表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
562/566

562.【番外編】六大公爵家パニック 5

【ヨバルテ公爵家 長女スイレン 1】



「スイレンお嬢様。皇帝陛下からの御命令が下されました。『ヨバルテ公爵は令嬢を連れ直ちに登城せよ』との皇城より緊急呼び出しです。」


今日は、休日闇の曜日。自宅でのんびりとしていたところに緊急呼び出しと侍女に言われて首をかしげる。


何故、私?


私の名前は、スイレン・ヤ・ヨバルテ。10歳。初等学校三年生。MR四星。


「私?お兄様ではなく私なの?」


私は、ヨバルテ公爵家の長女だが、三歳年上に五星の実兄がいる。兄は我がヨバルテ公爵家の嫡男だ。


「はい。私もおぼっちゃまではなくスイレンお嬢様なことを不思議に思い確認致しましたが、間違いなく皇帝陛下は『令嬢』だとおっしゃられたそうです。ご当主様がお嬢様に登城の準備をするように、とのことです。」


良いことならば、緊急の呼び出しなんてあるはずがない。悪いことしか考えられないが、私は何もしていない。四星令嬢の私が皇帝陛下に緊急の呼び出しを受けるなんて考えられない。全く身に覚えがない。


何が何やら分からない大混乱のまま、侍女に身を清められ、謁見用の正装を着せられ、されるがままに準備を終えると、すぐにお母様と早馬車に乗り込んだ。


「お母様、何故私が皇帝陛下に緊急の呼び出しなのですか?私、何も悪いことはしてません。」


「母も分からないのよ。ロクデカン、イッチバーン、ニッチェル、我がヨバルテの順に皇帝陛下の緊急呼び出しがあったとしか。」


お母様の顔色が悪い。私も怖くてブルブル震えてしまう。


「とにかく急がないと。」


「はい。」


皇城に着いた途端、謁見の間に向かって早足で歩き出すお母様に一生懸命付いて行く。こんなことは初めてで不安で不安で仕方ない。途中、ロクデカンは既に退室し、イッチバーン、ニッチェルは入室中という情報が入った。つまり、うちが最後だ。


『皇帝陛下、ヨバルテ公爵様がご令嬢と共にご登城なされました。謁見の間に入られます。』


バーンと扉が開いたので、お母様に続いて入場し、イッチバーン公爵様、新ニッチェル公爵様、前ニッチェル公爵様の後ろでお母様に習い跪き、頭を下げた。六大公爵家には序列がある。当主の年齢に関係なく、一番上がイッチバーン。二番目はニッチェル。我がヨバルテは四番目だ。


「ああ、ようやく来たわね。今日の主役の令嬢が。二人とも頭を上げなさい。

ヨバルテ公爵、あなたを同盟国の第一王女リリーレアラ様の後見人に指名するわ。王女様と同い年の令嬢は命を賭してリリーレアラ第一王女様の学校生活をお守りするのよ。万一にも王女様が楽しい学校生活を送れない時はヨバルテ公爵家の責任にするわ。」


「はい、承知致しました。皇帝陛下。」


???

私が主役???

一体何のことなのか全く分からない。

そして、お母様は同盟国の第一王女リリーレアラ殿下の後見人に任命された?

私も王女殿下をお守りするの?何故?


「そこのヨバルテ公爵の令嬢。あなたの行動がヨバルテ公爵家の運命を握るのよ。そのつもりでいなさい。」


「はい。皇帝陛下。」


お母様に習い意味が分からないままブルブル震えながら返事をする。私は、もしかして、私の行動如何で我がヨバルテ公爵家の運命が決まるという大役を御命令された?の?


「ふふふっ。明日の御前会議が楽しみね。ふふふっ。最高の気分よ。ふふふっ。用は終わったから、皆、下がりなさい。ふふふっ。」


下がるように言われ、さっさと退室するイッチバーン公爵様、新ニッチェル公爵様、前ニッチェル公爵様に続き退室するお母様に付いていく。



「イッチバーン公爵。私、何が何やらさっぱり分からないのですが、同盟国のリリーレアラ第一王女殿下の留学のお話があるのですか?確かに私の娘は、リリーレアラ第一王女殿下と同い年ですが、もしかして、私は、娘がリリーレアラ第一王女殿下と同い年という理由でリリーレアラ第一王女殿下の後見人に選ばれたのですか?」


謁見の間を出るやいなや、イッチバーン公爵様にそう尋ねるお母様。


「ええ、その通りよ。私は、リリーレアラ第一王女殿下の警護の責任者に任命されたわ。我が帝国の威信にかけて同盟国の王女殿下をお守りせよ、とね。皇帝陛下は、留学時の同盟国のリリーレアラ第一王女殿下の保護者になられるらしいのよ。万一にも同盟国の王女殿下を傷つける者がいるならば、それは皇帝陛下と我が帝国に対する反逆だとそうおっしゃったわ。私に国家反逆罪として捕らえ、一族郎党全員潰し、皇帝陛下と国家に反逆するとどうなるか見せしめにせよ、と、魔力を込めた強制力のある御言葉でそうお命じになられたわ。六大公爵家であっても例外はないとね。」


なんということでしょうか。

もしかして、私は、とんでもないお方をお守りしなくてはならない、ということ???


「ご令嬢、皇帝陛下はあなたに命を賭してリリーレアラ第一王女様の学校生活をお守りするようにおっしゃったわ。万一にも王女様が楽しい学校生活を送れない時はヨバルテ公爵家の責任にするとね。もしあなたが同級生の令嬢達を束ねる力がないならば、早いうちに辞退しなさい。その方がヨバルテ公爵家のためよ。現ヨバルテ公爵家全員で謹慎でもすれば、一族郎党全員潰されるという最悪の事態にはならないかも知れないわ。」


イッチバーン公爵様の言う意味が分からない。何故私がそんな重責を負わされてしまうのだろうか。そんなの無理だ。どう返事をすればいいのか分からず、お母様の方を見て泣き出してしまった。すると、途端にイッチバーン公爵様の体から魔力が溢れ始めた。


怖い。怖くて怖くて体がブルブル震える。強い魔力に当てられ、意識が朦朧とする。立っていることが辛くてその場にしゃがみ込む。私は一体どうなってしまうのだろうか…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