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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第二六話 ショッピング1

 俺たちはゲームセンターを後にして、同じ階にある服屋さんに行った。


「さて次はショッピングですね」

「ああ、そうだな」

「ちゃんと付き合ってくださいね」


 莉奈は俺の手をギュっと握りしめながら言った。


「ああ」

「ああしか言ってないじゃないですか」

「別にいいじゃないか」


 ああ、そうだなとも言ったし。


「優斗くんこのかっこうどうですか?」


 着衣室から出た莉奈が服の評価を求めてくる。その服は正直言って可愛いと思う。普段、パジャマ姿を除いて、制服の莉奈しか見てないからと言うのもあるだろう、その可愛さは遥かに他の女子を抜いていると思う。


「ああ、似合うよ」


 俺はシンプルに答える。俺にはその可愛さを表現する術も語彙力も無い。


「優斗くんこれは?」

「可愛いと思う」


 これも素晴らしい、やはり素材がいいと服も素晴らしく感じる。


「優斗くんこれは」

「綺麗だな」


 今度は可愛さではなく大人っぽさに挑戦したようだ。改めてこんな可愛い、素敵な女性が俺の彼女なんだなと再実感した。


「優斗くんこれは?」

「……イマイチだな、それじゃあ莉奈の可愛さを活かしきれてないと思う」

「お、初めてのイマイチ評価ですね」

「うん、俺にはファッションとか上手く言えないけど、この服は違うと思う」


 実際この服は上手くは言えないが、なんとなく可愛く無い気がする。ファッションセンスのない俺にも分かる、莉奈には似合わない。


「私はこれは結構気に入ったんですけどね」

「じゃあそれはすまなかった」


 そんなこと言われても困るだろ。


「まあ優斗くんをショッピングにも誘って良かったですよ」

「俺はファッションなんてよくわからないぞ」

「いいんですよ、私のショッピングの目的なんて優斗くんのためですし」

「そうなのか?」


 それは初耳だな。


「そうですよ、普段なんて制服じゃないですか。なら服が必要なのって休日。つまり、優斗くんと一緒にいる時じゃないですか」

「……たしかにな、なら俺のためと言われても語弊はないのか」


 その理論もたしかに言える。それ以前に休みの日は毎日一緒なのかと言う疑問も生じるが、まあ明日もカラオケに行くわけだし、そう言う意味ではそうだな。


「はい」

「じゃあ選ぶか」

「いや、まだ候補はいっぱいあるんですよ」

「まだあるのか?」


 これで全部だと思っていた。


「はい、まだまだ帰れませんからね」

「はいはい、頑張るわ」


 別に俺はショッピング好きなわけではないんだがな。


「これはどうですか?」

「うーん、なんかもう全部一緒な気がするな」


 最初は見分けがついてたが、そもそも俺はあんまりファッションに興味があるわけじゃ無い。もう何でもよくね? と言う心理になってきた。もはや面倒くさくもなってきてしまってもいる。


「そんなこと言わないでくださいよ」

「そうは言われてもなあ。てか俺にとっては着れればなんでもいいんだよなあ」


 それが俺たち男子にとっての真理だ。


「そんなこと言われても私にとっては着れば同じわけじゃないんですよ」

「わかってるって」

「ほんとですか?」

「念押しやめろ」



「じゃあこれはどうですか?」

「うんいいと思う」

「なんか適当になってません?」

「いや、そんなことないぞ」


 危ない、そろそろ帰りたいなっと思っていることがばれそうになった。さすがに服選びに三十分は男子にはきつい。もう置かれてる服は十着は余裕で越えている。


「で、どうなんですか?」

「うん、本当のことを言うと、これは良いけど、買うほどじゃないと思う」


 俺は痛いところをつかれたので、真面目に診断する。


「その心は?」

「莉奈の素材がいいから、よく見えるけど、総合的に見たらもっといい服がたくさんあるからさ」


 困ったことに莉奈が着ていると十どんな服でも良く見えてくる。


「ちゃんと見てくれてるんですね」

「まあさっき集中切れてたのは事実だけど」

「事実だったんですか?」

「そりゃあもう三〇分経ってるぞ、さすがにそろそろ集中切れるわ」

「切れないでくださいよ」

「無茶言うな」


 俺は服選び好きなわけじゃねえんだよ、むしろ嫌いまであるわ。


「というか優斗くんの服はまだ選んでませんね」

「別に俺の服は別にいいけど」


 まさかの会話が俺の服になってきた。


「私に選ばせてください、私がお金払いますから」

「ちょっと待て、お前がお金払う前提なん?」


 また俺はメダルゲームに続いて、莉奈にお金を払わせるのか?


「だって私が買いたいだけですから」


 自分の服だけじゃなく、俺の服を買いたいとはよく分からん。


「ちょっと待てお前いくらもらってるんだ?」

「え、月一万ですけど」


 化け物だった。


「父親何の仕事してるんだ?」


 まさかヤクザとか、麻薬の密売人とか言わないよな?


「失礼ですね、怪しい仕事やってませんから」

「本当か?」

「本当に決まってますよ、ただのサラリーマンですし」

「ふーん、じゃあなぜそんなお小遣いあるんだよ」

「愛ですよ、そりゃあ」

「つまり俺に対する両親の愛よりも、お前に対する両親の愛の方がでかいということなのか?」

「……知りませんよそれは。てかさっさと選んじゃいますか、時間無いですし」

「ほーい」


 と、俺は力の無い答えを言う。

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