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エッセイとしての私の記録  作者: マッキー
7/21

やっと退職、実家へ強制送還編

待ちに待った退職日、そして実家へ強制送還。

長い夏となった。

退職日まで出社せずなんとか1週間ほど寝込んで過ごしたが、最終決戦は残っていた。必要な書類の受け渡しや作業着の返却だ。行きたくない。それはもう北極に全裸で行くほどの思いで部屋を後にした。猛暑日だったが。


全身文字通りガタガタ震えながらおもむき、なんとか経理部とお世話になった現場をまわった。パートさんたちからはプレゼントをいただいたりもした。涙と鼻水で顔面は白糸の滝だった。目も鼻の穴も2つずつしかないが、枝分かれして見事な滝であったと思う。


ほかの社員たちもさすがに私がもう病気であることを察していたようで、特に生産管理部の上司は自身も行方不明になった経験からか、とても労ってくれた。彼はそのまま続けていくのだろうか。


ストーカーはその日も未練がましく私と2人きりになろうと金魚のフン状態で私のあとを付いてまわった。気持ち悪かった。早く無関係になって、願わくばなるべく苦しんでから生まれ変わっていただきたい。これ以上はない恐怖と苦痛が彼を襲いますように。魔女狩りレベルの酷い目に遭いますように!


そして一通りの挨拶を済ませて外に出た。二度とここへは来るものか。来てたまるものか。やっと解放された。私は少なくともこのクソクソ真っ黒人権侵害タンツボ肥溜めカス会社とは縁が切れたのだ。猛暑も清々しく感じた。帰り道ではカブトムシが歩道を歩いていた。実は売り物でないカブトムシを見るのは初めてだったので通行人の目も気にせず携帯電話で写真を撮った。


その2日後だったか、実家から家族が来てくれて引っ越し作業が始まった。まったく何も準備を出来ていなかったうえに、ベッドの下など怖くて見られなかったのでかなりの汚部屋だった。もちろん私は使い物にならないゾンビと化していたので、すべて家族がおこなってくれた。どう引っ越したのか手続きなど覚えていない。


私は「自立しなければ、我慢しなければ」と思っていたので家族に相談などはあまりしてこなかった。

「もっと早く辞めるべきだったのに、なんでこんなに…」

母を泣かせてしまった。現在も私は鬱病の療養中でほぼゾンビなので、もっと早く辞めていればとは7年経った今でも言われる。同意しかない。


実家に戻ってからは毎日寝込んで過ごし、黒糖とチキン●ーメンしか食べたくなかった。さすがに晩ご飯はなかば無理矢理食べさせられたが、味を感じなかった。起き上がれないときは病院のように母がベッドまで食事を持ってきてくれた。

正直、実家に戻ってしばらくのことはあまり記憶にない。漏らしたエピソードはないため、トイレだけは行っていたと思われる。


充分な休息、母の料理のおかげで体重は少しずつ増えてきていたが、これはおそらく鬱病だろうと確信していた。

多少起き上がれるようになり、意を決して母に告げた。

たぶん自分は普通の状態ではない。眠れない。テレビ番組が何を言っているのか聞き取れない。新聞に何が書いてあるか読めない。言いたいことを言語化できない。きっと病気だ、病院に行きたい。

母にも偏見があったのか少々しぶられたが、心療内科を受診することに決めた。もはや素人の手に負えるレベルのゾンビではない。強くてニューゲームが必要だ。ショットガンを連射してもらわなければ。謎解きとアイテム回収、ヘッドショットを求めて駅前の病院の門を叩くことに決めた。

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子供のころから作文は誉められていました。 スマホの半角スペースだと段落の頭に空白マスを作れませんね。 でも寝転がって書けるのでスマホは便利。
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