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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第七十八話 ファミレス

「え? 優斗くん?」

「ん? 莉奈?」


 莉奈は優斗の姿を見て動揺を見せる。嬉しさよりも困惑が勝ったのだ。

なぜここにいるのかわからない。ただ、数秒間、優斗を見ていると、うれしくなった。

 そして、涙がこぼれ始めた。それを見て、優斗はすぐに状況を察した。だが、なぜ莉奈がここにいるのかわからない。

 隣の由衣はそもそも状況が分かっていないようで、どういう事? とでも言いたげな表情をしていた。まさか打ち合わせ済みだったのかと。

 そして、


「まさかお兄ちゃん、約束取り付けてたの!?」


 と、沈黙を破るように言葉を発した。それを聞いて優斗はすぐに「違う」と呟いた。本当は大声で言いたかったが、まだ状況を完全把握できていない優斗にははっきりと否定はできなかった。


 そして莉奈は優斗に無言で抱き着いた。


「え? え?」


 由衣は明らかな混乱の表所を見せ、優斗はあきらめの表情をした。もう優斗にはこういうのは慣れっこだ。


「優斗くん、会いたかったです」

「あ、ああ。よしよし」


 と、優斗はとりあえずのよしよしをしておく。こうしたら莉奈も落ち着くだろう。


「それでなんでここにいるんだ?」

「そうだよー。せっかくお兄ちゃんとデートしてたのにさ」

「デートじゃないだろ」


 と優斗はツッコむ。


「偶然です」

「偶然なのか? 本当に」


疑いの目を向ける。莉奈なら普通に偶然を偽ることも平気でしそうだ。


「ええ。じゃあ、大貫さんに聞いてみてくださいよ。まだ近くにいるはずですから」

「え? 寛人もいるのか?」


 優斗は周りを軽く見る。しかし、どこにもいなかった。


「優斗くん、まだ近くにいる訳じゃないですから。メール送ってみてください」

「分かった」


 と、莉奈に言われるまま優斗は(今日莉奈と一緒にいてたのか?)と、メールを送った。

 その光景を見ながら莉奈は無実を証明されるのをただ待っている。

 すると、

 (ん? 一緒にいたけど別に浮気とかじゃねえからな)

 と帰ってきた。優斗がそれを見せると莉奈は安堵の表情を見せる。


「ほら偶然ですよね」

「ああ、そうみたいだな」

「えー、本当に偶然なの?」

「偶然ですよ」


 そして、せっかくなので三人で近くのファミレスに行く。


「ねえ、お兄ちゃん。私カルボナーラ食べていい?」

「おい、由衣。夕食食べれなくなるだろ」


 と、俺は叱った。今は四時半、絶対にご飯時までにお腹がすくわけがない。


「まあ、ドリングバーで我慢しろ」

「えー、せっかく来たのにー」

「まあ、いいじゃないですか。お金私が出しますし」

「莉奈、そう言う問題じゃないんだ」

「そうですか?」

「ああ、こいつはわがままだからな」


生活習慣は身につけさせないと。


「我儘じゃないよ! 私は!」

「我儘だろ……そうだ!」


 悪戯みたいな笑みを浮かべ、


「もしカルボナーラをあきらめるのなら、我儘じゃないと認めてやろう」

「じゃあ、私わがままでもいいもん!」


 と言って注文用アイパットを手にした由衣はそそくさと注文を打ち込み、注文確定させた。ついでにドリンクバーも。その手際の良さと言えば、俺が止める暇もなかったほどだ。


「……由衣……」


 ため息をつく。困ったやつだ。困ったやつ過ぎる。


「お兄ちゃん嫌わないで? 私お兄ちゃんのこと好きだよ!」


 と、由衣が俺の膝を枕にして寝ころんだ。


「何をやっているんだ、お前は」

「いいじゃん。妹の抱き枕だよ……あ、そっかお兄ちゃんは莉奈ちゃんと申したのか」

「……」

「……」


 そう言えばしたことなかったな。なぜ公衆の場でハグしたり、キスしたり、風呂入ったり、胸揉んだりしてるのに膝枕はしてないのだろうか。俺たちは。


「盲点だったな」

「ですね」

「まさか二人ともしてないの? じゃあいましたら?」

「「え?」」


 まさかの提案に固まる。そしてそれは莉奈も同じようだ。


「いいじゃん」

「まあ、いいですけど」

「まあいいけど」

「じゃあ、はい!!」


 と、由衣が手拍子すした。そして莉奈の方に行き、莉奈の膝に頭を置く。ファミレスでこれをやるの中々にきついな。

 とはいえ、莉奈に膝枕をしてもらうこと自体は悪くはない。しかし、あの手拍子によって視線を集めてしまっていることについては勘弁してほしいけど。


「どうですか? 優斗くん」

「ああ、まあ気持ちいいよ」

「良かったです」


 と、莉奈は髪の毛をふわりと触る。


「優斗くん好きだ」

「……ああ、俺もだ」

「きゃーーー」


 と、由衣が拍手し、パチパチパチと音が鳴る。そしてそれを聞いて近くの複数名の人がこちらを向く。


「由衣、恥ずかしいからやめろ」

「いいじゃん! いいことでしょ」

「そうですよ、優斗くん。私たちの愛を見せつけましょうよ」

「そういや、お前はそう言うやつだったな」


 と、暫く膝枕をしてもらった。由衣はその光景を見ながらドリンクバーで入れてきたグレープジュースをチューチューと飲んでいる。


「俺らもドリンクバー入れてくるか」

「え? もう少しこれでもいいんですよ?」

「いや、ファミレスも楽しもうぜ、膝枕はどこでもできるんだから」

「確かに。ですね!」


 と、そのまま莉奈と俺は飲み物を入れる。


「優斗くんはカフェラテですか」

「莉奈はコーラなのか?」

「ええ、コーラ美味しいですから」

「ほー」


 と、持って帰ってきた。そこには由衣がいなかった。


「どこに行ったんだ?」


 と、俺がつぶやくとすぐに由衣が戻ってきた。


「ごめん、お替り取って来てた」

「そうか」

「それで聞かせてよ。二人のイチャイチャエピソードを」


 由依がそう言い放った。


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