クリスマス事情、本部☆
一応『クリスマス事情、再び☆』の続きになります。
分かりにくい表現があるかも知れませんが、頑張ってください(笑)
終わった。
今年も長かった。ガキはさっさと寝ろよ、たくっ。
さみぃんだよ。
今年は雪が降らなかっただけよかったけど、さみぃもんはさみぃんだよ。
本部もさぁ、もっと考えろよ。暖かく快適に配れる方法をよ。サンタは殆ど年寄りなんだし、もっと体を労ろうぜ。こっちだってそんなに若くないんだぞ!
「今年も終わっちゃったね。雪が降らなかったのは残念だったけど、街のイルミネーションが
綺麗だったから許しちゃう♪寒いからこそイルミネーションを見たときの気持ちってあんなに盛り上がるのかな?
でも、私たちはまだ若いから寒さに負けちゃダメよね!」
「……………………。」
「あれ、どうしたの?何も言わないの?調子悪い?」
「お前がこのやりとりに飽きたって言うから黙ったんだろうが!言っていいなら言うぞ?!
お前は、なんで、そんな正確に俺の気持ちがわかるんだ?!しかも、否定的な意見だしよぉ!
いや、それはまだいい。人…つーか、おまえはトナカイだが、個人個人、意見はそれぞれだからな。
だが、心の中が読まれてるのは納得いかねぇ!俺の人権は?!プライバシーは?!」
はぁ、はぁ、い、言ってやったぞ。
さぁ、どうでる?正直、あのときの怒りがまたくるんじゃないかと内心ドキドキだ。
俺いつからこんなに情けなくなったんだ。
なんか泣けてくる。
「ははは、すごい声だのぉ。向こうの方まで聞こえておったぞ」
「あっ、ランドリーさん、お疲れさまです」
「お疲れさん、日本での仕事はどうだい?」
「楽しいですよ。最近の子供たちは夜更かしする子が多いけど、仕方ないですよ。ランドリーさんのところはどうですか?そっちは雪とか吹雪いてて大変でしょう?」
「いやぁ、毎年のことだから慣れてきたよ。トナカイも頑張ってくれておるしなぁ」
「確かフォースさんですよね?」
「あぁ、年だからそろそろ引退だとか言っておるよ。わしもだかな、ははは」
「え〜、ランドリーさんたちが居なくなると寂しくなります」
「ははは。で、君たちは何を騒いでおったんじゃ?」
うぉ!忘れられてると思ってたら急に話ふってきたし!ビビるわ!
「ランドリーさん、聞いてくださいよ!この人ったら私に対しての扱いがひどいんですよぉ」
「なんでだよ!お前の方がよっぽど俺に対しての扱いがおかしいだろ!」
「ははは、仲良うやっておるようで安心したわい」
「どこがですか」
「喧嘩するほど仲がよいと言うんじゃろ?それに、わしには楽しそうでよく合っとるチームに見えるよ」
「はぁ」
確かに仲が悪い訳じゃねぇが、良いともいえないと思うんだが………。
「まぁ、トナカイなんてサンタクロースにならなかったら会えなかったんじゃし、サンタになったとしても今のトナカイとパートナーになる確率も高くない。折角なのだから、この奇跡のような出会いを大切にしようじゃないか、お互いになぁ」
さすが人生の先輩。妙に説得力があるな。
「おーい!ランドリー、報告に行くぞー!」
「おぉ、そうじゃった。でわな、お二人さん」
「はい、ランドリーさんたちもお元気で」
「いつか、そちらに遊びに行きますね」
「ははは、楽しみにしておるよ」
奇跡のような出会いねぇ――――まぁ、そうかもな。サンタクロースになる奴なんてかなり限られてる。その中でさらに特定のトナカイをパートナーにするなんかまさに奇跡だよな。
「来年も会えるといいね」
「そうだな」
「貴方もあんなカッコいいこと言ってくれたらね」
「お前なぁ…」
でも、今は無理でもいつか言ってお前を驚かせてやるよ。
それまでは先輩たちを見習ってみるのも悪くないかもしれない。
昨日につづき、今回はさらにギリギリの更新になってしまいました。
しかし、何とか2年連続二日間更新できてよかったです。
来年も会える事を願って・・・