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99.第一王妃クノン 10

「陛下、ソウルに真剣を渡し、ハウル王子様に斬りかかるように暗示をかけましたね?」


ランセルが私達を陥れるために作った舞台ならば、私もそれを利用する。国王と謂えども決して逃れられないように大勢の人たちの前で彼の罪を突き付け明らかにする。


「知らぬ。どこにそんな証拠がある?」


「証拠ならば、ありますわ。言いましたわよね、私は第一王妃です。王宮内のことならば全て私の手の中にあります。


モニターをつけなさい。昨日の録画映像を再生しなさい。」


会場に設置されている四つのモニターに映像が映る。


「ここがどこか分かりますわよね?陛下専用の会議室ですわ。」


モニターには会議室の左前、左後、右前、右後の四方向から撮影された国王ランセルとソウルが映っている。


………………


「ソウル、そなたを呼んだのは、頼みがあるからだ。」


「はい。父上。ぼくに頼みとは何でしょうか?」


「そなた、明日のハウルの誕生日パーティーの時にこの剣をハウルに渡すのだ。」


「凄い剣。とても高価な剣ではないのですか?父上がご用意なされたのです、ぼくからよりも父上がハウルに渡された方がいいと思います。ハウルもその方が喜びます。ぼくはもう既にハウルに誕生日プレゼントを渡してます。」


「ソウル。私の目を見よ。私の命令を聞くのだ。」


「…は…い…。父…上…。」


「ソウル、明日のハウルの誕生日パーティーの時のこの剣をハウルに渡せ。ハウルが受け取りにそなたのところにきたら、ハウルをこの剣で斬り殺せ。」


「…は…い…。父…上…。」


「誰がそなたにハウルを殺すように命令したか聞かれたら、クロードと言え。計画したのはクノハだ。そなたは、伯父のクロードと祖母のクノハに命令されてハウルを殺した、クララを国王にするために、いいな。」


「…は…い…。父…上…。」


「はははっ。我が第一王子であるそなたが四星なのは、そなたの伯父のクロードの責任だからな。だが、一番目障りなのはそなたのいとこのクララだ。傍系王女のくせにかなり強い魔力を持っている。クララを一番に消してしまいたいところだが、名案がある。出来損ないのハウルを始末し、クノハ、クロード、クララの王位継承権を奪った後にな…。


ふはははっ。ふはははっ。


くくくっ。みんないなくなれば、私は、仕方なくまた側妃を迎え入れなければならない。若い四星女を娶れば今度こそ王家王族家系の五星の子が生まれるだろう。ハウルのような出来損ないの先祖返り五星なんか要らぬわ。


あっはっは。

そなたのいとこのクララは我が側妃にしてやろう。ハウルを殺害したそなたの罪を被り王位継承権のない罪人となるが、成人年齢16歳くらいに恩赦してやる。クララは強い王家王族家系五星だからな、利用してやろう。


あっはっはっは。

罪人に心の広い私が情けをかけてやるのだ。有り難く思うだろうよ。」


………………………………


モニターから流れる最低な国王ランセルの言葉に会場にいた全員が真っ青になった。もちろん、昨日初めてその映像を見た私も絶句した。まさかこれほど下劣な考えだったとは私の予想以上だった。


「ウソだ。偽装だ。クノン、貴様、偽装したであろう。私は、そんなことを言った覚えはない。」


四大公爵家の当主達全員が私達の側に来る。そして、サザリーナンダ公爵が私を庇う。


「偽装ではありません。国王陛下。何故なら会議室に監視カメラを設置し、録画映像を管理していたのは我ら四大公爵家の当主全員です。」


「「「南家殿のおっしゃる通り、我ら全員で設置し、管理していました。」」」


「何、だ、と…。サザリーナンダ公爵、四大公爵家当主の貴様ら~。国王である私を全員揃って裏切っていたのか?」


「裏切るなんてそんな気持ちはありません。今まで我ら四大公爵家の当主全員一丸となり、我が王国のために陛下にお仕えしてきました。クノン第一王妃陛下立ち会いの元、会議室に監視カメラを設置したのは、昨日の早朝で、4つの監視カメラは、四大公爵家当主全員が一つずつ管理しています。誰か一人でも不正なことを行ったり、巻き込まれたりしないようにするため、国家安泰のための監視カメラです。

まさか、こんな映像が録画されてしまったとは、我らは残念でなりません。」


「ええい。四大公爵家は、国王である私のいうことだけを聞いていればいいのだ。国王に逆らい勝手に監視した罪で貴様ら全員爵位を辞し、謹慎いたせ。」


ここからは、私と母上の出番だ。クララ、リマリーエにも予想出来る展開を事前に話している。彼女達は、計画通りの行動を取るはずだ。フィアレアラ皇女様には目立たないように彼女達のサポートをお願いしている。フィアレアラ皇女様は留学中の帝国だ皇族皇女様だから、我が王国のいざこざに巻き込み、それが問題になってはいけないから。

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