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「どうしたかな~」
俺はそうつぶやきながら研究を進めた。もう少しだ。もう少しで出来上がる。あと一ヶ月かな。そう思っていた。
ある日
「ま、魔女様!!」
「どうした?」
最悪な日。今日がなければよかったのだ。
「お、お、お客様が!!」
「客~?」
「はい。な、なんでも、魔界、というところから、らしいです、よ。」
「分かった。ありがとう。・・・誰だ?」
「どうも。」
そこにはキャップをかぶったやつがいた。そしてそいつは笑った。俺はそいつを知っていた。汗をかいた。
「ところでさっきの男は・・・何者だい?」
「う、うるさい!お前には関係ない!出て行け!」
そういって俺はトビラを閉めて魔法をかけた。転送の魔法。この家に。
「ま、魔女様・・・?大丈夫、ですか?」
あいつとこいつを会わせたら間違いなくこいつは死ぬ。そうおもった。
「逃げろ。この家から。」
そういって俺は背を押した。トビラの向こうを知らずに。




