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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第七十一話 看病

「……」


 沈黙が続く。今莉奈がだるそうにしながらドアを開けようとしてるのかと思ったら少し申し訳なさがある。


「いらっしゃい」


 と、明らかにだるそうにした莉奈がドアを開けてくれた。見ると壁を支えにして何とか歩いているという感じで、支えがなかったら、歩けないくらいしんどいんだろうな、と感じた。


「入るぞ」


 と、莉奈について行って家に入った。莉奈があまりにもしんどそうにしてたから莉奈を支えながら。


「無理に来なくてもよかったですのに」

「そう言う訳にもいかんだろ。ほら、例の物持ってきたぞ」


 と、とりあえず買った痛み止め、冷えピタ、風邪薬、マスクの入った袋を見せる。


「ありがとうございます」


 莉奈がお礼を言って、それを受け取った。これで一安心か。


「莉奈、調子はどうか?」

「だめですね。頭とお腹が痛いです」

「なるほどな」


 ここに来るまで軽くは調べてた。頭と腹が痛いか……


「鼻とかは大丈夫なのか?」

「はい、少しだけ咳が出るだけです」

「それは良かった。さて……」


 莉奈に冷えピタを張る。


「冷たいです」

「我慢しろ。これで熱は下がるんだから」


 たしか莉奈の熱は37.8とか言っていた。超が付くほどではないが、高温だ。


「なんか色々ありがとうございます」

「別に言ってことだ。莉奈が体調悪いと俺も心配だしな」

「優斗くん!!! ああ、風邪じゃなかったら抱き着きたいです」

「俺もだ!!」


 そしてしばらくたったころ。


「お腹少しだけ減ってきました」


 と、莉奈が言ったので、おかゆを作りに行った。

 おかゆの作り方をよく知らなかったからネットで調べて作った。


 調べたらとりあえず水と米を入れればいいそうだ。そこで米と水を鍋に入れて軽くかき混ぜ、そのまま放置した。これでいいだろう。


「ふう。莉奈。これであと三〇分くらいでできるからな」

「はい、ありがとうございます」

「ほかに何かしてほしいことはあるか?」

「じゃあ、眠れるように頭なでてほしいです」

「こうか?」


 ゆっくりと、優しくなでる。


「いい感じです」

「良かった」


 そして、莉奈がそのまま眠ってしまったので、そのまま莉奈のそばでスマホをいじった。

 だが、なんとなく気まずい。莉奈の家で、寝てる莉奈の隣で、スマホをいじってる俺。なんとなくいたたまれなさがある。

 ただ、一つ、莉奈の寝顔を見るのはいい。かわいいし。そんな莉奈を見ながらスマホをいじるのも悪くはない。まあ、スマホいじってていいのか? と言う気持ちにはなるんだが。


「はあ」


 結局何もしないわけには行かなかったので、キッチンに行きおかゆを見てた。何も特には変化のないシンプルな鍋を。ただ、その方が気が楽だった。寝顔は最初は良かったのだが、だんだんうなされているようで見ていられなかったのだ。よしよしと撫でてやったら良かったのかもしれないが……起こすのが怖くて俺にはできなかったのだ。だめだな俺は。


「はあ」


 再びため息を吐く。もう、分からねえ。そもそも俺看病なんてしたことなかったな。



 そして三〇分後くらいにおかゆが出来た。まず莉奈を起こさないなと思って莉奈の頭をなでる。出来るだけ変じゃない感じで起こさなくては。


「ん? おはようございます」

「ああ、おはよう。おかゆで来たぞ」

「ありがとうございます」

「ん? そういや汗が……」


 莉奈のパジャマに汗が染みていた。


「ああ、これですか。軽く気持ち悪いですよ」

「じゃあ、シャワー浴びてきたらどうだ?」

「そんな元気ないです……優斗くんシャワー浴びさせてくれませんか?」

「ええ?」

「お願いします」


 仕方ねえ。


「わかったよ」


 そして、風呂場に入る。もう二回目はいることになるとはな。そして莉奈の裸を見るのも三回目だ。


「じゃあ流すぞ」

「はい」


 そして、莉奈の髪の毛を優しく水で流す。まあ、これくらい自分でできるとは思うが、まあそれはいいだろう。

 莉奈は明らかに気持ちよさそうな顔をしている。まあこんないい顔してるんだったら、髪の毛を流すくらい別にいいか。


 そしてシャワーを浴び終えさせて、体をふき、服を着せた。これじゃあ俺が召使みたいだな。もう、莉奈の胸とか触れることに何も感じなくなってきた。


「じゃあ、おかゆをどうぞ」

「ありがとう」


 しかし、元気がないときの莉奈は本当にお淑やかだな。


「味がしないです」

「え?」

「もしかして……味付けって」

「あ!」


 しまった、味付けのこと何も考えてなかった。


「じゃあ、そこにある味の素を入れてくれませんか?」

「ああ、分かった」


 莉奈の言うとおりに味の素を入れた。すると莉奈はおいしいと言ってどんどんと食べた。良かった。





「あの、優斗くん。私白状しなきゃならないことがあります」

「急にどうしたあらたまって」

「流石にこのままはいけないと思って。こんなに看病してもらっているのに、何も言わないなんて」

「……」

「だから話します。私と綾ちゃんとの間で何があったのかを」


そう莉奈が真剣な面持ちで話し始めた。

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