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プロローグ

初投稿で連載に挑むという無謀な奴ですが、最後まで付き合ってくれれば幸いです。

―――ギンッ!―――

 金属同士のぶつかる音が聞こえる。

「これで、トドメだっ!」

―――キィン!―――

「くっ…」

 相手の武器が宙に舞う。

「そこまで!この試合、ロドル・グランの勝利とする!」 



 毎年、この街【王都ガルヴァレム】で行われている武闘大会。

 優勝者には王国騎士団長と試合をする権利が与えられ、上位数名には王国騎士団へ入団できる権利が与えられる。 




「や…やった…優勝だ!」

 彼は【ロドル・グラン】。幼い頃から騎士団に入る事を夢見て来た青年である。


 一人の女性がロドルに話しかけてきた。


「優勝おめでとう。かなり疲れているみたいだが、手加減は一切しない。お互いに正々堂々と戦おう。」

 彼女は【ファーベル・ガレム】。この国の騎士団長である。

 女性でありながら第39代目の騎士団長に任命された、今この国で一番強いとされている人物だ。


「はい。お互いに良い勝負にしましょう。」

 二人が握手を交わす。


「では、ロドル・グラン対ファーベル・ガレムの試合を執り行う!」

 審判長が試合開始を告げた。

「さあ、全力で来なさい!」 

「いくぞ!」

 同時に武器を構える。

「くらぇっ!」

 先手を取り、ロドルが剣を振り下ろす!しかし、

「振りが甘いっ!」

―――バギィン!―――

 ロドルの剣が根元から折れた。

「そこまで!この試合、ファーベル・ガレムの勝利とする!」

「…な、なんて強さだ…」

「君…ロドルと言ったか?剣の構え方などはまだまだ素人だが…将来が楽しみだ。これからは騎士団員としてこの国に忠義を尽くしてくれ。」

「は、はいっ!」

 そう言ってファーベルは去っていった。




〜試合終了後、騎士団員の宿舎前〜

「…騎士団長があんなに強いなんて…まあ、念願の王国騎士団に入れたんだ。俺がもっと強くなればいつかは勝てるかもしれないし。…でも…俺はあんなに強くなれるのか?…ハァ…」

 落ち込むロドルの後ろから少女が一人近付いてきた。

「な〜にしょげてんのよ!」

―――ドン!―――

 少女がロドルを後ろから突き飛ばした。

「うわっ!…なんだ、シェルムか、驚かすなよ。」

「アンタがあまりにもショック受けてたみたいだから、ちょっと励ましてあげただけよ。」

 彼女は【シェルム・リンドウ】。ロドルの幼馴染みである。

 彼女も今回の武闘大会で高成績だったので、騎士団に入団したのだ。 


「まぁ、確かにショックだったけどな…」

「そもそもこの国で一番強い人に素人のアンタが勝てるはず無いでしょ?」

「そんな風に諦めてたら強くなれないだろ?きっといつかは…」

 ロドルの話を聞いてシェリムが微笑む。

「ふふ…ロドルらしいわね。まぁそれはともかく、明日から忙しくなるわね。じゃあアタシは自分の部屋に戻るから。おやすみ〜。」

「ああ。おやすみ。」




〜騎士団宿舎、ロドルと???の部屋〜


「ふう…」

 ロドルはベッドに座った。

(2段ベッド?他に誰かいるのか?)

そのとき、不意に頭の上の方から声がした。


「おや?誰かきたと思ったら…お前も新入りか?…よっと!」

 上から飛び下りてきた青年がロドルの方を見た。

「ここは見てのとおり相部屋だからな。俺様は【フェイマス・イール】、今年ここに入団したんだ。よろしく頼む。」

「あれ?今年入団したって…武闘大会では見掛けなかったけど…」

「まぁ…俺様はかなりのド田舎から出てきたからな…【シューブル】って村だよ。」


 シューブルとはここガルヴァレムから北にある小さな島である。


「武闘大会に出て無いのに入団できるものなのか?」

「俺様にはコネがあるし、あちこちで魔物退治をしてたからな。」

「なるほど…スカウトってわけか。」

「そういう事。まぁせっかく相部屋になったんだから、よろしくな。」

「ああ、よろしく。」

 その日はお互いに自己紹介をして、就寝した。

〜次の日、ロドルとフェイマスの部屋〜


 朝、部屋に放送が流れてきた。

『え〜、新入団員は今すぐに中庭に集まりなさい。…繰り返します、新入団員は…』

「さて、さっさと行かないとな。怒られるのは嫌だし…フェイマス、行こうぜ。」

「きっと部隊の振り分けの報告だな。」

 二人は早足で中庭に向かった。



〜中庭〜


 中庭に着くと、沢山の人がいた。その中の大多数の人が新人独特の緊張した面持ちをしていた。


「さて、諸君は昨日入団したばかりだから知らない者もいると思うが、王国騎士団は基本的に六人で一部隊として行動してもらう。君、例の物を。」

「はっ。」 

 命令された一人の騎士が手を上げると同時に大きな紙が壁に張られる。


「ここに諸君らの部隊のメンバーと、その隊専用の会議室が記入してある。まずそこに行って自己紹介をし、お互いの顔と名前を覚えておくように。では解散!」 その場に居た全員がぞろぞろと移動を始める。


