84.二年生学年末休み SIDE:リマリーエ 2
「第二王子は、王家王族五星だと思う?」
フィアレアラ様にそう聞かれて、『ドキッ』とした。お父様に第二王子ハウル殿下の家系のことを他人に言ってはいけないと言われていたから。だが、フィアレアラ様にウソを言うことは出来ない。
「…違うかも知れないとは思っていますわ。王家王族五星にしては魔力量が少ないと思います。」
私はそう答え、その理由も話した。お父様にも三年前に話したが怒られたのでそれ以来言わないことにしていると。
フィアレアラ様は、ハウル第二王子殿下の家系が王家王族家系ではないとは言わなかった。だが、もし、ハウル第二王子殿下が王家王族家系五星でないならば、の話をしてくれた。だから、クノハ先生は、私に魔法指導をするのだと。
フィアレアラ様の言うことは、近い将来に現実的に起こりうることだと思った。私は、第二王子ハウル殿下は王家王族家系五星ではない『かもしれない』ではなく、『絶対違う』と思っているのだから。
『相手と二倍以上の魔力量の差があれば正確には分からなくなる。』常識だ。だからこそ分かる。第二王子ハウル殿下と一番年齢の近い五星の私が感じる第二王子ハウル殿下の魔力量は、旧マ・アールよりも下だ。王家王族家系五星とは違うと。
………………………
お昼からは海で海水浴をして遊んだ。フィアレアラ様は相変わらず遊びオンリーで我がサザリーナンダ領を楽しんでくださっている。一方で、クララ王女殿下はずっとクノハ先生に魔法指導をしてもらっている。つまり、クノハ先生とクララ王女殿下は、私に魔法指導するために我がサザリーナンダ領にきてくれたと考えられる。クノハ先生は、理由もなく王宮のご自身の宮から出られないから。
そして、夕方後のクノハ先生の魔法指導の時間に今後の予定を話される。私がクノハ先生に教えてもらう予定の魔法のこととその理由だ。
「リマリーエ、あなたには今回魔力隠蔽結界を必ず出来るようになってもらうわ。何故魔力隠蔽結界が必要になるのか分かるかしら?」
「いえ。分かりません。魔力隠蔽する必要ありませんから。」
「そうね、自分一人の結界を張るだけならば、わざわざ魔力隠蔽する必要ないわ。でもね、自分の結界の中に四星以下の者を入れるとしたら、五星の魔力は隠蔽する必要があるのよ。」
「私の張る結界の中に四星以下の者を入れるのですか?他人を自分の結界の中に入れるなんて出来ません。」
「それも出来るようになってもらうわ。今朝ここに来る時にフィアレアラ皇女様が私達三人を自分の結界の中に入れていたでしょ。あんな感じよ。私達はみんな五星だから皇女様は魔力隠蔽しなかったけれど、四星以下に五星の魔力は厳しいわ。ってか、皇女様は無意識に常にご自身の魔力を隠蔽しているわね。普段、皇女様の魔力を感じることはないわ。」
「そうですね。私も学校での日常生活でご一緒している時にフィアレアラ様の魔力を感じることはありません。」
「処世術ね。前世もそうだったわ。」
「へっ?」
「何でもないわ。さてと、あなたは、自分の結界の中に他人を入れるために魔力隠蔽結界を覚えてもらうわ。」
「はい。」
「いい返事ね、リマリーエ。あなたには期待しているわ。あなたは守らなければいけないのよ。四星以下のあなたの大切な人達をね。」
「はい。」
「でもその前に話しておかないといけないことがあるわ。」
「…はい。」
クノハ先生は、第二王子ハウル殿下のことを言った。
「ねぇ、リマリーエ。あなた、ハウル王子の家系は王家王族家系五星だと思う?」
フィアレアラ様の言った通りだ。私は正直に答えることにした。ウソを言うことは出来ない。
「違うと思います。ハウル第二王子殿下の魔力量は、旧マ・アールよりも少ないので。一番可能性が高いのは先祖返りのナンダン王族家系五星だと思います。」
「フィアレアラ皇女様があなたにそう言ったのかしら?」
「いえ。はっきり違うとは言いませんでしたが、もし、ハウル第二王子殿下が王家王族家系五星でないならば、のお話をしていました。だから、クノハ先生は、私に魔法指導をするのだと。
私がフィアレアラ様にクノハ先生が私に魔法指導していただけるメリットなんてないと言ったからです。五星は、普通他人に魔法指導なんかしないと。」
「そうね。私があなたに魔法指導するのはあなたに我が国を支える強い五星になってもらわないと将来が危ないからよ。
ハウル第二王子は、あなたの言う通り、先祖返りのナンダン王族家系五星よ。ナンダン王族家系五星がいついなくなったのかは分からないけれどね、私の知ってる人が量がナンダン王族家系五星だと言うから間違いないわよ。」
「フィアレアラ様の知り合いの方ですか?フィアレアラ様は、その人の『褌』履いているっておっしゃってました。その人のおかげで勉強も剣術も魔法も何の努力しなくても何でも出来ると。その人に頼まれたから協力していると。」
「ふふっ。『褌』ね。ふふっ。ならば、私も同じだわ。私も自分の『褌』をもう一度締めて相撲をとっているのよ。ふふっ。こんなに大切な『褌』があることをもっと早く思い出したかったて後悔するほどよ。」
クノハ先生も『褌』らしい。意味不明だが…。




