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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第六十六話 お風呂4

「優斗くん」


 と、莉奈は優斗の背中に軽くタオルを置いた後、その顔をじろっと見る。いま彼女の膝の上には優斗が寝ているのだ。莉奈はこの状況に顔を赤くしていた。


「髪の毛触ってもいいですよね」


 と、寝ている優斗に対して確認を取り、そのまま髪の毛を触る。確かに先ほども優斗の髪の毛は洗った。ただ、今回はそう言う触るではなく、自分の思うがままに触りたいのだ。


 そして莉奈は優斗の髪を一本一本丁寧に指でつかみ、そのまま優斗の髪の毛を一本抜いた。


「楽しい」


 自分の好きな人の髪の毛を自由に触れる。何と幸せなことだ。そしてそのまま髪の毛を抜いたり、ふわふわと頭をなでたりした。だが。だんだんそれだけでは収まらなくなったので、優斗の頬をぷにぷにとし始めた。


 それにはまった莉奈は、その感触から抜け出せずにそのままぷにぷにし続けた。すこしだけ寒くなったが、そんなことはお構いなしである。今自分が動けば、優斗の睡眠は阻害され、彼も起きてしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。


 そして、次は優斗の唇を触る。すこしだけ、悪いことをしているような背徳感と、好きな人の唇を触るという幸せが混じって、それが莉奈の触りを加速させる。


(やばい、幸せ過ぎます。こんな感じで優斗くんを好きにできるなんて。今日優斗くんを家に呼んでよかった。無理にお風呂入ってもらってよかった。ああ、本当幸せ過ぎる。優斗くんのおかげで)







「ん?」


 目が覚めた。膝の感覚がする。そう言えば膝枕してもらってたんだった。


「さむ!」


 急な寒気に襲われた。よく考えたら俺は服を着ずに莉奈のお膝のお世話になっていたのだ、そりゃあ寒いわけだ。六月下旬とは言え、裸でいればそりゃあな。


「莉奈、お前も裸なのか?」

「ええ、まあでも私は寒さにはまあまあ強いのでギリ大丈夫です、まあ寒いですけど」

「そうか、それはなんかすまなかった」

「いえ、良いですよ。一五分とは言えだいぶぐっすりでしたし」


 俺は十五分も寝てたのか。軽く寝転ぶだけのつもりだったのに。


「堪能してたのか?」


 莉奈ならこの隙を狙ってということも考えられる。寝てた俺にはそれを確かめるすべはないが、莉奈なら普通にいろいろしててもおかしくない。あの莉奈なのだから。


「ええ、もちろん。たのしませてもらいましたよ」

「なるほどな、お前の目の保養になってたという訳か」

「だから感謝します」


 と、莉奈は頭を下げた。


「莉奈、それで頭を下げると、なんか気まずい」


 莉奈の胸が思い切り、至近距離で見えてしまう。そのため目のやり場に困ってしまう。どこを見てmお莉奈の胸が視界に入ってしまうのだ。


「見つめあいましょうよ」

「てか早く服を着たい。寒い」

「てか、寒いなら、もう一回お風呂入りますか?」

「面倒くさくないか?」

「でもこのままだと、寒いまま寝ることになりますよ」

「うーん。それも嫌だな」

「じゃあ入りましょう!」


 と、もう一度お風呂に入った。


「はあ、あったかいな」

「ですね!」

「いや、なんか、寒いときに入るお風呂って最高だよな」

「露天風呂みたいな感じでですか?」

「ああ。そう考えると、温泉行きたくなるな」


 露天風呂。いいなあ。


「温泉はいかないでください」

「ん? 莉奈が一緒に入れないからか?」

「もちろんです。あ、でもプールとか、海とかならいいですよ」

「それは趣旨が変わるだろ」

「でも、夏行きたいです。プールか海か」

「まあそれは検討だな。だが、お風呂は行きたいな」

「混浴じゃないとだめです」

「確かドイツとかには混浴があったはずだが……」


 どっかの漫画に描いてた気がする。ドイツにそういう施設があるって。


「じゃあ、ヨーロッパ行きましょう」

「いや、混浴のために行くような所じゃねえだろ!」


 それを言うんなら日本にもそういう場所は探せばありそうな気がする。


「うーん。じゃあ日本でそう言う場所ないか探してみます?」

「いや、無い気がするが」


 そんな、昔じゃあるまいし。いろいろと邪魔するものが多そうだ。


「まあでも一応ですよ!」


 と、莉奈は強く言った。どんだけ入りたいんだ、混浴風呂。


「あ、あとは海とプールに行く計画ですね」

「おい、どっちも行く気か?」

「当たり前じゃないですか。高校であと二つしかない夏休み、満喫しましょうよ」

「まあ、そうだけど」

「という訳で、私二人きりで行って、水の掛け合いがしたいです。あと、ビーチボールを投げあいたいです。あと、二人で同じ浮き輪に乗りたいです。あと……」

「多くね?」


 めっちゃしたいことあるじゃん。


「私がどれくらいの間優斗くんのことが好きだったと思ってるんですか? こんなにしたいことあるの当たり前なんですよ」


と、莉奈が俺の方に顔を至近距離近づけてくる。


「わかった。わかったって」


まあ、そりゃあやりたいことも多いよなと納得してるし。


「というか、もう夏休み近いですよね」

「ああ。もう一っか月もないな。夏休み前最後の模試も終わったしな。そろそろテストだぞ」


莉奈のことだ。今からでも言っておかなくては。


「大丈夫ですよ。たぶん」

「たぶんってなんだよ」

「だって、自信あるかどうかって聞かれたら自信はないですよ。まあ私なりに頑張りますけど」

「がんばれ……と、そろそろ体もあったまったし、出るか」

「もっと入っててもいいんですよ」

「いや、またああなっても嫌だし、しかももう結構入ってるだろ。お前の両親とかはなんか言ったりしてこないのか?」


流石にもう合計一時間になる。そろそろ莉奈の両親も心配になってくるころだろう。


「大丈夫ですよ。私たちが仲良くやってるのわかってると思いますから」


 そうか、イチャイチャは想定の範囲内と言う事か。


「でも、死んでたらどうしようとかはないのか?」

「二人いて死んでるなんてないでしょ」


まあ確かにそうだな。しかも俺たち若いし。


 と、二人でパジャマを着て、莉奈の部屋へと向かう。

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