「…おっ!どうやら俺様とお前は同じ隊みたいだな。」


(シェリムも一緒か…後は聞いたことのない名前だな。)

「会議室は一階の奥だな。行こうぜ。」

 フェイマスに促され、ロドルは歩きだした。



〜騎士団本部一階、会議室〜


 ロドル達が会議室に入ると、すでに三人の女性がイスに座っていた。その中で真っ先に声を発したのはシェルムだった。「まったく…ロドル遅いっ!もっと早くきなさいよ!」

「いや、普通に歩いてきたんだけど…そんなに遅かったか?」


 ロドルの言葉に他の女性が答えた。

「まぁ、私達がここに来てから10分ぐらいですかね。」

「おいおい…10分なら許容範囲じゃねーか。」

 フェイマスが口を尖らせる。


「って言うか…どうせまだ一人来てないでしょ?これからずっとこのメンバーで行動しなきゃいけないんだから、ケンカとかしない方がいいと思うよ?チームワークは大事だと思うし。」

「それもそうね…とりあえず落ち着いて、自己紹介から始めましょう。その内にもう一人も来ると思うわ。」


 まず、ロドルが自己紹介した。

「俺はロドル・グラン。得意武器は大剣だ。よろしく。」


 次にシェルムが自己紹介する。

「私はシェルム・リンドウ。私は体術なら一通りできるわよ。よろしくね。」


 フェイマスが自己紹介を始めた。「俺様の名はフェイマス・イールだ!まぁ俺様さえいれば任務など何も問題ないから、大船に乗った気でいろ!俺様は片手剣を2本使っている、要するに二刀流だ。よろしく頼む!」


 次に、落ち着いた感じの女性が自己紹介をした。

「私は【リア・ハルト】と申します。得意武器は弓ですが、ナイフで少しだけ接近戦もできます。シェルムさんとは同室になってます。まだまだ至らぬ所もありますが、よろしくお願いします。」


 最後に、14、5才くらいの少女が自己紹介をした。

「メリィちゃんの本名はね〜【メルル・フェル・リディ】って言うんだけど、長いし可愛くないから【メリィ】ってよんでね?魔法が得意だから、後方支援は任せてね。怪我だって治してあげられるよ〜。」


「後一人か。…部隊表には部隊長って書いてある人なんだけど…遅いな。」

 ロドルが言うと同時に扉がノックされた。

「は〜い。鍵はかかってないわよ〜。」

 シェルムが答えると、扉が開いた。


「すまないな。部隊長の会議が長引いた。自己紹介は終わったのか?」

 その男は喋りながらイスに座った。


(かっこいいな〜。メリィちゃんはかなりタイプ♪)


「アナタが私たちの部隊長ですか?」

 シェリムが尋ねた。

「いかにも。私の名前は【ヴォルテ・マールルベアス・クロウ】だ。ヴォルテと呼んでくれ。私は魔法使いだから、戦闘は後方支援になる。」 その言葉にすかさず反応を示すメリィ。

「ヴォルテ様。魔法使いって事はメリィちゃんと一緒ですね♪」

「まぁ私は治癒術は使えないがな。」


「なぁなぁ、俺様たちには部隊名とかないのかよ?」

 フェイマスが尋ねた。

「メンバー表の右上に書いてあるだろう?【ヴァレリア】だ。」

 リアが補足を入れる。

「ちなみに、ヴァレリアは古代語で【神の使徒達】って意味ですよ。」

「そりゃ、すげぇ名前だな。」

「さぁ、自己紹介なども終わった事だし、早速任務に就いてもらおうと思う。」

 ヴォルテが資料を机の上に置いた。

「いきなり任務があるのか。」

 ロドルが資料を読む

「なになに?魔物退治?」

「そうだ。初任務だからできるだけ簡単な物を選んできた。」

 ヴォルテの言葉を聞いて、シェリムは安心したように言った。

「よかったわ。やる事は単純みたいね。」

「油断してると危ないと思うよ?魔物と戦うのは初めてでしょ?」

「隣り町の鉱山に出た魔物の退治か。腕がなるぜ!」


「出発は明日の朝だ。各自準備を怠るなよ。…では各自、解散!」

 それだけ言って、ヴォルテは会議室から出て行き、それに続いて皆も一人ずつ部屋から出て行った。



(初任務か…頑張らないとな。)

こうしてロドル達の部隊、【ヴァレリア】が動き出した。

頑張って書き上げようと思います。

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