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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第四十二話 英語の勉強

 そして俺は再生ボタンを押す。するとスマホから「えーまず構文というものから説明を始めたいと思います。まず、構文というものは五個あります」という説明が始まり出した。


  俺はそれを横目に数学の問題を解く。


「聴きました!」

「その動画五個に分かれてるだろ、あと四個だ」

「いや、そうじゃなくてノートを見てほしいんですけど」

「分かった」


 そして俺はノートを見る。


「まあ、及第点だろう」

「そうですか。というか及第点と言わないで褒めてくださいよ」

「褒めるまではいかないなあ。もう少しメモを増やしたいところだ」


 実際、ノートを取るという行為が一番理解できる行為だ。

 画面を見て、その動画の中の情報を一つ残らずノートに写す。それで、後にノートを見て、そう言えばこうだったなと思い出す。これこそが勉強で一番大事な物だと思う。


「優斗くんのケチ」


 莉奈は文句を言う。俺は莉奈のために言ってやってるのに。


「何がケチなんだよ」

「だって褒めてくれないんですから」

「なら頑張ることだな。画面に映った情報全て書き写す勢いでやればいい。頑張れ」

「わかりました」

「あと毎回ノートを見せてくれなくても良いんだぞ」

「え? ノートを見せないとだめなんじゃないんですか?」

「いちいち見るのがめんどくさい」

「あー、単純な理由ですか」

「そうだ」


 俺も莉奈もいちいち手を止めない方がいいだろう。


 そして数一〇分後


「全部見ました!」

「うんノートもオッケーだ! さっきよりかなり良い」


 文字数が多くなって、板書だけじゃなく、特に重要なところに赤線を引くみたいなことをしている。さすがだ。


「やった。ならご褒美のハグをしてください」

「えー」


 まさかハグを要求されるとは。だが、これは莉奈のやる気にも繋がる話だ。ハグをした方がいい。それに俺自身ハグ自体にそこまで嫌悪感はない。好き好んでやるかどうかは分からないが。結構感触はいい感じだ。


「分かった」

「やった!」


 莉奈は俺の胸の中に飛び込んできた。


「気持ちいいですし、昨日もそうですけど、優斗くんの全てが伝わってきます。これからも疲れた時にはハグしていいですか?」

「どうしよっかな? 勉強の進み具合にもよるなあ」


 俺はハグを勉強の引き合いにした。俺自身ハグは別に構わないのだが、無条件という訳にはいかない。


「じゃあめっちゃ頑張ったらお馬さんしてもいいですか?」

「それはちょっとなあ」

「そうですか、ならスマホ触ります」 


 どうやら我慢勝負を始めるようだ。俺が折れてお馬さんをするか、莉奈が勉強するのが先か。


 仕方ない、放っておくか。そもそも俺に莉奈の勉強を見る義理はない、彼氏だから勉強を見てやっているだけだ。俺としては莉奈の頭が良くなって欲しかったんだがな。莉奈がその態度なんだったら仕方ない。


「優斗くんそろそろ折れませんか?」


 十五分後、莉奈が言ってきた。


「ならお馬さんやらないで良いか?」

「いえ、やって欲しいです」

「そうか」


 莉奈はまだ折れないようだ。なら俺も折れるわけにはいかない。


 さらに二十分後


「あのー、なにか話しませんか? スマホ触るのも飽きてきちゃって」

「俺、勉強してるから無理だ。もしお馬さん無しで莉奈も勉強するって言うんだったら会話しても良いけど」

「わかりましたよ! 勉強しますって!」



 莉奈にとってはお馬さんよりも俺との会話の方が大事なのか。まあそれはともかくこれで莉奈を先に折れさせることに成功した。スマホを触ってる時間ほど無駄なことはないしな。


「よーし、なら次は関係代名詞とか、過去完了とか副詞構文だな」

「えー」

「会話してやるから、さあ」

「はーい」


 そして俺たちは他愛無い会話をしながら、互いに勉強をする。


「疲れたー」


 ……俺はそう思っていたが、莉奈が思ったよりすぐに音を上げた。


「お前、さっきあんなに休んでたのに、もう駄目なのか?」


 実際さっきからまだ二十分しか勉強をしていない。


「だってもう動画見るの飽きたんだもん」

「なんでだよ。休憩しただろ」

「だって動画面白く無いし、勤続飽きもあるし」

「勤続飽きってどういう意味だよ。勤続疲労でいいだろ」

「うるさいですね優斗くん。造語があってもいいじゃ無いですか」

「でもなあ……いやそんなことはどうでもいい、勉強するぞ」

「……疲れたんだもん、休みませんか?」

「でももう2時だぞ。そろそろ根を詰めてやらないと」

「もう今日終わりでいいんじゃ無いですか?」

「なんでだよ。まだ数学とか社会、理科もある。まだまだやらなければならないことは沢山あるんだ」


 まだ半分すら終わっていない。数学半分弱と英語の構文が終わっただけだ。


「もう無理なんてますよぅ」

「仕方ねえ、先に理科と社会やるか」

「嫌だよう」

「じゃあ仕方ねえ、休憩入れるか」

「ええ! 優斗くん頭打ちましたか? 休憩を入れるなんて」

「打ってねえよ。考えたんだよ。スパルタすぎてお前が勉強嫌いになったらもともこもねえって」


 俺は莉奈に頭が良くなって欲しいが、それ以前に莉奈が今より勉強が嫌いになって、もう絶対したくないとなったら、莉奈の頭を良くする方法が無くなってしまう。


 それに俺自身も最初からこんなに勉強できた訳じゃない。最初は一時間程度が限界で、もうそれ以上はできなかった。だが、そこから少しずつ勉強時間を増やして勉強出来るようになったのだ。それは莉奈にも言えるだろう。


「ありがとうございます! じゃあトイレ行ってきます」

「あ、地味にお前トイレ行ってなかったのか」

「そうなんですよ。そろそろやばくて」

「わかった。なら俺も少し下に行くか」

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