頑張りたいです。
この度は、一話目をお読みくださりありがとうございました!
ちなみにですが、タイトルがちょい長いので作者はひらがなだけ取って「はれもれ」なんて呼ぼうかなと思っています。読者様も良ければこの略称をお使いください(笑)