第2話
さてさて、学校に行く途中に必要な能力をエスパー漫画から盗って習得しとかないとね。もちろん誰にも見られずに。
まずはカモフラージュとして読み取る力。サイコメトラーの入手。やり方を漫画から読み盗りを使用して、しゃがみ込み地面を触る。すると、
頭の中に様々な情報が入ってきた。無事にリーン!という音がなったので、頭が痛くなる前に触るのをやめる。んー。なかなか加減が難しいな。でも、今は知りたいことを考えながら使わなかったから多くの情報が入り込んできたのだろうと思う。教室で本を閉じたまま知りたいことが書かれているページがわかるか試してみることに挑戦してみよう。
あと、必要なのは心を読む力から防ぐ能力だよね。エスパー漫画には心を強くする的なこと書かれてるけど、そんなんじゃダメだよね。あやふやな内容だし、習得は難しいだろうな。なにかいい感じのものないかな〜。
''今話題のVRゲーム!『Skill・Creator』ついに発売!様々なスキルを自分で習得して最強プレイヤーを目指せ!”
家電屋のテレビが、CMを流していた。
・・・これ使えそう。発売日は、2日後か。お金は貯めてるし使おう。欲しいもの特にないのに貯めたけど、これに使わない手はない。自分のプレイキャラクターも特殊なものにすればそれも取り込めるよね。うん。楽しみだ!
でも、私の家族以外にも本当に異能力に目覚めた人いるんだろうか。まあ、学校行けばわかるか。
30分後、ようやく学校に到着。
学校は、静かだった。ってか誰もいない?まあ、今8時で朝のホームルームがあるのは8時半だし、それまで待機してみよう。
あ、サイコメトラー試してみるか。
自分の教室に行き、自分の席に座り歴史の教科書を机に出す。
手をかざし織田信長暗殺のことについて書かれたページを調べる。
・・・・・・あ、82ページかな。
開いて確認。おお!あってる。
んー。次は、掃除ロッカーの中のほうきを触り、最後に使った人を調べる。
・・・・・・天野さんか。
天野さんというのは、なかなかじゃじゃ馬な女の子だ。私苦手なんだよね。あんな元気良すぎる人、親だけで十分だからさ。あ、このほうき使って魔女気分みたいだ。ほうきに跨って空でも飛びたいのか?
まあ、このぐらいにしておこう。魔女気分を味わっているのは掃除時間の時にではなく、誰もいない教室でやってる映像が頭に流れたのだ。・・・天野さん、厨二病患ってたんですか?まさかの仲間?・・・いや、見なかったことにしよう。私は何も見てない。
キーンコーンカーンコーン♪
チャイムがなった・・・
私は教室に1人。
えー。なんでー?今日月曜日だし、祝日じゃないよ?
ふむ。携帯でニュースでも見るか。
私は良い子じゃないから学校に持ってきてるのです。
''臨時ニュースが入りました!今日、異様な力を得る人々が複数現れております。・・・なんと!異様な力を入手した人に伊藤さんが接触できたようなので中継つなげます!!"
“えー。こちら、中継先の伊藤です。こちらの方が、インタビューを受けてくださったお方です。それではまず、その力はどうやって手に入れたのですか?”
「えっと、俺は朝起きてすぐに仕事先に行ったんです。でも、なんか車が混んでて、早く行かないと遅刻になりそうだったので瞬間移動したいなーって考えたら奇妙な声が頭に響いて、『あなたの力を認定しました。』とかなんとか言って、最初は声の方に混乱してまして、その声がメニューとつぶやけとか言ってその通りにしたらゲームみたいな感じで目の前に一覧が出てきたんですよ!いろいろ試してみて、異能力って項目を見たら、テレポートっていうもの覚えてまして・・・もしかしたら、なんて考えて仕事先を思い浮かべたんです!そしたら急に景色が変わって仕事先の前に立ってました。・・・でも、俺車で向かってきたので車のこと思い出して、車の中をイメージしたらまた景色が変わって運転席に座ってたんです!
言ってる意味わかります?!瞬間移動しちゃったんですよ俺!車なんて使わなくても楽々移動ですよ!」
“解説どうもありがとうございました!もしかしたら、僕にも覚えられる可能性がありますね!こちらからは以上です!”
