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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第百二十話 文化祭準備

 それから本格的に文化祭の準備が始まった。


 まずは、部屋の飾りを作るという事から始まった。

 画用紙を使って鎖を作っていく。

 壁に飾るための物だ。


 さらに、カフェの雰囲気を作るために机に賭ける布などを理央の指示で作っていく。


 俺はくさりを作る担当だ。画用紙を負って、長い長方形の形にし、折り曲げてテープで貼り、さらにその折り紙の中を通してどんどんと繋いでいくのだ。


「これ、地味に楽しいですね」


 そう莉奈が言う。


「だな、単純作業だが、飽きない。いくらでも作れそうだ」

「しかも優斗君と一緒ですからね、私の手もどんどんと進んでいきます」

「おう、でも、丁寧にな」

「勿論それは分かっていますよ」


 そう言って莉奈はどんどんどんどんと作っていく。

 莉奈の作るペースに負けないように、俺も作っていく。


「そう言えば優斗君、私のメイド服はいつ来るのでしょうか」


 メイド服、執事服に関しては、誰が着るのかをクラスの話し合いで決めた。

 当然全員強制させるわけにはいかないし、料理担当などの裏方も必要なので、挙手性で決めたのだ。


 その結果、メイドには莉奈を含む七人が手を挙げた。

 ちなみに俺は執事の方に手を挙げなかったが、彰人たちに無理やりあげさせられた。恨むぞ。


 そして、費用のこともあるので、採寸したら借りる運びとなっているが、あまりそう頻繁に借りるわけには行かない。

 という訳で、前日か、前々日に届くことになっている。



 だから、試着は本番前のリハとして一回程度しかできないのだ。




 しかし、本番に父さんと母さんが来るの普通に気まずいな。


 何しろ、絶対に面白がられるからだ。

 ああ、父さんだけは来てほしくない。

 だが、来るって言ってるんだよなあ。

 ああ、憂鬱だ。


「そう言えば、由衣ちゃんも来るんですよね」

「……ああ、そうだな」

「由衣ちゃん、私のメイド服姿になんていうでしょうか」

「そうだな。……まあ、可愛いって言ってくれるんじゃないか?」

「ふふ、そう言ってもらえたら嬉しいですね」


 そう言って微笑む莉奈。


「あ、でも」


 どうしたんだ?


