湿っぽくて暑い一室で
前髪と額の間に汗をかく
それだけだったのにいつのまにか全身に広がる
ひざのうらとか、首の後ろとか、頭の地肌とか、
もんわりと湿っぽくてむせ返っている
せんぷうきは洗濯物へと風を送る
そとの風はここには届かない
水を飲めば飲むほど腹はすく
机にはりついたうでは赤くなる
眉にかかった汗は目に落ちてきて、
片目をとじて少し涙が出た
少し上を向けば空調のリモコンが目に入る
ああ、この地獄から開放しておくれ
体の叫びは、脳を包む
ああ、わたしを冷ましておくれ
火照った体は脳を鈍らせる
ああ、せめて外の風に当たらせておくれ
ここに縛り付けたのはだれだというのだ
わたしの脳はわたしの体を縛り付け、
わたしの体はわたしの脳を誑かす