* episode 1
題名の「U・x・U 」ですが、読者を惹きつける題名にしたかったので、付けさせていただいた次第です。
読む時の注意:「…U・x・U …」は、場面変化の記号です。
辛いと思った
だから抜け出した
ちょっとした気まぐれだった
「はい、茉亜蘭 ♪」
重たい頭を持ち上げて、ぼんやりした目で前を見てみた。視界が霞んでる。いつも以上に、脳が状況の理解を拒否している。
何か、白っぽい物が飛んでくる。
反射的に躱す。
後ろで何かに当たり、鈍く響いた。
また、飛んでくる。しかも、2つ……
次はとりあえず、当たってみる。
……カツーン。
痛いカモ。
その「何か」は、あたしの頭に命中した。
「茉~亜~蘭~ ♫」
もう一度、名前を呼ばれる。
視力回復。
目の前には、ちょっと体勢を低くした人間の後頭部。
脳が状況を理解しようと奮闘中……
あぁ、あたし、授業受けてたんだ。
今、……2時間目。英語、ってコトは刈葉 嵐Tか。
すると、さっき飛んで来たのは、小説やアニメでお決まりとなった……
また飛んできた
痛いから、躱す。
もう来ないだろうと余裕をかましていた後ろの人が、声にならない痛みを叫んでいる。
そう、チョーク……
何か、新鮮さが無いって言うか……
いい加減、そのネタの古さに気付け。
…U・x・U…
あたしの名前は、野都 茉亜蘭。
今、14歳で、中学校2年生。趣味は、犬の散歩とサイクリング、「もし空を飛べたら…」を空想するコト。将来の夢は、未定。
好きな物は、お金と布団。嫌いな物は、感情と女子。
実は、さっき英語が終わって休み時間に入ってから、3時間目に入ってるのにもかかわらず、屋上で考え事してる。
いつも通り、
もし空を飛べたら……
それだけを夢見て。
ただ、悲しかった。
楽しくなかった。
とても、色が溢れる世界には見えなかった。
どうしてあんなに、教室ではモノトーンな景色にしか、周囲を見ることが出来ないんだろう。
空だけが、碧く光っているように見えた。
まだまだ続きます!
今後とも、読んでやってください
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