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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第一二話 お風呂2

またまた混浴です。

「じゃあ今度は優斗くんが私の髪を洗ってください」


 莉奈がそう言ったので、俺は莉奈の黒いロングヘアーにシャンプーをかけていく。よく考えたら、いやよく考えなくてもだが、家族以外の女子の髪の毛を故意的に触ったのはほぼ初めてである。


 その髪の毛の感触は今までに味わったことのない独特な感じがした。すごく不思議な感じであり、さらさらとしていて、髪をよく整えてるんだなと感じた。これは莉奈が俺の髪の毛を長く触っていたのも納得できる。人の髪の毛を触るのは本当に気持ちがいい。


「どうだ気分は?」

「最高です!」

「なんか至らぬ点があったら教えてくれ」


 人の髪の毛を洗ったことなんてほぼ無いし、そもそも俺は髪を洗うのが上手いわけじゃないしな。


「無いですよ、優斗くんに髪の毛を洗ってもらえているだけで幸せなんですから」

「それはよかった」


 まあ莉奈だったらそう言うよな。わかっていたことだけど。


「ところで優斗くん」

「何だ?」

「私の髪の毛を触って気持ちいいですか?」

「ちょっと何を聞くんだよ」

「いいじゃないですか、どんな気持ちですか?」

「そりゃあ気持ちいいよ、女子の髪だもん」

「ふーん、そういう気持ちで洗ってるんだ」


 それは俺のセリフなんだが。莉奈が俺の髪の毛を洗っている時にどんだけ莉奈の邪念を感じたか。それに莉奈は俺の髪の毛を長く洗ってたし。


「お前がどんな気持ちか聞いてきたんだろ」

「まあそうですけど、まあ私も優斗くんに洗ってもらうのは気持ちいいですし」


 それは知ってる。お前のことだしな。


「そうかよかった」

「でももう少し強く洗ってくれると嬉しいです」

「こうか?」


 人の髪の毛を洗うなんて久しぶりだからどう洗ったらいいのか分からないので、適当に力をさらに加える。


「その感じです、ああ気持ちいいです、天国です」

「そうか、それはよかった。俺、人の髪の毛を洗ったことないからさ」

「それにしては上手いですよ」

「そうかな」

「上手いですよ、美容師さんより上手いです」

「それは言いすぎだろ」


 美容師よりも上手いわけがあるわけないだろ。


「えへへ、優斗くん補正があるからですよ」


 よく考えたらさっきから莉奈が少しだけ変な気がする。お泊りでテンションが上がっているのか、これが素の莉奈なのかわからない。だが、なんやかんや言って今の莉奈もかわいいと思う、少しうざいしだいぶ変態だけどな。


「ああ、気持ちいい。この時間が永遠に続いてほしいです」

「そうか、それはよかった」

「というか優斗くん長すぎませんか?もうそろそろいいと思いますけど」

「あ、やりすぎか?」

「まあ私は長くやってもいいんですけど」

「ならもう少し洗うか」

「はい!」


 俺はもう洗い終わったところを再び洗い始める。俺も莉奈同様この時間が楽しいのだ。


「さすがにもう洗うところなくなってきたな」

「まあそりゃあもう十分ぐらい洗ってますからね」


 もうそのぐらい時間が経ったのか。楽しいから時間が経つのが分からなかった。


「そろそろ流すか」

「そうですね」

「優斗くんまた今度また髪の毛洗ってくれますか?」

「え?またこんな機会があるの?」


 もうしばらくはごめんだ。楽しいのだが、普通に疲れる。


「え? もうだめですか?」

「だめではないけど、一応俺ら異性だぞ」

「でもカップルじゃないですか」

「まあそうなんだがな」

「ならいいじゃないですか」

「お前結構カップルで押してないか? カップルなんて不安定なものだぞ、いつ別れるものかわからないんだから」


 俺の母さんの話だと、うちの叔父さんは三か月で別れてたし、そんな安定感のあるもんじゃないと思う。


「優斗君は別れるつもりなんですか?」

「そんなつもりはないけどさ、家族とか兄弟とは違うってことを言いたかっただけ」

「それはよかったです。私、優斗くんに捨てられたらと考えると怖くて」

「そんなことするわけねえだろ」


 前にこのセリフ由衣に言った気がするな。というか俺としてはそんなことするわけねえだろとは風呂に乱入されている時点で言い切りにくいんだが、まあ今のところは捨てる気ではない。というかそもそも俺に捨てられたくないのに俺が入っている風呂に乱入する勇気はどこから来たのだろうか。


