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ある日のヘアゴムの話

『ある日の下駄箱の話』

の続き的な話です。

 最近、輪ゴムみたいな見た目のヘアゴムが百均で売っているらしい。

 それを知り、肩に付く位伸びてきた髪をくくるために百均にやってきた。

 見ると、透明な物、ラメが入っている物、カラフルな物、ポップな感じの物等様々な種類の物がある。

 しかも全部期間限定お徳用1.5倍仕様だ。

 とりあえず何時もの黒ではなくたまには明るい色にしようと思い、カラフルな1.5倍仕様ヘアゴムを買った。


 数日後


 教室で休み時間に本を読んでいたら髪を引っ張られた気がした。

 振り返るが、後ろの席の人は隣のクラスから来た人と楽しそうに喋っている。


 ?

 一体何だったんだろう?


 気にはなったが、とりあえず本に目を戻す。

 するとまた髪を引っ張られた感覚がした。

 後ろを振り返るがやはり後ろの席の人は隣のクラスから来た人と楽しそうに喋っている。

 引っ張って素知らぬフリをしている可能性もあるが、そもそも私は後ろの席の人とは髪を引っ張られるほど仲良くはない。


 一体何なんだ?

 疑問は強くなるが、気にしても仕様がない。

 何より今は読んでいる本の続きが気になる。


 『「家に帰るまでが遠足です」

 俺はそれを聞き流し家に帰る……

 だがそこにあるはずの我が家は消えていた。

 消えた我が家と家族。

 担任の陰謀。

 親友の死。

 「おやつは300円まで」に隠された暗号。

 そしてバナナはおやつに入るのか!?

 小説版『ENSOKU』

 〜俺たちの遠足はまだ終わっていない〜』

 元はドラマが映画化された物だったが、それが最近書籍化されて話題になっている本だ。

 今、ちょうど「おやつは300円まで」のくだりで良いところなのだ。


 また、前を向いて続きを読み出す。

 と、

 今度は今までよりも強く髪をそれも何度も引っ張られる感覚がした。

 後ろを見ずに髪を手で押さえた。

 髪を引っ張られる感覚は消えた。

 そして後ろを振り返るがやはり後ろの席の人は隣のクラスから来た人と楽しそうに喋っている。


 何なんだろう?


 そして、手を頭から放した途端に髪を引っ張られる感覚がきた。


 うおぅ!


 思わず変な声が出るほど、私の後ろ髪はピコピコと激しく動いている。

 頭をふるがその感覚は消えない。


 何だ何だ?こんな白昼に怪奇現象が?!


 後ろ髪はだんだんと激しさを衰えさせ、ついには止まった。


 何だか、自分の髪なのに触るのが怖い。


 頭の後ろに手をやって何か変な物を触ったらどうしよう。


 混乱する頭でぐるぐると思考を巡らしていると、パサリっと顔に髪がかかってきた。

 触ると、くくっていたはずの髪が解けている。

 手櫛をすると指に切れたヘアゴムが絡みついてきた。

 ヘアゴムを見た瞬間、何で髪を引っ張られた感覚がしたのかが分かった。


 さぁて、何故髪を引っ張られた感覚があったのでしょうか?


 「え?なぞなぞ?」


 いえす、あいどぅー


 「発音悪っ!それにまた、唐突な……」


 因みに解けなかったら私に彩国亭のたこ焼き奢ってね。


 「それなら当然解けたらたこ焼き奢ってくれるんだろうね」


 は?そんな訳ないでしょうが。


 「なんか、理不尽な気がするのだが…」


 ふ、女子とは無条件に理不尽なものなのだよ。


 「うわぁ、何か腹立つなそのドヤ顔、一発でこぴん入れて良い?」


 だが断る!

 そんなことより分かった?


 「ああ、うん解けたよ」


 早っ!


 「君が瞬時に解ったんだから解らない訳ないだろう」


 馬鹿にしてる?

 ねぇ、馬鹿にしてるよね?


 「君が髪を何度も引っ張られる感覚がしたのは、ヘアゴムが切れたから。違う?」


 スルーか……。

 残念でした、それはさっき問題で言ったよ。


 「ああ、そうだったね。じゃあ、もっと詳しく言うと君の髪を縛っていたヘアゴムが何かの拍子に切れた。

 それならば髪はすぐに広がるけれど、それは偶々少しずつ少しずつゴムがほどけていった。その結果、ゴムがほどける度に君の髪は結ぶ時に引っ張られていた力が弱くなり少しずつ広がっていった。それを髪を引っ張られる感覚だと君が勘違いをしたから今話してくれたみたいに 本人からしたら摩訶不思議な体験に繋がったんだ。

 ゴムは最後に一気に解け、その反動で君の髪の毛は動いた。

 違うかい?」


 う、正解……です。

 くそっ


 「ふ、簡単だったね。で、約束のたこ焼きはもちろん奢って貰えるんだろうね?」


 ガタンッ、ダッ、ガシッ


 無言で席を立ち、逃げようとしたが腕を捕まれた。


 「も・ち・ろ・ん約束は守って貰えるよね?」


 うう、や、約束はしていないもん。


 「ふぅん、人にはあれだけ奢れ奢れって言っておいて自分では奢らないなんて、人としてどうかと思うよ」


 く、お、奢らせて頂きます……。


 「おや、良いのかい?それじゃあ、早速今日の放課後にでも奢って貰おうかな」


 …了解しました。

 なので手を離して下さい。

 手を繋いでいるせいか、あちらこちらから視線が突き刺さる。

 うう、恥ずかしい。


 「ははは、離せと言われると離したくなくなるね」


 お巡りさーん!

 ここに紳士気取った変態がいます!!


 「……失礼だね、君」


 キーンコーンカーンコーン


 「ああ、丁度昼休みも終わったね。じゃあ、放課後デート楽しみにしているよ」


 にっこりと微笑みそう言って彼は手を離した。


 ふぅ、やっと解放された。


 自分の席に戻って席についた時、先ほどの彼の言葉を思い出した。

 『放課後デート楽しみにしているよ』


 え、デート?

 意味を理解した途端、バフンッと顔が暑くなった。


 彼の方をちらりと見ると こっちを向いてにこにこしている。

 彼の思うつぼだと言うことか。

 少しむっとするけれど、顔の熱は治まらない。


 ああ、暑いなあ。

 暖房が効きすぎているのかな、うん、暖房が効きすぎてるからだよね、地球温暖化だからね。


 再び「暑いなぁー」と呟き、ぱたぱたと手で顔を扇いだ。


ちなみにこの後、結局彼にたこ焼きを奢って貰う。

その時の台詞が

「好きな相手にお金ださせる訳ないだろう?」

で、それに対して主人公があわあわすると言うオチ(笑)


考えたは良いけど終わり方が見えなかったので断念。

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