第4話
只今、商店街。
混み合っております。
家にこもるための食材買いまくってますね。
クロノに何か買うか聞いてみるか。
「クロノくんもなんか買う?」
「いえ、僕お金持ってないし。」
そういや小学生でしたな。
「あ、そうか。じゃ帰るか。」
「はい。」
「あれ?龍奈?龍奈も買い物ー?」
ん?おー桜か。桜は、帰宅部でバトル漫画好きの子です。見た目は短髪で元気が有名な女の子。商店街の八百屋の看板娘。
「いや?学校行ってきてそれから帰っているところ。桜は寝坊してニュース見て学校来なかったみたいだけど、私はその前に家出ちゃってたから。」
「う、うるさいな。寝坊したんじゃないもん。べ、勉強してたもん。」
「そんなどもりながら言っても意味ないと思うよ?」
「むー!」
怒る時も可愛い子だな。さすが、商店街のお姫様。そんなことを考えてると、
「で?なんで、クロノくんと一緒にいるの?」
「え?なんだ。知り合い?」
「よく、お母さんと一緒に買い物に来るので。」
それで、顔見知りなのか。
出会った経緯を教えた。
「ありゃりゃ、そうだったのか。龍奈はもう異能を使いこなしてそうだね〜。私はまだ普通の人間ですよ?」
「異能を持ってても普通の人間ですよ〜だ。そんな大差ないでしょう。まあ、猫とか動物になりたい的な願いだとわからないでもないけどさ。」
異能=化け物ってよくあることだよねー。固定概念って奴?
「そうだね。それになんの能力がいいか悩むところだし。」
桜はゲーマーだったな。オタクでもあるが。
「・・・桜って、2日後発売のあのゲーム買うの?」
「買うに決まってるじゃん!貯めたお金を使ってでも買うね!ゲーマーとして見逃せない!そういう龍奈も買うの?」
「うん。お金使わないから使ってみようかと。VRゲームで必要な機械はあるし、ソフトだけなら買えるからね。でも、桜はまだ異能力者じゃなかったのか。メニューとか言ったらゲーム画面みたいなのが出てくるから面白がってサクサク進めてるイメージだったなー。」
「・・・ぇ。なにそれ!!ゲーム画面みたいなのが出てくるの?!本当?!えっえぇー。リアルでそんなこと出来るとかやりたくなってきた!でも、能力とかどうしよう!龍奈なんかいいアイデアない?!」
なんか急にテンション上がりましたな。アイデアねぇ。・・・私は厨二だからできることとして考えたけど、桜はゲーマーだからできることとして考えるとー・・・
「・・・んー。自分のゲームのキャラをコンバートしたい!とか?それだったら、なんか変身能力とかついてくるのかね?」
「龍奈、なんていいアイデア思いつくの?!それいいじゃんそれにする!ちょっと待ってね!」
「クロノくん、ごめんね。ちょっと付き合ってくれる?」
「ぇ。あ、はい。待つのですよね!大丈夫です。」
なにやら少し焦ってたけどまあ、いいか。
「・・・あ、出来た!のかな?なんか変な声が聞こえたけどアレってみんなも聞こえてるの?」
「能力を得るときは聞こえたけど、その後は知らない。で、能力名とか説明とか見てみなよ。あ、メニューって言った後の操作は開けっとかイメージしてやるんだよ。」
「おお!さすが、先輩異能力者!ありがと〜。じゃっ、ちょっと待ってね。」
「はいはい。」
「はい。」
確認の間ひまなので叡智を習得しちゃうかな。
んー。質問はしてみればいいのかな?
じゃあ、この付近にいる異能力者は何人?
『現在、君の半径10メートル以内に居るのは2人だよ。』
リーン!おお〜。返事が帰ってきた。でも、能力決めた時の声ではないのか。んー。男の人の声だったね。もう1つ質問してみよう!
お兄さんの名前は?
『・・・・・・。』
ありゃりゃ、答え無しか。さすがに突っ込み過ぎたかな?なんか、違和感感じちゃったんだよね。クロノくんはもう1人の存在がいる感じと言っていたっけ。
「クロノくんの能力のもう1人の存在の声って能力つけてくれた機械チックな声?」
「はい。機械みたいな声でした。」
やはり、違うみたいだ。私の中にいる叡智は。
さて、君は誰だい?お兄さん?
『まさか、すぐに疑われるとは思わなかった。流石、俺の目をつけた人間だな。』
なんか語り出したし。
『そりゃ、俺は意志を持ってお前に話しかけているからな。』
心は読まないでいただきたいんですが?
『お前のことを気に入ったから無理だ。話しまくるぞ。俺は。』
はあ、それで?あなたは誰ですか?
