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短編集

はちみつ、日焼け止め、カレンダー

作者: 夏野ゲン

カレンダーを見上げると、今日という日に丸印が付いている。

今日は彼の誕生日。何か手料理を作ってあげたかった。


しかし、私の料理の腕は絶望的を通り越して、崩壊的、あるいはビッグバーン的に駄目駄目だった。

私の「誕生日は何か料理を作りたい!」宣言を受けて、彼は「気持ちは嬉しいけど、怖いからホットケーキぐらいで我慢して!!」というほとんど悲鳴に近い懇願を受けて、ホットケーキを作ることになった。


私だってやればできるというところを見せてやろう!!




朝10時から準備をはじめる。

彼が帰ってくるのは夜の7時過ぎだから、ちょうどいい時間に出来上がることだろう。


生地の材料を買い混ぜる。


激しくだまになる。こんなんじゃだめだ!!私は一から混ぜなおす


何度か混ぜなおし、ようやく焼く段階に突入するが、2度3度焼いてみても真っ黒に焦げてしまう。火加減が悪いのだろうか?いや、でも指示通りにやっているはずだ。


私は唸る。黒く焦げてしまうホットケーキ。それをいかにして焦げないようにべきか…。

私は連想する。


黒焦げ→黒焼け→黒光り→松崎し○る→日焼け→日焼け止め!!


そうか、日焼け止めを混ぜればきっと黒焦げにはならない!!

私は嬉々として棚から出してきた日焼け止めを生地にまぜあわせ始めた。






…どうも。上の暴走気味の女の子の彼氏です。


バイトから帰ってみると、彼女がエプロンをつけて待っていました。

エプロン姿の彼女はかわいいのですが、それが料理と一緒に待っていると、地獄の門わきで門番が待っているかのように幻想的であります。


さて、席に着くと、彼女の料理にしては珍しく、こんがりきつね色に焼けたきれいなホットケーキが皿の上に乗っていて、「誕生日おめでとう!!」と書いてありました。

今日のものは何とか食べられる物になっていそうです。


ただ、気になることといえば、このホットケーキ、どことなく普通のものよりヌラヌラとテカッているような気がするのです。そう、あたかも松崎し○るのように。

しかし、きっと蜂蜜か何かがたっぷりかけられているか、まぜこまれているのでしょう。

僕は一口サイズにケーキを切り、口へと運びます。




……その後の僕に何が起こったのか、想像できるかもしれないし、想像できないかもしれない。


しかし私は読者の方にこれだけは言っておきたい。






………なんで彼女を止めてくれなかったんですか!!!


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