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ある日の手帳の話

思い付いたけど、オチに行き着かずボツに(笑)

 休み時間、制服の右のポケットが震えた。

 メールかなと思い手を突っ込み取り出すと、それは制服にかけるブラシだった。

 間違えた?と思いポケットの中を探すが携帯は入っていない。

 無くしたかと思い焦っていると、左のポケットの存在を思い出した。

 探るとすぐに携帯は出てきた。

 メールは来ていない。

 気のせいだったのかな。


 数日後

 制服の右ポケットが震えた。

 メールかなと思い手を突っ込むが携帯の気配はない。

 もしやと思い左ポケットを見ると、やはり携帯は左ポケットに入っていた。

 メールが来ていた。

 何か右ポケットに携帯の振動と共鳴する物でも入っていたのだろと結論付け、別段気にも留めなかった。


 「はい、じゃあ、今から言う所はテストに出るぞー」

 先生の言葉にポケットから手帳を取り出した。

 メモを取っていると、手帳の一番後ろのページに髪の毛が挟まっているのに気がついた。

 引っ張ってみると突如ゾゾーとすごい寒気が襲ってきた。

 思わず体が震える。


 何だ?


 周りを見渡すが特に変わった物はない。

 寒気でうまく毛が取れなかったのでもう一度引っ張ると簡単に取れた。

 メモを取り終え、何気なく手帳の一番後ろを開くと、いつの間に手帳に挟まれていたのか、トンボが押し花の様に挟まれていた。

 トンボと言っても赤とんぼの様な物ではなく、蟻地獄の成虫、ウスバカゲロウの様な薄い羽と細い胴をしたトンボだ。

 頭も体もまるで紙のようにぺっちゃんこになっている。

 手帳は潰れたトンボの体液のせいだろうか、後ろのページは茶色く変色してしまっていた。

 はーとため息を一つ。

 新しい物を出したばかりだと言うのに、もう新しい手帳を買わなくてはいけないのか。

 そもそも、何故トンボ何かが私の手帳に挟まっているのだ?

 私はトンボを手帳に挟んで栞代わりにした覚えなど少しもない。

 むろん、ポケットにトンボを突っ込んだ覚えもない。

 なのに何故トンボはポケットの中の手帳に挟まれていたのだろう。

 全くもって不可解で理解が出来ない。

 手帳はいつも私が制服のポケットに入れて持ち歩いているし、誰かにポケットを漁られた記憶はない。


 ああ、いや、ある。

 最近友人たちが私のポケットに勝手に手を入れて飴を取り出しては食べている。

 別に気にしないのだがたまに驚く。

 その友人たちの仕業かと思ったが、よく考えれば友人たちは皆無視が大の苦手だ。

 トンボ何て捕まえられないだろうし、ましてやトンボを手帳で押しつぶすのなんか考えたくもないだろう。

 じゃあ、何故なんだろう。


 …………。

 しばらく考えたが全く思いつかず、別段私は虫は怖く無かったのでトンボの羽を掴み、ペリペリと手帳から剥がした。

 目の前に持ってきてしげしげと眺める。

 よくもまぁここまで薄く、かつ乾燥した物である。

 まぁ、だからと言って何かがあるわけでは無いので休み時間に友達に見せたら捨てようと思った。。


 という事があったんだよ。


 「へぇー、すごく気持ち悪いね」


 でしょ?吃驚したよ。


 「一番吃驚したのはあんたが私の目の前にいきなりそのトンボを突き出した事だけどね」

 女友達は呆れた顔で言ってきた。


 驚かせるためにやったんだから大成功だね!


 「大成功だね! じゃないっての。私が虫嫌いだって知ってるでしょ!?」


 だからこそいの一番に見せたんじゃん。


 「このドSめっ!」


 いやぁ、それほどでも。


 「褒めてないわ! それにしても、髪引っ張った時の悪寒ってトンボが挟まっているって教えてくれたんじゃないの?」


 誰が?トンボが?


 「うん、これが本当の虫の知らせ、なーんてね」


 御後が宜しい様で……って阿呆か!


 なんて感じで騒いだ。


 このトンボが後々私と友達、男友達の三人を巻き込んであんな事件の大きな鍵になるとは今はまだ知る由もなかったのだ。


ちなみに、とんぼ云々は実話です(笑)

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