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クラスの女子と関わったことの無い俺の机の中に手紙が入っていたのですが  作者: 有原優


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第十一話 お風呂1

ここから少しだけ過激な表現が入ってしまうかもしれません。

しかしお泊りはイベントがいっぱいですね。

「すみません」


 莉奈の声が聞こえる。何だ? 急に。何か用事でもあるのか?


「なんだ?」

「お風呂に私も入っていいでしょうか?」

「は?」


 意味が分からん。莉奈ってここまで常識ないやつだったか? 普段は俺の母さんと父さんも風呂別々だし、当然俺と由衣も風呂別々だ。兄弟、夫婦だからって男女一緒に風呂に入るものではないと思ってる。なのに莉奈は今、入ってこようとしている。


 まさか裸を見せ合おうということか? まったくわからない、本当に分からない。どういうつもりなんだ本当に。まだ二日目だぞ。


「は? とは何ですか、たしかに攻めた発言ですけど、二人で入ったほうが時間短縮にもなるじゃないですか? それに私たちもうカップルなんだし別に男女で入ってもいいと思いますし」

「いや、問題だろ。とりあえず俺が風呂から上がってくるまで風呂に入ってくるのは待ってくれよ」

「待てませんよ、もう服を脱いでしまっているわけですし」


 いや、どういうこと? もう服を脱いでるの? もう訳が分からん。カップルってこういうことをするものなん? 頭の中に?マークが延々とめぐっている。俺はなんていう人と付きってしまったんだ。しかし、そんなことを考えても仕方がない。今重要なのは莉奈が風呂に入ってくるのを止めることだ。もし莉奈が風呂に入ってきたら、俺は生まれて初めて女の人の胸を見ることになってしまう。


「もしかして水着とか来てるのか? それともタオルでも巻いてるのか?」

「え? 完全なる裸ですよ」


 希望は打ち砕かれた。莉奈は本当の裸体でお風呂に入ってこようとしているっていうことだ。


「待ってくれ、風呂に入ってくるな、お前を変態としてみたくはないんだよ」


 さすがに変態と言ったら風呂には入ってこないだろ。しかし、莉奈のことだ。もしかしたら俺の意思関係なしで風呂に入ってくるかもしれない。ただ、これで最悪の事態は免れていてほしい。


「でももう服ぬいでますし、また服を着るのは面倒くさいですし、風呂入ってもいいですか? 優斗くんも女子の裸が見れていいでしょうし」

「俺はお前の裸を見たいわけじゃねえんだよ、俺は健全でいたいんだ、もしお前の裸なんて見てしまったら、そういう変態的な目でお前を見てしまうだろ」


 そうなるのかは分からないが、一度だけ女子の谷間を見てしまったことがある。その時はそれ以来三日ほどドキドキしてその子の顔が見れなかった。


「えーでも優斗くんも男でしょ、そういう欲望はないんですか?」

「無いわけではないが、おかしいだろ、まだ付き合って2日目で風呂に一緒に入るかどうかっていう話になるなんて」

「でもさっきキスしたわけじゃないですか」

「キスとこれは違うだろ、いい加減にしないと家族呼ぶぞ」

「大丈夫です、三人とも許可撮りましたから」

「は?」


 え? まさかの親公認? うちの家族おかしいと思っていたけど本当に頭おかしいんか? 何を考えているんだよ。本当頭おかしくなってくる、よくこんな家に生まれて普通に暮らしていけてんな俺、普通病んでしまうだろ。せめて俺の許可は取れよ。


「というわけで風呂入ってもいいですか? というか入りますよ」

「おい、風呂入ってきたらもう口きかんぞ」


 これが俺にできる最後の抵抗だ、これでもう無理だったらもうあきらめるしかない。頼む引き下がってくれ、俺はもうお前には失望したくないんだ。


「そっかぁ、でも私今日電車が止まっているって聞いて今日しかないなと思ったんです。お風呂に一緒に入るのは。だからお願いします! 一緒に入らせてくれませんか?」


 引き下がってくれない。だが俺は諦めるわけにはいかない。俺は何が嫌かと言われても説明はできないが、とにかく無理だ。俺の何かが壊れてしまう。


「ごめん、むり」

「すみません百合子さん、優斗くんが無理とか言ってくるんですけど」


 莉奈が台所にいる母さんに大声で話しかける。


「ああ、じゃあ私の権力貸すわ。無理って言ったらご飯つくらないからって言っといて」

「優斗くん、聞こえましたか?」


 ふざけるな、そこまでしてのことなのか、風呂一緒に入るということはさ。うちの両親が付き合ってた時どうなってたんだよ。マジで意味わかんねえ、ふざけんなよ。てか権力を貸すってなんだよ、俺は母さんの道具じゃねえぞ。


