漫才「危険な企画」
二人「どうもー。よろしくお願いします。」
ボケ「さっそくだけど、今からアフリカ言って来るな。」
ツッコミ「おい。待て待て。」
ボケ「ん?」
ツッコミ「ん?じゃないよ。なにネタ冒頭、相方放ったらかして異国の地に飛び立とうとしてんの。」
ボケ「いや芸人ってさ、危険な企画がつきものなわけよ。」
ツッコミ「んー。まぁよくあるけどね。バンジージャンプとか無人島生活とか。」
ボケ「俺さ、ああいう体験をしてこそ、芸人として覇気がつくと思うのよ!」
ツッコミ「箔な。覇気って、そんな某少年漫画みたいな展開ないから。」
「それで、なんでそこからお前のアフリカ行きになるの?」
ボケ「実はやってみたい企画があるんだけど、それがアフリカに行かないとできないことなのよ。」
ツッコミ「へぇ、なになに?」
ボケ「『対決!!百獣の王VS芸人。野生のライオンと2ショット撮ってみた。』」
ツッコミ「なんでサムネイル風?」
「そんなポッと出のユーチューバーみたいな軽いノリでできるもんじゃないよ?」
ボケ「大丈夫!ちゃんと予習してあるから。」
ツッコミ「予習?」
ボケ「『新2022寅年版 猿でもできる!ライオンを猫撫で声にさせる10のテクニック』これでもう完璧よ!」
ツッコミ「とんでもない本に教えを請うてるな。」
ボケ「凄く分かりやすくて、スムーズに覚えられるのよ。」
ツッコミ「いや、寅やら猿やら大渋滞してるけどな。」
ボケ「まぁとにかく、2ショットを撮るにはライオンの近くまで行かないといけないわけよ。」
ツッコミ「うん。まあ大前提そうね。」
ボケ「で!本にライオンに遭った時やってはいけない三ヶ条っていうのが載ってたから、それさえ守って行けば大丈夫!」
ツッコミ「そんなのあるの?」
「まず、「みぇ、目を見る」「背中を向ける」あと一つなんだっけ…。うーん、うーん……出てこナイチンゲール!」
ツッコミ「お前、芸人がやってはいけない三ヶ条やってるの気づいてる?」
ボケ「え?」
ツッコミ「『噛む』『トチる』『スベる』だよ。」
「やっぱり止めたほうがいいんじゃない?」
「俺なんて言えばいいんだよ?」
ボケ「何が?」
ツッコミ「葬式で『相方はアフリカ大自然の糧になりました』って?やめてくれよ!」
ボケ「おいおい。勝手に殺すな。」
「うーん。でも折角勉強もしたし、アフリカはともかくライオンは諦めたくないないなぁ。」
ツッコミ「いや、それが一番の危険要素!」
ボケ「もっと身近ですぐ会えて、人慣れしてる危険生物探すか。」
ツッコミ「そんな都合のいい危険生物いないよ。」
「…あ、待てよ!あいつならお前にぴったりかもしれない。」
ボケ「え?まさか心当たりがあるの?」
ツッコミ「俺の近所の田中さん家で飼ってる…」
ボケ「ご近所さん!?たまにワニとかヘビとか飼ってる人いるけど…。」
ツッコミ「マダケイゴスっていう…」
ボケ「めっちゃ強そうじゃん!」
ツッコミ「猫。」
ボケ「猫!!!???」
ツッコミ「うん。猫。」
ボケ「猫…。」
ツッコミ「ライオンと同じネコ科だし、お前にぴったりだろ?」
ボケ「いや、俺のこと舐め過ぎだし、マダケイゴス…よく聞いたらケダマスゴイ(毛玉凄い)じゃねーか!」
「もういいよ。」
二人「どうも、ありがとうございました。」