“伊藤くんありがとうございました。協力してくださったお方もありがとうございました!
・・・どう思いますか?海津さん。”
“そうですね。何かしたいと思うだけでいいなら、我々にもチャンスがあるのではないかと思いますが今心配なのはその力のコントロールは可能なのか。できないなら、覚えたての人が街で暴れたらどうなるか考えてみると危険が増える一方です。
問題はこれからも増えていくでしょう。その対処や、管理を行う組織があったほうがいいと思います。
学生が覚えたのなら学校ではそういう指導が必要でしょう。今日1日は世界中のどこでも騒ぎが起きているでしょうから、外に出ないほうがいいでしょうね。”
“確かに、外は危険で溢れているでしょう。よって本日は全国の学校は休校です。もし、朝練やら部活で早く行った子供達!今すぐ帰宅するように!”
「・・・帰れってか。じゃあ、私は、図書館にでも行くかな。今なら読み放題!!」
というかこのニュース学生が全員携帯持ち歩いてないと知られないだろう。なのに、朝練に出ていたであろう部活勢も居ないとなるとなんかあったかな。
探索してみるか。
何かあるとしたら屋上か体育館か、図書館かな。うちの学校、屋上が広いから何でもできそうではあるよね。例えば、能力の試し打ち・・・とか。
・・・案の定。鍵壊されてますな。
人の声あり。これは聞き耳立てるか。・・・いや、それよりも能力使うほうがいいな。
エスパー漫画からクレアボヤンスと五感強化を盗る。
感覚としてはクレアボヤンスは透視能力のため、目の前の扉の向こうを見透かすように見てみる。
リーン!
出来た。
次は五感強化。耳をすませて小さな声を見逃さない。
リーン!
よし・・・何か聞こえる。
「・・・の能力だ。ここで練習して、学校を危ないやつから守るための計画だ。」
「俺たちにも覚えられるのか?それ。」
「まさか異能力者になれるなんて、信じられん。」
「異能力者となれば風紀として何かに役立てられるわね。」
「あの、その。私はちょっと怖いですけど、華会長がやるならやります。」
その場にいるのは教師が複数と風紀委員長と書記の人だったかなあの子。柔道着を着ているのは名前知らないわ。野球部の人達もいるな。教師が中心に集めたのかな。
・・・まあ、つるむ気はないけどね。私の【日常】を壊すならそれ相応の対応をするだけだし。さて、どこにいるのかわかったし、テレポート覚えて図書館にでも行くかな。
エスパー漫画を取り出しテレポートを覚える。
図書館をイメージして移動した。
移動した後、
バン!
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「・・・?気のせいか?誰かいたような気がしたんだが。」
「木戸川先生ーどうかしたんですか?」
「・・・いや、何でもない。話を続けよう。」
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さてさて、図書館では漫画も置いてるからね!五感強化が習得できたなら身体強化もできると思うんだよね。どの漫画のやつにしよう。俊敏な動きが可能なのがいいよね。
・・・・・・・・・ん?これいいかも。
私が様々な漫画を読み漁ってると忍者漫画が出てきた。忍力とやらを操って、壁や天井も自由自在に歩き回れるようだ。
うん。これがいいね。読み盗らせてもらうよ。・・・さて、試してみよう・・・ガタン
っ!