「はいはい、わかったよ入れよ」


 嫌だ、一人で入りたい。莉奈とは言え女子と一緒には入りたくない。だが、さすがにご飯抜きは嫌だ。仕方ないことなんだよ、許せよ俺。別に裸が見たいからではないんだ。


「はい! では今から入りますね」


 風呂のドアが開いていく。ああ、嫌だ、まさかこんなことになるなんて、こうなるぐらいだったら無理にでも帰ってもらったらよかったかもしれない。莉奈とうちの両親とを混ぜたらこうなることは目に見えていたのに。いわゆる混ぜるな危険ってやつだ。


 ドアが開いて裸の莉奈が風呂に入ってきた。なんの躊躇いもなく、胸を手で隠すようなこともしないで普通に入ってきた。俺にとって物心ついてから初めての女性の胸を見ることになる。


 莉奈は別に巨乳なわけではない、どちらかといえば貧乳の方だろう。だが女性の胸というものは美しい。もう莉奈のことを真っ直ぐは見れないだろう。しかし俺は変態になってしまったのか、かなり興奮をしている。このお顔を見られたら一〇人中九人は変態だと思うだろう。だが今回は仕方がないのだ、莉奈の方が変態なんだから。


「シャワー浴びますね」

「あ、ああ」


 俺は風呂の壁を見ながらそう答える。


「優斗くん、壁の方に顔を向けてないで、こっちをみてください」

「ごめん。それはほんまに勘弁してくれませんか」


 いや、変態かよ、俺に見せようとしているじゃねえか。付き合っている俺相手とはいえ、胸ってこんなに軽く見せて良いものなのか? 俺には本当にわからない。


「えーこっちみてくださいよ、ほら!」


 そう言って莉奈は自分の方に顔を向けさせてくる。何回も言うけど莉奈は変態だ。


「止めろ」


 俺は軽く怒鳴った。このまま莉奈の言う通りにしていてはだめだ、それに俺が最悪情報量の多さに倒れてしまう可能性がある。


「良いじゃないですか」


 莉奈は負ける気は無いらしい。俺の顔を掴んで無理やり俺の顔を莉奈の体の方を向けさせた。そして莉奈の姿が、裸が再び俺の目に映る。莉奈の姿ということは、莉奈の裸が見えるということだ。


 やはり刺激が強すぎる。健全な男子高校生に耐えられるわけがない。エロ思考の人なら喜ぶかもしれないが、俺には無理だ、無理すぎる。莉奈とはいえ、裸なんて見たらダメな気がする。


「そうだ、優斗くん。髪の毛洗ってあげます」

「なんでだよ、良いよ別に」


 これ以上イベントがあってたまるか。裸の女子に髪の毛を洗ってもらえる。一見幸せなイベントに聞こえるかもしれんが、今の俺は違う。


「私が洗ってあげたいんですよ」

「俺は今日は髪の毛洗わねえ」


 この状況で洗ってもらうなんてもはや無理だろ。莉奈の裸は見ないで済むかもしれないが、裸の女子に洗ってもらうというのは想像するだけでダメすぎる。


「なら尚更良いじゃないですか、優斗くんは何もしないでも私に洗ってもらえますし、win-winじゃないですか」

「いや、莉奈に洗ってもらうのが嫌なんだよ」

「なんでですか?」

「当たり前だろ、裸の女子高校生に髪の毛洗ってもらうなんて、刺激が強すぎるんだよ」


 マジで髪の毛を洗ってもらうってどんなサービスだよ。女子高生と一緒に風呂入るのだけですでにそうなんだけど。恥ずかしいから俺はそんなサービスは受けたくない。


「あ、なら優斗くんが私の髪の毛洗ってください」

「は?」


 いや、そっちの方が刺激強いだろ! 洗ってる時に莉奈の裸見えるかもしれないし、マジで自分が女で俺が男ってことわかってんのかな? いやこいつのことだから絶対わかってるんだろな。はあ、どうしたら良いんだよこの変態。


