第21話
あー。また寝てしまった。ムムム。
ん?小さな手で撫でられてる?・・・もしかしてアシュラかな?なぜ、こうも落ち着くんだ。なんか、心も落ち着いてきた。モヤモヤしたもの無くなった感じ。起きて、御礼言わないとね。
「アシュラ?おはよう。撫でてくれてたでしょ?ありがとう。」
〔!リュウナ起きた!おはよう!あのね!この国にも魔獣がいるんだって!会いに行こうよ!〕
「え?魔獣が居るの?会いに行きたい!行こう行こう!でも、どこに居るの?」
「そこには私が案内するわ。おはようリュウナ。落ち着いたようね。」
「うん!クレアも撫でてくれてありがとう!」
「えぇ。いつでも来なさい?撫でてあげるわ。さて、早速魔獣のところに・・・「リュウナ!!!大丈夫か!」・・・ナーザ?なんでここに。」
「リュウナが泣きながらここに来たと聞いたのじゃ!誰に泣かされたんじゃ!!!儂が仇をとってやろう!」
ナーザ爺が出たら全滅しちゃうよ。
それに、悪化しそう。
「・・・えっとー。もう大丈夫だから!ナーザ爺心配してくれてありがとう。」
「むむ、本当か?本当に大丈夫なのか?!言うのじゃぞ?リュウナが悪いことするわけないと言うのにまったく!」
あー。なんか、恵まれてるなー。
改めて考えるとサク・・・大丈夫かな?泣いてたし、そのままにして来ちゃった・・・。んー。魔獣に会うならサクも一緒がいい。よし、サクを連れてこよう!嫌と言っても強引に行こう!それが私流だ!
「・・・クレア!ごめん、魔獣に会う前に友達連れてきていい??その子と一緒がいいの!」
「あらあら、もしかして、アシュラの話に出てきた子かしら。いいわよ。でも今どこに居るのか知ってるの?」
「多分、セントラルにいると思うけど・・・」
コンコンコン。
「失礼します、王妃様。セントラルからお客様が来ておりまして、異界の冒険者1名と元冒険者ギルド長のシェリカ様とその妹ルカ様がお見えです。如何されますか?」
メイドさんが入ってきた。
「お客?冒険者って、名前はなんというの?」
「サクと言う名前です。」
「サク!?私の友達だ!会わせて!」
「あらあら、まさかここに来てるとはね。手間が省けたわ。会いに行きます。案内なさい。」
「はい。それではこちらです。」
このメイド服・・・可愛い!
シェリカさんのとはレースの量が違うのかな?種類も少し違う?サクが着たら可愛いと思うなー。
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「サク!あの後大丈夫だった?!」
「・・・うぅ〜。リュ〜ナ〜!ごめんなさーい。私のフレンド選択をミスしたせいで、あんな騒ぎに。本当に、ほんどにー。」
扉を開けた瞬間、号泣中のサクが抱きつきながら謝ってきた。
「・・・ほらほら。もう大丈夫だから、泣かないで。分かったから。」
よしよしと背中をポンポンしながらあやしてやる。
「・・・・・・なあ?クレア王妃様、ちょっくら、セントラルにいる異界冒険者をいたぶってきていい?」
「私も、ちょっとリュウナ様にお話があったのですが、用事を思い出したので一瞬だけセントラルの方に帰っていいでしょうか?」
何やら物騒なことを言うチェイルさんと、シェリカさん。
「・・・はあ、やめておきなさい。セントラルで起きたことはセントラルの国が処理することです。・・・・・・まあ、あの駄王が何もしなかったら、私が動きますから。それまでは独断で動かないように。」
クレアもヤバイよ!目が笑ってないよ!黒いよ!!
