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564.【番外編】六大公爵家パニック 7

【ヨバルテ公爵家 長女スイレン 3】



お母様は、ここからが本当に重要な話で、絶対に誰にも言ってはいけないことだとおっしゃった。皇帝陛下が、私の命を賭して王女様をお守りせよとお命じになられた理由だから、と。



「スーラの同学年で一番身分の高い者は、ロクデカン公爵家の令嬢であるあの子ではなく、皇族壱の宮家の五星皇女フィアレアラ・マティス殿下なのよ。

幼少期からたまにパーティー等でお会いする殿下をあの子はずっと見ていた。何かしらのお声がけがあることを期待してね。でも、殿下は同級生のあの子に話しかけることは一度もなかったわ。


初等学校に入学してからも、殿下の次に身分の高いあの子は殿下の対角クラスになり、学校でも殿下とお話する機会がないと悲しそうに言っていたわ。そして、殿下は、三年間同盟国に留学なされてしまった。

三年後、帰国した殿下は、五星皇女らしい気品に溢れていた。スラリと背の高い超美少女で、堂々としていて、帰国パーティーではたくさんの人たちに声をかけられ、皇帝陛下や太上皇陛下、高貴な方々と優雅にダンスをなされていた。


その時もね、殿下と同級生のあの子は、何かしら殿下からお声掛けがあるかも知れないと、パーティーの間、ずっと殿下を待っていたけれど最後まで殿下があの子に話しかけることはなかったわ。


そして新学期、殿下と同じクラスになったあの子は漸く殿下のご友人になれたと凄く明るい笑顔でとても嬉しそうに話していた。


それ以降は、パーティー等でも常に殿下のお側にいてとても嬉しそうだったのよ。ああ、あの子は、本当に殿下が好きなのね、あの子が殿下のお側にいる時は、満面の笑顔で殿下を見ているわ、と私はそう思ったわ。」



いとこ叔母上様スーラ側妃殿下がフィアレアラ・マティス皇女殿下をお好きだったことは分かった。だがしかし、皇家皇族のお方に憧れるのは貴族子弟ならば普通の感情で、いとこ叔母上様に限ったことではない。私の学年には、皇家皇族のお方はいらっしゃらないが、二歳上の学年に弐の宮家の五星第二皇子殿下がいらっしゃる。第二皇子殿下は参の宮家の四星第一皇女殿下と婚姻し、参の宮家を継ぐことが決まっているのだが、同級生前後の男子生徒は皆殿下をお守りし、女子生徒は皆殿下に憧れている。皇家皇族のお方をお守りすることは、我が帝国の貴族ならば当然の責務だとそう教育されている。



「それからしばらくして、フィアレアラ皇女殿下のご婚約者が発表になったわ。あなたも知っての通り、スーラとは同級生の伯爵家の四星令嬢よ。壱の宮家をお継ぎになられる五星皇女殿下のお相手が同性なことに我が帝国民は驚いたわ。けれど、男性の配偶者をお迎え出来ない理由があるらしく、時の皇帝陛下がお認めになられていると発表にもなった。

そのすぐ後に、スーラは決まっていた婚約を解消したのよ。好きな人がいる、婚約者がいたままだとその人が自分を選んでくれなくなるからと、そう言って。


ああ、スーラは、フィアレアラ・マティス殿下を待っているのだ、スーラが婚約を解消した理由は、おそらく殿下の第二配偶者に選らんでもらうためだろう、スーラのいう好きな人とはフィアレアラ皇女殿下に間違いないからと、私はそう思ったわ。」


えっ?そこまで?そこまでなの?フィアレアラ皇女殿下は、女性なのに、同性の皇女殿下にそこまで憧れるものなのかしら?

それは私にはまだ分からない感情かも…。


「四星公爵令嬢が婚約解消してもね、あちらこちらから婚約の申し出が届くのよ。その全てをスーラは蹴っていた…。


そして、ザカラン王子様とのご婚約発表よ。意味不明だったわ。スーラは、フィアレアラ皇女殿下が好きだったはずなのに。


でも、スーラの産んだ王女様を一目見て分かったわ。


よく聞きなさい、スイレン。

壱の宮家の皇従姉皇女フィアレアラ・マティス殿下は、普通の五星ではない。我が帝国に伝わる旧帝国時代の伝説の末子皇女殿下や、歴史の教科書に出てくる同盟国のフィオナ王女殿下のような常識外れの超越したお力をお持ちの皇女殿下なのよ。


あなたも知っての通り、同盟国の国王ザカラン陛下は、同盟国が他国に侵略されそうになった時に、彗星のように現れたフィアレアラ皇女殿下とは同い年の五星王子様で、公上、前々国王陛下の甥っ子とはなってはいるけれどね、前々国王陛下の父親の隠し孫なんてまぁまずあり得ない話だわ。


フィアレアラ皇女殿下は女性に間違いはないけれど、何らかの超越した魔法でお姿を男性に変えられている。その男性のお姿が同盟国のザカラン国王陛下なのだと私は推測しているわ。


イッチバーン公爵もそれで正しいと思われると言っていたし、私自身も私の推測は間違いないと思っている。


フィアレアラ皇女殿下が男性の配偶者をお迎えにならない理由も、スーラが恋焦がれたあのお方の妃になるために同盟国に嫁いだ理由も、皇帝陛下が命を賭して同盟国の王女殿下をお守りするようにとお命じになられた理由も私の推測通りならば全て説明がつくからね。


スーラの産んだ五星王女様ラリーレアラ第二王女様が、フィアレアラ・マティス殿下にうり二つなことも決め手のひとつよ。


故に、ザカラン国王陛下の王子様王女様は、我が帝国の壱の宮家の皇子様皇女様と思わなくてはならない。

皇帝陛下を始めとする皇家の方々は、フィアレアラ・マティス皇女殿下を大切になされている。

そして、弍の宮家は、第一皇子様の御命をフィアレアラ皇女殿下にお救いいただいた御恩がある。弐の宮家の第二皇子殿下には、必ず同盟国の王女殿下をお守りするように言われるはずよ。

参の宮家の皇女殿下も従姉であるフィアレアラ皇女殿下を慕っているわ。

つまり、ザカラン国王陛下の御子様を傷つける者は、我が帝国の皇家皇族全員を敵に回すことになるのよ。」



とんでもなくヤバいお話しではないか。知らなかったでは済まされない。だんだん怖くなってきた。私は、どうすればいいのだろうか…。

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