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霊能狩人  作者: 八神鷹丸
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新たな二人の…。

あっけにとられていた迅が我に返り

「え?今の何?どーゆー事なの?」

その発言にどう対応したものか…という顔になり顔を見合わせる陽一と有海。

「あ、あれよ!お祓い!」

とっさに有海が誤魔化す。

「お祓いなんだ!すごいね!!…あれ?」

納得しかけた迅が山村のことを思い出す。

「何だ?」

「その盗むって話は?山村君の」

「それは…彼が犯人よ。まぁ、私たちのお祓いと無関係ではないわね。早川君、彼を職員室に連れて行って。それで、盗んだ犯人は彼であることを話してきてくれる?」

有海が淡々とした口調で説明し、任せたという気持ちを込めて背中をたたく。

「うん!わかったよ!任せて!」

そういって、倒れていた山村を起こし、職員室へと向かっていった。



「一発目から見られるなんて、実力不足もいいとこね。」

安心した二人の背後からの冷たい一言。

「あぁん!?何だお前?」

怒り純度100%のような声を出し、後ろを振り向く陽一。

「…見てたの…?」

たとえ見られたとしたって、力、すなわち山村に憑いていたものを封じたものは見えていないはず、二人はそう考えていた。

「わたしも霊宿者よ?見えないはずないじゃない。」

霊宿者…すなわち霊を宿し者。霊とはお化け等に限らず、天使や悪魔、神獣などをさし、中でも特に使役するものを霊能者という。

「貴方たちは…そうね…天使と悪魔を宿してるのかしら?」

「「ッ…!」」

見破られ、言葉失った二人に、さらに追い打ちをかけるように

「まだ日が浅いのね。…ためしてあげる…」

それをいい終わるやいなや、彼女の右手に青と白が混ざりきらない水色のオーラが現れる。

それを見てからハッと陽一と有海も各々自分のオーラを片手に纏う。

彼女は長髪で目が大きく長いまつげを持つ可愛らしい顔立ちをしていた。

そんな女の子を攻撃していいのか、と戸惑う陽一を見て有海が

「こんなところで闘うつもり…?大体あんたにそんな力があるとは…」

それを聞き、あざ笑うかのようにフフ、と小さく笑い

「じゃあ見せてあげるわ…」

彼女の右腕のオーラは翼状へと形を変え、それが何十倍、というような大きさへと変わる。それと同時に当たりが桃色の光に包まれ、廊下という広さで

はなくなっていた。

「「!?」」

「いくわよ…」

その声とともに彼女の翼状のオーラが二人に向かって放たれる。

有海が対応するためオーラを手に集中させようとした時、陽一が既に左手に黒いオーラを集め、飛んできた羽を掴み、握りつぶそうと試みたがその羽は彼の手には当たらずオーラのみを切り裂いた。

「これが実力の差…あんなのを掴んだら、貴方の手が切り落とされるわよ」

いかにも余裕そうな口調で二人を見る。そんな隙を見て

「油断しすぎよ!」

有海が右手に纏ったオーラを巨大化し、その女を殴る。

しかし殴ったのは…オーラの羽であった。

「そんなんじゃ…わたしには勝てないわよ…」

そんな言葉とともに、一睨みをもらった有海が

「…あなた…笠原さん?」

彼女は同じクラスの笠原江真(かさはらえま)だった。転入したばかりの有海は女子といえど、同じクラスであることに気付かなかったのだ。

「そうよ…同じクラスの。」

「おい!えっと~…」名前がわからず有海のほうをチラッとみてきた陽一のために

「笠原さん」と小声で有海が合の手を入れる。

「笠原!おまえ何なんだ!」

薄い笑みを浮かべ

「山村君との戦いを見ていて…貴方達の実力が知りたかった、ただそれだけよ。」

そう言い捨てて、彼女は教室へと戻っていった。

桃色の空間はすでに解かれていた。


その日一日、有海は朝のことばかり考え、陽一はクラス中のいろんな人と話していた。


その日の放課後、有海と陽一は屋上にいた。

「あいつ…何なんだろうな…。」

目を細めながら陽一が有海に問う。

「あの人は…私たちと同じ“狩る”側の人間よね…。」

有海がうつ向きながら返事をすると、ガチャっと校舎に入る扉が開く。

出てきたのは…担任の八神だった。

「ど~したんだぁ~?悩み事か~?」

「八神先生!」「……」

「違うのか~別れ話とかかな~?あはは」

「ちげーよ!」「違いますッ!」「「なんでこんなやつと!!」」

そこにはしっかりと反応しそれに反応してか、驚いたような、納得したような表情で

「息ピッタリじゃないか~ハハ…君等は少し特別なようだしね。」

最後のみ急に真剣な表情になった八神を見て二人に緊張が走る。

――こいつも…。

「まぁ~生徒同士の恋愛に関与する気はない。お幸せに~」

そういって彼は校舎への入り口に近づき

「…そーいや、村上のことは助かった…。」とつけたし扉はしまった。

有海と陽一の目は出口のあたりにのこる、何か、を目にとらえた

――それは八神が来る前にはなかった…。

「もしかして…あいつも…」

「さぁ…。」

彼らは二つの疑問を胸に校門を出た。そしてそこから五分ほどしたところで

五人の男が一人の弱弱しい男を囲んでいた…。

六人とも天原高校の制服を着ていた。

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