「それはうれしいです。あと、そろそろ風呂入ってよろしいですか?」

「ああそういやずっと髪の毛流してたな。入っていいよ」


 どうぞじゃねえだろ、裸の莉奈と一緒のこの状況に慣れてきている自分が怖い。


「はあ、気持ちいいですね」

「そうだな」


 莉奈が風呂に入ったおかげで莉奈の体の大事なところは見えなくなったので少しほっとしたが、相変わらず莉奈の胸の上側は見えてしまうので目のやり場に困る。だが、もし莉奈のことを見てないと、莉奈は「こっち見てくださいよ」と怒ってくるのだ。困ったものである。


 しかし、会話が楽しいというのも事実であり、会話に神経を集中させれば胸を見ることなくすむということは救いであった。会話が楽しくて、時間がとても早く過ぎていく。様々なことを話した、様々なことをだ。例えば莉奈の運が良かったエピソードなどである。


「しかし楽しいですね、優斗くんとの会話は」

「そうか、それはうれしいな、俺も楽しいよ。最初風呂に乱入してきたときはまじで絶交しようかなとか思ったけど」

「そんなことかんがえていたんですか? 優斗くんひどいです」

「そりゃあ誰だって思うだろ、急に来られたら」


 それに莉奈は変態だしな。


「そうですか?」

「そうだよ」

「しかしお風呂気持ち良すぎます。1日の疲れが消えます」

「俺もそう考えてたけど、お風呂なのにお前のせいで疲れたわ」


 いろいろ裸を見せられたりしたしな。ほんと、濃密なお風呂の時間だった。


「私のせいですか?」

「まさかお風呂の中でイベント起きるなんて思ってなかったし」

「まあでも今日のイベント増えたことを私に感謝してください」

「はあ、感謝するよ、女子の裸見れたし」

「この変態!」


 変態はお前だろ。




「ふう、気持ちよかった」

「ああ気持ちよかったです」

「今の時間はっと十時半? 一時間以上も入ってたということか?」

「私はたぶん四五分ですね」


 どうりで体が暑いと思ったわ。


「でも、時間を忘れることができましたね」

「ああ、そうだな」


 本当に楽しかった、まあ莉奈が風呂から体を起こして風呂を椅子代わりにして座った時はマジで目のやり場に困ったけど。


「このあとどうします?」

「どうしますってもう寝るしかねえだろ」

「あ、そうだ明日も泊まりに来ていいですか?」

「二日連続はさすがにやめろ、俺が疲れる」

「私、疲れる女ですか?」

「一人の時間が欲しいんだよ」


 疲れる女というのも本当に否定できないけど。まじで常にイベントを起こさないと気が済まないのか。


「そういえば優斗くんなんでこっち来ないんですか?ずっとお風呂場にいて」

「ああ、俺がそっち行ったら、俺の変なところ見られるしな」


 そう、まだ莉奈は自分から見せてるからいいが、俺の下半身のあれを見られたら死ぬ。俺にもちゃんと羞恥心というものはあるのだ。


「私がもう見せてるようなものですし、気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ」

「そういう問題じゃないんだ」


 俺が困るんだよ!


「そんな恥ずかしがらなくても、こっち来てください」

「変態呼びするぞ」

「ひどいです」

「とりあえず早く服を着てくれ、こっちはいつまでお前の裸を見なければならないんだ」

「もっと楽しんでくださいよ」

「楽しめるか!」

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