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最初は互角に思えた。むしろ俺のほうが勝っているようだった。しかしやつは変化した。
「くそっ。やっぱりまだ組織はいたんだな。」
組織。そいつらは魔女を金でつり薬を注入か、魔法か、道具かわからないが組織の操りで変化する、そうきいた。もしそれが本当の話ならこいつはもう手に負えない。組織の手の中だ。
「げほっ。もう・・・限界か・・・ぐほっ」
やつは俺が病気でうずくまっているところを狙って踏みつけてきた。
「げほっ。げほっ。くっ。ちくしょーー!!」
そういったとき少し離れた家から音がした。魔法の解かれる音。まさか、とおもいながらそれと同時にそれでないことを願う。しかし儚くその願いは壊れた。
「ミレイ!ばか!なんででてきた!そもそもどうやってでてきた!?とにかく中に入れ!ミレイ!俺の言うことを聞け!ミレイ!!」
ミレイは俺のことなんか聞えないように歩いてきた。やつは俺から離れてミレイとも距離をとった。
「くそっ。げほっ。ミレイ。お願いだから・・・これだけは聞いて!戻って・・・げほっげほっ。戻って来い」
言うことの聞かないミレイは進む。そして俺とやつの間に立った。




