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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第五三話 莉奈の家

「しかし、莉奈の家までって遠いよな」

「まあ四十分くらいかかりますね」

「それにしても電車に乗るのは久しぶりだな」

「え、そうなんですか?」

「だって、学校へは徒歩だし、休日は車でお出かけするしなあ」

「そうなんですか……新しい発見です」

「俺のか?」

「はい」


 そして来た電車に乗る。


「さてと」


 と莉奈が言い、俺の肩に頭をのせてくる。


「おい、何の真似だ。お前」

「いいじゃないですか」

「良くねえよ。周りの目もあるし」


 平日の昼間だからあまり人がいないが、制服の男子もいる。同じクラスの人はいないが、それでも恥ずかしい。


「イチャイチャっぷりを見せつけましょうよ」

「お前、そのセリフ何回言ったんだ?」

「知りませんねえ」

「だからもう頭乗せてくんなよ。地味に重いしよ」

「良いじゃないですか。減るもんじゃありませんし」

「全く」




「ここです!」


 電車に乗って三十五分、ついに莉奈の家に着いた。


 そこにあったのはかなりデカめの建物だった。豪邸とまではいかないが、一般の家よりは大きそうだ。実際、俺の家よりも大きい。


 庭には花が咲いており、それを見ると、花の手入れがちゃんとされているのだろう。


 さらには家に駐車場もあるようだ。これだけの情報だけでも何不自由なく生活できているのがわかる。これじゃあ俺にお金をいくら貢いでもお金がなくならないわけだ。


「どうぞ!」


 と、莉奈がドアを開けてくれたので、ゆっくりと入る。


「いらっしゃい!」

「お邪魔します」


 そこにあったのは結構大きめのリビングだった。テレビはもちろんソファーもある。


「リビング結構でかいな」


 正直に思ったことを口に出す。


「自慢ですからね」


 と、ドヤ顔で言ってくる。若干むかつくが、ここまで大きい家なのだ、ドヤ顔で言って当然だろう。


「ところで今日は私がご飯作ってあげます!」

「え?」

「だって今一時半ですよ」

「ああ、そっか。じゃあ頼むわ」


 そして莉奈はご飯を作り始めた。まあよく考えたら前に莉奈の手料理食べたことあるし、大したことではないか。



「そう言えば何を作るんだ?」

「野菜炒めかな」

「野菜炒めか、家庭的だな」

「家庭的なんですか?」

「知らねえよ。家庭的の定義なんか」


 適当に言っただけだし。


「えー、知っててくださいよ」

「無茶を言うなよ」

「知っててくれないんだったら私作りませんからね」

「そんな馬鹿な」


 そんなことを口にしつつ、莉奈は料理の準備を整えていく。


「まあとりあえず、くつろいでください」

「ああ、くつろぐわ。テレビ見て良いか?」

「ええ、サブスクライブに入ってるのでアニメでも動画でも見放題ですよ」

「それはありがてえ」


 と、アニメを見始める。


「それが優斗くんの好きなアニメですか?」

「ああ、前も歌ってただろ」

「ああ、確かにこの曲歌ってましたね」

「好きだからな」



「できましたよ!」

「おお! うまそうだな」

「お褒めにあずかれて光栄です」

「かっこつけんなよ」

「そんなこと言っていいんですか? 私の手料理食べれませんよ」

「いいよ。コンビニで買ってくるから」

「でも優斗くん金欠ですよね」

「うぐ」


 痛いところを突かれた。確かにそうだ。


「まあそんな優斗くんに、無料でお出しするんだから感謝してくださいよ」

「まあ感謝するわ」

「卒業後に結婚したらこんなかわいい彼女が毎日ご飯を作ってくれますよ」

「毎度のことながら自分を売り込むな。ご飯のありがたみがなくなるだろ」

「えー」


 そして一口ずつ食べていく。肉と野菜の味が合わさっていておいしい。


「最高だ」

「ありがとうございます!」


 莉奈は最高の笑顔を見せる。


「ところで、今日家に呼んだ理由は……」


 莉奈は言葉をためて……


「小説を読んでもらうためです!」

「は?」


 そんな話聞いていないが。


「だってたぶん読んでないじゃないですか」

「失礼な、二十ページは読んだ」


 嘘だけどな。本当は十ページだ。


「たったの二十ページじゃないですか」

「俺にしては読んだだろ」


 嘘をついたのにそれでも足りなかったようだ。


「私はその感じの小説二十冊は読んでますけどね」

「マウント取るな、俺の方こそ、勉強でマウント取るぞ」

「へーそんなこと言うんですね」

「そんなこと言っちゃうよ。てか何の勝負だ」

「急に冷静にならないでくださいよ」


 と言い、莉奈は奥の本棚から本を取ってくる。嫌だなあ。


「で、今日読んでもらうのはこれです!」

「前回のやつよりは簡単なんだろうな?」


 あれぐらい難解だったらもう無理だからな!


「はい! もちろんです!」

「どれくらい?」

「少しだけ」

「どの感じに?」

「前のは一九四十年台発刊ですけど、今回のは最近の小説です」

「そうか。だから読めるっていうわけでもないけどな」

「まあ読んでみてください。私はその姿を見て楽しんでおきますから」

「お前な」


 とか言いつつも読み進めてみる。やはり文字が多い、ただ莉奈が言う通り少し最近の感じになっている。物語の内容は無人島でサバイバルをするという話らしい。前みたいな何をしているのかわからないような感じではないらしい。前のやつは全然共感出来ないからな。


 だが、やはり文字が多いのは多いのだ。すこしめげそうになってくる。


「莉奈?」

「はい」

「飽きた」


 率直に言う。


「早くないですか? まだ七分しかたっていませんよ」

「そりゃあだって仕方ないじゃないか。ハマらねえんだし」


 無理なもんは無理。この世の真理だ。


「でももう少しだけ読んでみてくださいよ」

「そんなこと言われてもなあ」


 俺の精神が削れていくだけだ。


 だか、少し読み進めると、なんか怪しげな男が出てきた。なんかボスっぽい感じがする。ただ、まだよくわからないし、文字数に比例して内容も濃い。これが漫画だったらなと思うが、そんなことを思っても仕方がない。読み進めていくしかない。


「はあ、面白くない」


 また心の声が出る。こればかりはどうしようもない。面白くなさすぎる。作者、いや、小説家には悪いが、なぜこんなものが売れてるんだと言いたい。漫画のほうが百倍面白い。大体絵を使わずに書けってただの縛りプレイじゃねえか。


「莉奈」

「はい」

「俺にはやっぱり無理だ。マンガ読みたい」


 個人個人の面白いもんそれを読んだ方がいいはずだ。


「そんなわがまま言わないでくださいよ」

「俺にはどうしようもないんだって。チャレンジしてだめだったらそれはもうあきらめるしかねえじゃん」

「いえいえ、諦めなければ試合終了じゃありませんし」

「諦めたから試合終了だ」


 莉奈はしてやったみたいな顔をしてたが、これで簡単に反論出来る。


「優斗くーん。待ってください、ねえ、私が小説の面白さを解説しますから」

「無理だ。それより莉奈の家探検がしたい」


 まだリビングだけで、莉奈の部屋にもまだ行っていない。


「本当待ってくださいって。お願いします。趣味を共有したいんです」

「そうは言われても本当無理なんだって」

「分かりました。一旦案内して、その次に読みましょうか」

「分かった」


 そして案内という名の休憩を頂くことになった。ありがてえ。

私は漫画と小説どっちも好きですが、どちらかと言えば小説の方が好きです。

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