「み、みんな。大丈夫だってば。私は親友のサクがいれば他の人が何言おうとどうでもいいし・・・」
「リュウナ〜・・・ひっぐ。ありがとう!」
「まあ、次にこんなことがあったら絶対に言うのですよ?それに、無理してセントラルから異界に帰らなくとも、この国からでも帰れますから。」
「え?!そうなの!!早く言ってよーもー。」
「ごめんなさいね。いうタイミングがなかったから。」
「じゃあ、私は龍人の国を拠点にしようかな。・・・サクはどうする?」
「私もリュウナと一緒がいい。・・・・・・それとね?dark・fantasyの古株だったmyuu覚えてる?あの子もこの世界で遊んでてね。この世界で鍛冶屋兼、斧使いの冒険者してるの。昔のゲームの中の知り合いが結構身近にいて、その人達となら話が合うし、味方してもらえると思うんだ。・・・だから、リベンジさせてくれない?彼らもこの国を拠点として活動させて欲しいの。どう?」
・・・・・・ミュウたちか。んー。それなら、まぁ。いいかなー。でもあってみないとわからないから。
「んー。とりあえず、会ってみるよ。ふふっ、リベンジ成功するといいね!」
「っ本当!絶対に、大丈夫!!古株って、ほとんど女の子だし!あ!それで!男子禁制のクラン作ろうよ!!あ、でも、古株にも男子いたか。」
「クスクス。」
元に戻ったね。良かった良かった。
「?なんで笑ってるのさ!むう。」
「だって、ようやく元気満々なサクに戻ったんだもん!・・・あ!そうだ!サク、この国にもね、アシュラみたいな魔獣がいるんだって!会えるそうだから会いに行こうよ!」
「え?!魔獣がいるの!!会いたい!!!」
「その前にリュウナ様!!お話があります!」
「???どうしたの?シェリカさん。」
いままで黙っていたシェリカさんが急に話し出した。なんだろう?
「私は、ルカに少ししか聞いてないのですが、魔獣と契約した・・・と聞きました。本当ですか?」
「うん?契約?はしてないけど、主従関係ではあるよ!あ、でも主従と言うより親子の方がある意味あってるけど。」
「親・・・子??ええ?どういうことですか?」
「だって、魔獣の卵から孵化させたの私だし。」
「・・・魔獣の卵のみを見つけたのですか?!親は側には?」
「いなかったよ。・・・もう、クレアに言ったから言っちゃうけど、ロックホークの巣でアシュラとは出会ったんだよ。見つけた時、アイテム名見たら魔獣の卵(アクィラ亜種)って出てきたんだ。説明にも、他の魔物の魔力を吸って成長するとかなんとか書いてあったから、親はロックホークが巣から離れている時に卵を置いて飛び立ったんじゃないかな。他の親鳥に育てさせる鳥って私の世界にもいるし。」
「・・・なるほど。そういう魔物ということですか。」
魔物?
「んん?魔物じゃなくて、魔獣じゃないの?」
「いえ、魔獣はなかなか生まれないのです。神にすらわからないと言われています。どういう条件で、どんな場所で生まれるのか私の永久の研究課題です。」
「あー。だから、シェリカさんがお話ししたかったんだね。」
「・・・あのさ、なんでリュウナはその、この世界の人達と仲良すぎなの?」
「えー?んー。わからない。話してたら仲良くなった・・・かな。」
「それだけではないですね。」
「ないな。」
「そうねぇ。」
「そうですねぇ。」
え?何か別にあるの?
「サクさん、あなたはリュウナの頭を撫でたことありますか?もちろん、この世界に来てからです。」
「え??な、ないです。」
「是非!触ってみてください。」
「え?どういうことですか?」
「シェリカさんもまだですか。いいから騙されたと思って・・・さあ!」
「えっと、じゃあ、撫でるよ?リュウナ。」
「え?あ、うん。いいよ?」
ふわっ
ふにゃー・・・
「「っ!!」」
「あー、気持ちいぃー。」とろ〜ん。
「え、なにこれ!はまる!!」
「サク様、わ、私もやりたいです!」
「うにゃー・・・」
「リュウナ様・・・ちょっと聞いていいでしょうか?確か、リュウナ様は龍化を覚えるためにこの国に来たのですよね?」
「うん〜・・・そ〜だよ〜。」
「・・・・・・では、龍化した後小さくなってもらえますか。」
「「「「「・・・ゴクリ」」」」」
「ん〜?いいよー。ちょっと外行ってくるー。」
じゃ、ちょっと外に行って龍化してきますかね。
「な、なんて素晴らしいことを思いつくんですか!!」
「流石、姉様!」
「うぁー。我慢できなくなりそう!」
「・・・やばいよ。それはかなりやばいよ!俺、死んでもいい。」
『ただいま〜♪』
ズキュン♡!!!!
バタッ!
『えぇ?!チェイルさん!どうしたの?!』
「リュウナ!なに言ってるかはわからないけど可愛い!ギュッてさせて!」
『えぇ?!ちょっと待っ!わっぷ!!』
「リュウナ様ぁ〜♡あー、可愛い〜♡」
「撫でさせて〜!」
「あ〜♡可愛い〜!」
あわわわ、みんなが暴走状態だよ!助けてアシュラ!
〔あー!!ズルい!お母様から離れてー!!!お母様はオレのなの!!!〕
・・・アシュラも、か。
・・・・・・落ち着くまで放心しとこう。
私は人形、私は人形、私は人形・・・・・・




