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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第二七話 ショッピング2

「どうしましょう、全部良すぎて選べません」

「お前のほうこそちゃんとできてないじゃん」


 さっきらよくあんな文句言ってたな。こんな選べてないのに。


「仕方ありませんよ、優斗くんがイケメン過ぎて」

「人のせいにすんなよ」


 俺と同じ理由かよ。まあイケメンと言われて悪い気はしないけど。


「だってだって、制服以外の優斗くんがかっこよすぎて、もうまともに見れません」


 そうだった忘れかけていた。こいつかま俺のことめっちゃ好きだってことを。しかし、ここまで見れないもんか? 俺はちゃんと批評出来てたぞ。


「ちょっと、ちゃんとこの服の評価をしてくれ」

「……ちょっと待ってください、最高以外ありません」

「まあ、じゃあとりあえず次の服着るわ」



「最高です」

「おい、莉奈。最高です以外の言葉はないのか?」


 文句を言う。


「だってだってこれも最高なんですもん」


 莉奈はふてぶてしくもそう言ってきた。


「これで評価できるのか?」


 少し不安になってきた。こんなに服を着て、結局決められませんは考える上で最悪のケースだ。


「はい、たぶん」

「たぶんって」


 もっと不安になってきた。


「じゃ次はこれ来てみてください」

「てかこの服の数は何だよ」


 その服とズボンの総数は一〇着をはるかに超えていた。


「仕方ないじゃないですか、優斗くんの服を選ぶにはこれぐらい必要です」

「いやいや、多すぎるって」


 もう結構な服着てなかったか? 流石に着せ替え人形やるのも疲れるんだが。


「大丈夫ですって、優斗くんは服を着るだけなんで」


 だからそう言う問題じゃねえ。


「てかそろそろ時間大丈夫か?」


 俺は解放されるためにそんなことを言ってみる。実際もう五時半を回るかどうかと言う時間だった。


「大丈夫です、言い訳するんで」


 莉奈はもう怒られる覚悟らしい。


「じゃあ早く着てください」

「はいはい」


「着たぞ」

「最高です」


 やっぱりか。


「最高ですの中でもランクをつけてくれ」


 さすがにこれじゃあ評価なんて出来てるのかほんまに心配になってくる。


「それは当たり前じゃないですか、つけてますよ」

「じゃあこの三着の中でどれが一番いい?」

「……え?」


 莉奈は少し時間を置き、その言葉を発した。


「え、じゃなくて、どれが一番いいんだ?」


 さすがにそんな感じじゃあ何も買えないだろ。


「そんなこと言われましても」

「よし、順位はつけれてないってことだな」


 この状態の莉奈を見てそう結論づけるしかない。


「仕方ないじゃないですか」

「お前さっきから仕方ないしか言って無くないか」


 仕方ないで済むわけがない。


「仕方ないじゃないですか」

「早速言わないでくれ」


 思考回路どうなっているんだ。


「まあ、カメラで撮ってあるし、次の服着るか。その時までには順位決めとけよ」

「はいはい、わかりました」

「はいは一回な」

「はい」


 そんな会話をして俺はまた試着室の中に入っていった。


「ほい、着たぞ」

「最高です」


 もう俺は突っ込まないぞ。


「これは?」

「最高です」

「これは?」

「最高です」


 同じことしか言わねえじゃねえか。




「これで全部か、さて順位を決めてくれ」

「うーん、写真見ていいですか?」

「かまわないぞ」


 そう言って莉奈は携帯を見る。


「うーん迷いますね」

「早く決めてくれよ」


 俺もそろそろ帰らないと怒られるかもしれない。


「そんなこと言わないでくださいよ、そんなこと言ったら優斗くんだってまだ決めてないじゃないですか」

「それはそうだな」


 たしかに俺も莉奈の一番の服をまだ決めてはなかったな。



「もうここからここまで全部買っていいですか?」

「はあ?」


 ふざけるなよ、決めることを放棄してるじゃねえか。


「だって決めれないんですもん」

「それはさっき聞いたけど、何着買うつもりだよ。それで莉奈のお小遣い大丈夫なのか?」


 お金が足りるわけないだろ。俺たち学生だぞ。


「大丈夫です、まだ一二〇万あるんで」

「どんだけあるんだよ」


 羨ましい。そんだけお金があったら何でもできるだろう。


「ふふん、崇めてください」

「服を決められない人を崇めることはできないな」


 よし、上手い返しが出来たと自分のことを褒める。


「うるさいです」




 結果、莉奈に服三着、ズボン三着に絞らせて、結果。十二着で一万六千円だった。


「結局大量になっちゃったな」


 しかも全部莉奈持ちだし。


「いいんです、優斗くんにお金を貢けましたし。私もだいぶ服とか買えましたから」


 貢げたって言い方するなよ。俺はホストか。


「それはよかった」

「じゃあここらへんで」


 そう言って莉奈は手を振って去ろうとするが、俺はその手を掴む。


「いや、駅まで送るよ」


 これは当然の権利だ、莉奈に服を買ってもらう形になったんだし。


「いいですって」

「大丈夫だって、俺どうせ暇だし」

「それはうれしいですけど、遠回りになりません?」

「そんな遠慮するなよ」


 むしろ送らせてくれよって言いたい。


「ありがとうございます」


 そう言って莉奈は軽く頭を下げる。


「てか、明日はカラオケだな」


 俺は明日の話をし始める。


「そうですね」

「楽しみだな」

「そりゃあ優斗くんの歌を聞けますし」

「結局それかよ」


 莉奈の行動原理はやはり俺か。


「しかし、俺あんまり駅まで行ったことないんだよな」

「え、なんでですか?」

「学校行くのに駅行く必要ないし、大体お出かけは車だし」

「最近は車でなんでも行けますからね」

「まあな、便利だけど困ったもんだよ」

「なんでですか?」

「電車に乗れないから」

「別に電車に乗らなくてもいいじゃないですか」

「なんとなくだよ、最近電車に乗ってないからさ」


 たまには電車にも乗りたい。駅なんてどれぐらい行ってないのだろう。電車には電車の良さがあるのだ。


「そうですか」

「と、駅に着いたな」

「ええ、じゃあここで」

「ああ」

「また明日!」

「ちょっと待ってくれ、莉奈の服をまだ渡してない」


 服は俺のも莉奈のも俺が持ちっぱなしだった。


「忘れてましたね」

「じゃあはい」

「ありがとうございます」

「じゃあまた明日」

「はい」


 そして莉奈は元気よく駅に向かって走っていった。


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