『俺はこのシステムを作った神だ。』
・・・・・・ はあ?なに言ってるんだろうこいつは。
『驚くのも仕方がないが、敬語がなくなってるぞ。まあ、敬語なんてなくていいが。とにかく、俺の作ったシステムの中に予想だにしなかった能力を願ったものが現れて興味を持った。それで、そいつが叡智の能力を手に入れたから、その能力の中に俺の意志を一部含ませてもらったわけだ。そばに居れば楽しそうだったからな。』
つまり、ストーカーか。まあ、質問に答えてくれるならなんでもいいや。神様って呼べばいいの?
『いや、その呼び方は好きじゃない。お前が名前つけてくれ。』
えー。なにがいいかな。・・・見た目もなにも情報がないからな〜。好きな色は?
『ん?好きな色か?あー。黒、白、灰色だな。』
じゃあ、無難な黒神で。
『それだと、すぐ近くにいるやつと名前が被るだろ。変えろ。』
近くにいるやつとって、クロノくんか。
じゃあ、好きな動物は?
『動物か。・・・お前が好きなやつは?』
質問を質問で返さないでくださーい。
『で?』
はあ。えーっと。狼とか、狐とか、後は動物じゃないけど龍が好きだね。
『ほう。じゃあ、狼にちなんでなんかつけろ。』
注文多いな。
んー。狼、ウルフ、神狼、フェンリル・・・リルとか?
『リルか。まあ、安直だが、いいだろう。』
やっと決まった。ネーミングセンスとか私にないのに変なこと求めてこないでよね。
『こんな事で変なこと扱いか?・・・まぁ、いい。そんなことより近くの女が確認終わりそうだぞ。』
え。あぁ、桜か。教えてくれてありがとう。
『っ!べ、別に。』
ん?どうしたの?
『なんでもない。』
「龍奈!決めた言葉を言うことでゲームキャラになれるみたい。姿は変わらないみたいだよ。名前のところのステータスが上がったり、技の所にゲームキャラが覚えているスキルとか技とか覚えた感じになるみたい!なりきるゲームキャラは固定みたいでさ!2日後のゲームキャラにしようと思ってるよ!最強目指すぞー!!」
固定なのか。いろいろ変えれたらよかったのに。
『そんなことしたら、世界のバランス崩れるわ。お前だけでも崩れそうなのに。』
ちょくちょく入ってくるなよ。会話が大変になるでしょう。
「2日後のやつのほうが強くなった感あるもんね。いいんじゃないかな。あ、それと仲間申請していい?」
「流石!わかってるね!龍奈は!仲間申請OKだよ!してして!」
申請先に天野桜を選択する。
天野桜さんに申請を送りますか?
[はい]or[いいえ]
はいっと。
「お?キタキタ!はいっと。クロノくんもしよう!」
「いいですよ!」
今度は桜がクロノくんに申請を出す。
そして、2人の確認が終わったところで。
「さてと、私たちはこれで帰るね。桜は仕事頑張ってねー。」
「うん!頑張るよ!もし、明日学校があれば学校でまた話そうね!」
「ないと思うよ?まだ。学校側は能力者と普通の人間分けるだろうし、能力者も能力別に分けるだろうしね。そういう取り組みをするという考えとか国に申請したり許可されたりされなかったりあるだろうから1週間くらい休校じゃないかな。もし休校だったら、その間に、例のゲームを鍛えとかないとね!私も個人的にやりたいし、もし次会うとしたらゲームの世界かな。」
「龍奈って考えてなさそうで考えてるよね。まっ、またね!」
なんだよ。考えてなさそうってもう!
「まったく、桜は。ゲームで私に勝ったことないくせに。」
「ふふん。いわばこの世界もゲームみたいなものになったんでしょ!勝てる気がする!ついに!龍奈に!」
無理無理。
『無理だろうなー。』
「今に見てなさい!龍奈に勝つのが私の目標なんだから!」
男の子のようにライバル発言された。
「男か。」
「龍奈のライバルは誰にも譲らないよ!」
「奪い合うものじゃないし、奪う人なんかいないでしょう。」
「むう。じゃあ、龍奈の右腕も私がもらってもいいの?」
「ライバルが右腕ってなんか変な感じなんだけど。」
「り、龍奈さんの右腕は僕がなるのでダメです!」
うお!クロノくんどうした?
私が驚いていると。
「お!クロノくん。龍奈に憧れちゃったかな?ふふふっ。たとえ、クロノくんでも右腕の座は簡単に渡さないからね!」
なんでこうなるんだ。
『ちなみに、お前の心は俺のものな。』
悩みの種が増えた。
まあいいやもうほっといて帰ろう。
「クロノくん、ごめん。先に帰るね。母さん心配してるかもしれないから。・・・右腕が決まったらまた教えてね。」
「はい!負けません!」
「お?言うねー!私も譲らないよ!」
2人は話し合い始めた。
バトルはできないだろうね。知識人とまだ能力使えない人だし。
『・・・お前の心は俺の』
うるさい。
『・・・。』