「優斗君がほめてくれるならそれでいいですけど」

「ああ、そうだな」


「ちょっと、そこいちゃつかないでよ」


 そう、美里が言う。

 それも俺に向けて。


「別にいいだろ。手は進んでいるんだし」

「だめだよ。他の人がうらやましそうにしてる」

「そう言う問題なのか?」


 確かに周りの人達が見ているが、こんなの今に始まったことじゃないだろ。

 ハグを見せつけたこともあったんだし。


「でもね、私も彼氏いないし、うらやましいんだよ」

「じゃあ、彰人あたりを彼氏にしたらどうだ? 告白したら案外行けるかもしれないぞ」

「そう言う話じゃないよ。そもそもタイプじゃないし」


 あ、彰人振られた。


「まあ、それはいいけど、この話の間手が進んでないけど」


 美里が俺たちをにらむ。


「分かってるよ」


 俺はそう言って手を進めるのであった。


 そして、一時間後。


「できた」

「ええ、できました」


 二人でできた鎖を掲げる。


「後は。とりあえずこの鎖を繋げないとな」

「ええ」


 二人の鎖を重ね合わせ、一つのものとした。


「私と優斗君の合体ですね」

「なんか、そう言う感じで言うと変な感じだからやめろよ」

「えー、いいじゃないですか」


 そう口を尖らせる莉奈。


「それで、次の仕事を見つけないとですね」

「ああ」


 ここはとりあえず終わったとなれば、理央に次の仕事を貰わなければ。


「次の仕事はないか?」

「じゃあ、買い出ししてきて」

「分かった」

「分かりました」


 そして、俺たち二人で買い出しに行く。



「優斗君と買い出しなんて夢見たいです」


 そう、俺と手をつなぎながら言う莉奈。


「買い物なんて今までに何度もしてきただろ」

「いえ、それとこれは違いますよ、何しろこれは優斗君と公的な用事でお出かけするんですから」

「公的なって」


 確かにそうだが、文化祭の買い出しをそのような言葉で表されるとは思っていなかった。


「へへへ、楽しみです」

「何がだよ」

「勿論これからの事ですよ。何しろ、彼氏と一緒の文化祭。楽しくない訳がありませんから」

「まあ、そうだな。俺も……ん、てか」

「どうしたんです?」

「今考えたら文化祭メイド服の莉奈と一緒に回るってことか?」


 メイド服の事はよくは知らないが、いちいち着替えたりするなんて、私服よりもはるかに時間がかかるだろう。

 それにお着換えスペースもそこまで作れるとは思えない。

 つまり、


「もちろんそうじゃないですか。話聞いてなかったのですか? 一日中メイド服は着たままって」

「……」


 そうか、だとしたら俺は大変な事になる。


「はあ、今から考えたら恥ずかしい。……ん、てことは俺の執事服もか?」

「勿論です」

「はあ……」


 ため息が止まらない。

 大変な事だ。

 ただでさえ、莉奈という存在でバカップルになるであろうことは確実であり、その事で周りからの目を集めることは間違いない事なのだが、それに加え、執事服と、メイド服のコンビか。

 幸先が悪いな。


「私は楽しみですからね」

「俺は楽しみ半分、恐ろしさ半分だよ。はあ」

「ため息吐き過ぎです」


 そしてそんなくだらない会話を続けること二〇分。俺たちはホームセンターにたどり着いた。


「えっと、ほしいのが、折り紙数枚と、布と、なんだっけ」

「後はこれですね」


 そう言って莉奈は俺にメモ帳を渡してきた。


「助かる」


 俺はそう言って莉奈に渡されたメモを読む。


「そこそこ買わなければいけないものがあるな」

「ですね」


 そして互いに分かれて、メモに書いてある物を調達していく。

 沢山買わなければならないものがあるが、手分けして選べばかなり楽になる。


 そうして二〇分後、俺たちは目的の物を買い終わり、レジ前に集合したのだが……


「優斗君、一人で会計してもらえませんか?」


 莉奈がおずおずと言う。


「どうしたんだよ」

「私は私で買う物があるので」


 そう言って莉奈はかごの中の文化祭用の物を俺に差し出す。


「まあ、いいぞ。あ、もちろん文化祭用のお金で買うんじゃないよな」

「さすがにそんなケチな事はしませんよ。優斗君酷いです」


 そう言って口を尖らせる莉奈。そんな彼女に対して「分かったよ」と言った。

 しかし、ここはホームセンター、莉奈のやつ何を買ったのだろうか。

 箱の中身的にそんなに多くはないが。


 そう思い、莉奈に「何を買うんだ?」と訊く。

 すると、「内緒です」と、莉奈は静かに言った。


 勿論莉奈が言いたくないと言っているのに、野暮な詮索をする気はない。


 俺は「そうか」と言って会計に進む。



 そして会計をし、領収書をもらって、出口で待っていると、莉奈はすぐに来た。


「お待たせ」


 そして俺たちは歩き始める。


「しかし莉奈、そんな袋持ってたら、私的な買い物をしたことがばれるんじゃないか?」


 莉奈が持っているのはれっきとしたレジ袋。

 今日ホームセンターに行ってないと、こんな袋貰えないはずなのだ。


「大丈夫ですよ。私的な買い物をしたらダメとは一言も言われてないんですから」

「まあ、そうだな」


 そして学校に戻り、領収書と買ったものを渡す。


「ありがとう」


 そう美里は言って袋を受け取る。


「それで、莉奈ちゃんが持っているものは何?」

「これは私の私的な買い物です」

「え、まさか莉奈ちゃんサボってたってこと?」

「勿論私も買い出しはちゃんとしましたよ。ただ、そのついでに気になるものがあったから買っただけで」

「そう、ならいいけど。……じゃあ、次は――」


 そうして分け与えられた仕事をこなし、今日は帰宅する運びとなった。


「はあ、疲れましたあ」


 帰り道に莉奈はぼやく。


「でも、みんなが一体となって働いている。その一体感が感じられてよかったです」

「だな。本番が楽しみだな」

「ええ、もちろん」

「でも莉奈、本番では過度なイチャイチャは辞めてくれよ」

「分かってますよ」


 分かってるようには見えないな。


「じゃあ、また明日」

「ああ、また明日」


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― 新着の感想 ―
「でも莉奈、本番では過度なイチャイチャは辞めてくれよ」 「分かってますよ」 絶対イチャイチャするやつでしょ笑 期待してます(ニヤケ顔)
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