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塩おにぎりは茹で豆腐の末裔

作者: 井関もさら

「目覚まし時計を食べる幽霊の足元は耳から紳士の誘拐か?」

彼はそう尋ねた。彼の名前は人字型(ひとじがた)帝馬郎(ていまろう)命霧(めいむ)高校の2年生だ。

「何寝ぼけたこと言ってんのよ。爪、剥ぐわよ」

「え?」

「はァ?」

人字型と“平和な”会話を繰り広げる彼女は終末奇(しゅうまつき)絶子(たえこ)。人字型の右隣のクラスメイトだ。何でだろうね?絶子とは俺のほうが仲が良い…いや惚れられてすらいるだろう。お前もそう思うよな?だって俺の前の席だしその上あの美しいロングヘアーを垂らしているんだしプリントを渡してくれる時一言言ってくれるんだ…。

んん…。自己紹介がまだだったね。俺の名前は…まぁ「俺」でいいや。書くのめんどいし。叫べ、骨の髄まで!

はい。という事でね、ヨロシクネ。

時はよくある昼休み。昼食を食べ終わった俺と彼らは教室でのんびりしていた。といっても、俺は人字型と話した事は無い。何故とか無い。え?コミュ障なんだろって?陰キャ?カス?ヒエラルキーの最下層?面白いことを言いますね、地球人は。いやはや、ボキャ貧肉塊寄生哺乳類どもが。滅すぞ。

「後頭部に顕現する救世主と鯖の味噌煮缶のコーンポタージュでおなかいっぱい」

「どの爪からが良い?左手の薬指がオススメだけど」

「黒ミサに由来するパーソナルコンピュータは日本高等ジュース研究所の脱走兵!USBメモリで交差し未来の怪獣を懐柔せんとす。コウモリですか?味噌煮缶ですか?ですます調の優等生は死んだ外国語の遺言を託し、通知音の爆発に耐えた絶子はヴァイオリンの後悔でしょ?」

「そうね…。やっぱりアブラボウズを食べてもらうわ」

アブラボウズか…。おなか壊しちゃうな…。うれしい!

「わざわざ申し訳ない…。氷菓子の高速飛行は飲酒運転の盛りだろう。寝違えの夢は天丼のイメージを覆す事は無いよね…」

「今から釣ってくるわ。五万七千八百円の貸しね」

「奥行きの無い四角い部屋、効果は暫定的。眼鏡を通して見る景色は色彩収差の断末魔だ。サンタクロースに気をつけて」

「分かってるって。んじゃ、行ってきます」

もう行っちゃうのか…。颯爽と駆け出す絶子も美しい…。それに比べ人字型は何なんだ。あんな美女にアブラボウズを食わしてもらえるんだぞ?なんでお前なんだなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで、なんで?

こうして教室には俺と人字型だけになった。珍しいなァおい!だからと言って俺は椅子の上で座禅を組むだけだし、人字型は机に伏してるしで会話など無い。ないなな~い。

「解体新書のユートピアは皇帝の猛毒だよな?」

え?なになに?急なんやけど。こっわ。んまぁ、話あわせとくか…。

「そう…なんじゃない?」

「媒介する牛は猛毒のUFOにはならんの、なんでやと思う?」

難しい事言うなよ…。返事に困るだろ。俺は数学が苦手なんだ。

「え、えとー…。多分、yが2乗されてxの3乗根をとるからじゃない?」

どうだっ。

「なるほど、ミサイルの入射角が座標転換で後転するジーンズと一致するからか!」

あ、あ~。俺にもやっと分かった。てか、コイツぜってー頭いいだろ。俺を試してんのか?下等生物が。滅すぞ。

「ありがとね。哺乳類の墓場の守人に…」

昼休み終了のチャイム。

「…骸骨の誘拐ライトを!」

きりが良いのでこれにて今日の記録を終了としよう。

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