「ここでいろんな情報を集めてどんなものになりたいかよく考えてから願ったほうがいいと思うんです。」
「さすが、里奈ね。いいことを思いつくわ。」
「そうだな。図書館であれば能力の弱点なども調べられるからいいな。それを補うことも考えないとな!」
「おっしゃ!じゃ手分けしてそれぞれ探してみろ。」
「「「はい!!」」」
・・・。ちっ。邪魔が入った。でも、とっさの行動でも失敗しなくてよかったよ。リーン!という音も確認したし。移動するか。
私は、扉が開いてすぐに荷物を持ち、壁を走って彼らの死角である真上で止まってた。さすがに、本を片付ける暇はなかったが。仕方ないな。学校の図書館でこれ以上の行動は無理だな。別の場所に飛ぼう。サイコキネシスで自分を浮かせて校舎裏をイメージしてテレポートを発動させる。
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「うわー誰だよこれ漫画読み散らかしたの。ちゃんと片付けろよなー。」
「あれ?昨日は何ともなかったのにいつの間に?」
「・・・やはりまだ学生が?」
「それも異能力者でしょうね。透明になる能力か、瞬間移動でしょう。」
「どうします?木戸川先生。探しますか?」
「・・・そうだな。教師のみ探索しよう。間違えて学校に来たものがいるかもしれない。お前たちはここで何の能力をとるか決めていなさい。」
「「「はーい!!」」」
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すぐに校舎裏から離れ校門に着く。
学校休校だったって帰ろうかな。
そう考えていた時。
「・・・お前、神白か?」
うわー、見つかった。面倒っ。
こいつはさっき図書館にいた木戸川先生じゃん。他の学生を探しに来たのか?まあ、何も知らない生徒のふりしますか。
「あ、おはようございます!木戸川先生。私今日寝坊しちゃって、今来たところなんですよ。」
「・・・お前、異能力者だな。何の能力かはわからんが、今お前は嘘をついている。」
・・・へー。なかなかやるじゃん。
「・・・一体何のことを言ってるんですか?」
「神白。お前は今来たんじゃなくて学校に既にいて、今帰ろうとしたんじゃないか?俺はお前の敵じゃない。俺の能力を明かすからお前も教えてくれ。」
言い方的に予測だろう。嘘であることはわかったけど本当のところはわからない感じかな。能力も大体わかる。それにしても、敵、ね?
「・・・敵ねぇ。能力なんか言わなくていいですよ。大体わかるんで。確かに今帰ろうとしたのは事実です。教室誰もいないし、誰もこないし、屋上で何やら密会的なものやってるけど絡みたくないってことで帰ろうかと思いましてね。」
「・・・お前は何の能力者だ?」
そんな警戒Maxで聞かなくてもいいじゃないですか。敵じゃないんでしょう?矛盾してるなー。
「私の能力がそんなに知りたいですか?ならもっと強くなってからにしては?まあ、限界は見えてますが。そんな能力じゃなくて攻撃的なものであれば、勝てたかもしれないですが。まあ、今は他の先生を呼ぶための時間稼ぎですか?」
「木戸川先生!と、君は?」
おっと、時間稼ぎもう出来てましたか。この人は、理科の先生で名前は
「灰原先生・・・。神白。お前も攻撃できるような力の持ち主じゃないだろう?お前の能力はおそらくテレポーター。学校に来た後、俺たちの場所を確認して、図書館にいたのではないか?」
そうそうそんな名前だったね。
それにしても、妥当な予想だね。まあ、そうやって勘違いするよね。私はテレポートができる能力者だと。
「ふふっ。面白いこと言いますね。でも、攻撃できない能力というのは当たってます。だから、私に危険はない。なのに何で先生は警戒を解かないんですか?」
「・・・俺の能力は危険察知だ。自分より強さが上のやつがわかるようになっている。ここら付近でお前が一番危険なことを俺の能力が言っているんだ。」
「・・・。危険なんですか。わたしが。へー。だから?もう帰っていいですか?ここにはもう用事ないんで。職員室のテレビのニュースで休校だとわかってますし。こんなところに生徒がうろついていたら危険でしょ?」
「・・・あなたの目的は何ですか?」
黙っていた灰原先生も聞いてくる。
目的?目的はただ1つ。
「ただ、私の【日常】を邪魔しないでいただきたいだけですよ?」
「・・・・・・」
「私は家族とのんびり暮らしたいんです。それを邪魔されないように、強くならないといけないなら、強くなるだけです。・・・では、失礼します。」
「っ待て!」
「木戸川先生!だめです!ここは行かせた方がいい!」
「だが!能力の使い方の指導はしたほうが!」
「それは校長に許可をもらわないとできません。それに、指導しないといけないのは彼女だけではないんですよ!」
何やらごちゃごちゃ言ってるが、気にせず帰る。
はあ、早く帰って母さんの昼飯食べたいなー。
□神白龍奈 Lv2⇒3
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