「いいじゃないですか、お金あげますよ」

「お金の問題じゃねえ」

「でも私たちカップルですよね」

「俺が知る限りそんなカップルなんていねえよ」

「もう!」

「うわ、何をするんだ」


 莉奈は俺の髪の毛にジャンプーをかけて頭をわしゃわしゃとかき回す。俺が断ってくるから無理やり洗ってきたか。まあいいだろう、付き合ってやるか。


「気持ちいいですか? 優斗くん」

「ああ、まあ気持ちいいよ」


 悔しいことに莉奈の洗い方はうまい、上手である。正直言って気持ちがいい。過去にこんな洗うのがうまい人にあったことはない、まあ四年間人に洗ってもらったことはないが。


「なら次は私の髪の毛を洗ってください」

「なんでだよ、それとこれは違う話だろ」

「えーお願いしますよ」

「だめだ」

「わかりました、じゃあ優斗くん胸をもんでください」

「は?」


 急に胸をもんでください? エロ漫画なのかこれは?


「私の髪を洗ってくれるか、私の胸をもむかどっちか決めてください」

「分かったよ、莉奈の髪の毛を洗うよ」


 どうせ断ってもなんやかんやでやらされるパターンだ。それならばもう無駄な問答はしない方がいい。時間が過ぎるのを待つだけだ、莉奈が飽きるその時まで。それに胸をもむかと言われたら髪の毛を洗ったほうが断然良い。


「長すぎないか?」


 もう三分ぐらい頭を洗われてる。俺は普段は頭を洗うのに一分しかかけないから、その三倍の時間である。


「優斗くん、別に長くありませんよ。このぐらいは洗わないと頭は綺麗になりません」

「そうかな?」


 とは言ってみたものの、気持ちいいからこのまま洗い続けてもらっても構わない。本当に莉奈は洗うのがうますぎる、どこかで修業とかをしてきたのかな?


「優斗君の髪の毛を洗うのは楽しいです」

「そうか、俺もお前の裸を見ることも慣れてきたよ」

「見てるんですか? この変態」

「仕方ねえじゃねえか、ならお前が隠せよ」

「嫌です」

「なんでだよ」


 お前のほうが変態だろ。それに胸を見ることはもはや避けられないし。


「私だって見せたくて見せているわけじゃないんですからね」

「ならなんでだよ」


 見せたくて見せているわけじゃないの? 変態じゃないってことなのか? わからなすぎる。


「混浴するためです」

「そうか、でもお前楽しんでるように見えるけど」

「楽しいじゃないですか」

「そうじゃなくて、胸を見ることによる俺の反応を楽しんでないかっていうことだよ」

「それは、否定はできませんね。それに、見せたくて見せてるわけではないですけど嫌なわけでもないですし」

「そうか」


 要するに楽しんでいるというわけだな。


「じゃあ流していきますよ」

「ああ、お願いするわ」


 そして莉奈が髪の毛にシャワーを当て、少しずつシャンプーが流れていく、その間莉奈は俺の髪の毛をなでる。というかめっちゃなでまくる。


「莉奈、お前楽しんでないか?」

「だってせっかく優斗くんの髪の毛を触れるチャンスですよ、少しでも長く触らなきゃ損ですよ」

「おまえなあ」


 やっぱりお前が髪を洗いたい理由はそれかよ。


「じゃあ今度は優斗くんが私の髪を洗ってください」


 俺の髪の毛を洗い終わるとすぐに莉奈がそう言った。ついにこの時が来たか、俺の莉奈の、女子の髪の毛を洗うというイベントが。


今度は優斗が莉奈の髪の毛を洗うそうですね。ここからどうなるのでしょうか。

ちなみに二人は付き合ってまだ二日だそうです。

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