59.フィアレアラの新学期 1
新学期が始まった。今日は、留学して初めての登校日。不安はない。何故ならば…、あのサザリーナンダ公爵家の令嬢リマリーエが私を校門で待ってくれることになったからだ。
「おはようございます。フィアレアラ様。」
「おはよう。リマリーエ。」
「おはようございます。フィアレアラ様。」
「みんな、おはよう。」
リマリーエだけでなく知り合いの令嬢達が私を校門でお出迎えしてくれている。一昨日のクララ王女のお誕生会で新しく出来た友人達だ。あの時を思い出して、思わず笑みが溢れた。私が嫌われてしまったと思っていたリマリーエは実は私のことをそう思っていなかったのだ。
お誕生会が始まってすぐ、事前の打ち合わせ通りクララ王女はパーティーにきていた私と同い年の令嬢を二人紹介してくれた。リマリーエは最初遠巻きにそれを見ていただけなのだが、その二人の令嬢が私の友人になって、学校を案内してくれる話になったところで彼女は私達の会話の中に入ってきたのだ。彼女が初等学校を案内すると。
私は、驚いた。サザリーナンダ公爵家の次女リマリーエ・マ・サザリーナンダはなかなか強引傲慢な五星令嬢だと聞いていたから。自分に意見する者は容赦なくいじめる。そして必ず言うことを聞かせようとするワガママ令嬢だと。そして、誰も彼女がそんなことをいうなんて思わなかったらしく、クララ王女も、令嬢達もみんな思わず言葉を失ってしまった。
リマリーエは、注目されて恥ずかしいのかうつ向き気味にチラチラ私を見ながら赤くなった顔で自分が案内するともう一度言った。そんなリマリーエを私は可愛いと思ってしまった。そして、彼女にお願いすることにした。
彼女はパーティーの間中、私の近くにいて、いろいろ話してくれたのだ。去年のクラスのことや先生方のこと、学校行事等を。彼女の予想する新しいクラスのことを。それは、クノン第一王妃陛下が調べてくれた情報とほとんど同じだった。
…………
リマリーエの予想通り、私のクラスは二年一組。リマリーエは二年五組。同じクラスにクララ王女様のお誕生会の時に友人になったジューンドート子爵家の令嬢ナノハがいる。私とナノハが教室に入ると、先に来ていたナノハの友人達が集まってきて、自己紹介が始まった。
ぼっち回避成功。新学期順調スタートだ。
ありがとう、クララ王女のお誕生日会。ナイスタイミングのお誕生日会だったわ。
ありがとう、ナノハ。私は、みんなと仲良くしたいって思っていると伝えてくれて。あなた、最高にいいクラスメートね。ナノハのおかげで私は、初日から同じクラスの平民の女児たちとも話せるようになった。
今日の新学期初日授業は、午前中のみ。明日は光の曜日で学校はお休み。午後授業開始は明後日から。二年生の午後の授業は選択授業。私は、MR別魔法授業を選択している。違うクラスのリマリーエと一緒に毎日同じ授業を受けることになる。私はそれを少し楽しみにしていた。
…………………………
午後授業が開始になった。二年一組の私は、教室を移動することはない。うちのクラスがMR別選択授業の五星四星魔法クラスだから。
私と一緒に授業を受けるのは、三人。
サザリーナンダ公爵家の五星令嬢リマリーエ・マ・サザリーナンダ。
イットー侯爵家の四星令息バッシュ・マ・イットー。
リップル伯爵家の四星令嬢ソマリリア・マ・リップル。
担当教師は、私のクラス二年一組の担任教師であるアヤネ・レリ・ヨーデキール先生だ。
一番最初は、簡単な自己紹介をして、早速授業開始。魔法を扱うにはイメージ力が大切だ。だから、一番最初は、自然から習う。「火、水、風、土、光、闇」教科書に載っているそれぞれの特徴を習う。そして、実際に目でみて、肌でふれて、観察する。魔法を扱うための基礎となる自然の力が分からないと何も出来ないから。
わかっている。大切なことだと。だが、しかし、つまらない。当たり前のことの説明ばかりが一学期の間中続くから。暇だ。初日からなんて面白くない授業なんだろう。
あまりにもダルいので、やることなく、ついついリマリーエを見てしまった。じ~~っと見つめていると、彼女は私に気付いた。ニコッっと笑うと彼女は照れたような顔をして私から目を反らした。
くくっ。なかなか可愛いな~~、リマリーエ。こっち見ないで~みたいな視線を送りながらも、チラチラとずっと私を見ている。ふふっ。ちょっと楽しい。
「フィアレアラさん。フィアレアラ・マティスさん。授業中です。授業に集中してください。他の児童の勉強の邪魔をしてはいけません。」
「はい。すみません。」
先生に注意されてしまった。




