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561.【番外編】六大公爵家パニック 4

【ヨバルテ公爵家】


「ご当主様。皇帝陛下からの御命令が下されました。『ヨバルテ公爵は令嬢を連れ直ちに登城せよ』との皇城より緊急呼び出しです。」


今日は、休日闇の曜日。自宅でのんびりとしていたところに緊急呼び出し。何事かは分からないけれど、六大公爵家ヨバルテの当主として、直ちに登城しなくてはなりません。


「ええ、わかったわ。でも令嬢って?嫡男ではなく娘なの?」


「はい。私もおぼっちゃまではなくお嬢様なことを不思議に思い確認致しましたが、間違いなく皇帝陛下は『令嬢』だとおっしゃられたそうです。」


執事にそう言われ、不思議に思いながらも娘に登城する準備をさせる。我が娘スイレンは、長女ではあるが兄のいる四星第二子。まさかの呼び出しだが、六大公爵家の子供ならば四星でも謁見の間に呼ばれこともあるかも知れないと怠ることなく備えていた自分を褒めることにした。


「ご当主様。念のため、もう一度皇城に確認致しましたが、やはりおぼっちゃまではなくお嬢様で間違いないそうです。緊急呼び出しは、最初がロクデカン公爵家で、その後にイッチバーン公爵家、ニッチェル公爵家に入ったそうです。」


皇帝陛下の緊急呼び出しではあるけれど、六大公爵家全部の呼び出しではなく、ロクデカン、イッチバーン、ニッチェルとうちの四家。しかも最初がロクデカンで、うちは娘を連れての呼び出し。ますます意味が分からない呼び出しだが、急ぎ準備をする。有事ではないならば、軍服ではなく平時の服装だろう。


早馬車で登城し、急ぎ謁見の間に向かう。途中、ロクデカンは既に退室し、イッチバーン、ニッチェルは入室中という情報が入った。つまり、うちが最後だ。


『皇帝陛下、ヨバルテ公爵様がご令嬢と共にご登城なされました。謁見の間に入られます。』


バーンと扉が開いたので、入場し、イッチバーン公爵、新ニッチェル公爵、前ニッチェル公爵の後ろで跪く。六大公爵家には序列がある。当主の年齢に関係なく、一番上がイッチバーン。二番目はニッチェル。我がヨバルテは四番目だ。


「ああ、ようやく来たわね。今日の主役の令嬢が。二人とも頭を上げなさい。

ヨバルテ公爵、あなたを同盟国の第一王女リリーレアラ様の後見人に指名するわ。王女様と同い年の令嬢は命を賭してリリーレアラ第一王女様の学校生活をお守りするのよ。万一にも王女様が楽しい学校生活を送れない時はヨバルテ公爵家の責任にするわ。」


「はい、承知致しました。皇帝陛下。」


『はい』と、とりあえず返事をしたものの、何が何やら分からず困惑する。???一体何故私が同盟国の第一王女リリーレアラ殿下の後見人に任命されたのだろうか?


「そこのヨバルテ公爵の令嬢。あなたの行動がヨバルテ公爵家の運命を握るのよ。そのつもりでいなさい。」


「はい。皇帝陛下。」


娘も意味が分からないままブルブル震えながら返事をしている。私達母娘揃って大混乱だ。


「ふふふっ。明日の御前会議が楽しみね。ふふふっ。最高の気分よ。ふふふっ。用は終わったから、皆、下がりなさい。ふふふっ。」


何故か超ご機嫌の皇帝陛下。触らぬ神に祟りなしとばかりにさっさと退室するイッチバーン公爵、新ニッチェル公爵、前ニッチェル公爵に続き退室する。


「イッチバーン公爵。私、何が何やらさっぱり分からないのですが、同盟国のリリーレアラ第一王女殿下の留学のお話があるのですか?確かに私の娘は、リリーレアラ第一王女殿下と同い年ですが、もしかして、私は、娘がリリーレアラ第一王女殿下と同い年という理由でリリーレアラ第一王女殿下の後見人に選ばれたのですか?」


謁見の間を出るやいなや、イッチバーン公爵にそう尋ねた。


「ええ、その通りよ。私は、リリーレアラ第一王女殿下の警護の責任者に任命されたわ。我が帝国の威信にかけて同盟国の王女殿下をお守りせよ、とね。皇帝陛下は、留学時の同盟国のリリーレアラ第一王女殿下の保護者になられるらしいのよ。万一にも同盟国の王女殿下を傷つける者がいるならば、それは皇帝陛下と我が帝国に対する反逆だとそうおっしゃったわ。私に国家反逆罪として捕らえ、一族郎党全員潰し、皇帝陛下と国家に反逆するとどうなるか見せしめにせよ、と、魔力を込めた強制力のある御言葉でそうお命じになられたわ。六大公爵家であっても例外はないとね。」


「同盟国から第一王女リリーレアラ殿下を我が帝国に留学させて欲しいとの申し入れがきたのですか?」


「いえ、まだきてないらしいわ。まだきてないけれど、きた時に備えて準備をするらしいのよ。あなたならば分かるはずよ、何故皇帝陛下が入念に準備をしようとしているのか、を。スーラ側妃殿下の従姉のあなたならば…。」


「そっ、それは…。

実は口に出して言ってはいけないことなので未確認なのです…。」


「…、あなたの思っている通りで間違いないと思われるわ。


ご令嬢、皇帝陛下はあなたに命を賭してリリーレアラ第一王女様の学校生活をお守りするようにおっしゃったわ。万一にも王女様が楽しい学校生活を送れない時はヨバルテ公爵家の責任にするとね。もしあなたが同級生の令嬢達を束ねる力がないならば、早いうちに辞退しなさい。その方がヨバルテ公爵家のためよ。現ヨバルテ公爵家全員で謹慎でもすれば、一族郎党全員潰されるという最悪の事態にはならないかも知れないわ。」


イッチバーン公爵の言う意味が分からず、何も答えることが出来ずに私の方を見て泣き出す娘。途端にイッチバーン公爵の体から魔力が溢れ始めた。


「イッチバーン公爵、落ち着いて下さい。ヨバルテ公爵もご令嬢も皇帝陛下の御命令に背くつもりはないのです。

ヨバルテ公爵、ご令嬢。さっきイッチバーン公爵の言っていた通り、イッチバーン公爵は、皇帝陛下に魔力を込めた強制力のある御言葉で同盟国の王子様王女様をお守りするように命令されています。イッチバーン公爵にそう意思表示しなければ、イッチバーン公爵はあなた達二人を処分しなくてはいけない使命感に駆られてしまいます。」


「イッチバーン公爵。皇帝陛下が貴女殿におっしゃった通り、私も我が帝国の威信にかけて同盟国の王子様王女様をお守り致します。

貴女殿もご存知の通り、我が従妹スーラ側妃殿下が同盟国のザカラン国王陛下に嫁がれた時、ロクデカン公爵家は、自国愛の強い我が帝国民から相当非難されました。

故に、あまりに急なお話で、簡単にお答え出来ず、私も娘もどうすべきか返答に手間取ってしまい、誤解をまねかれたならば申し訳ありません。家に戻り、貴女殿のアドバイスと前公爵である母のご助言を参考に私も娘も対処方法を検討致します。

私も娘も皇帝陛下に反逆する気持ちは全くありません。」


前ニッチェル公爵に言われて慌ててそう言い訳をする。だが、これは本心だ。もし同盟国の王子様王女様が我が帝国に留学なさるならば、それ相応の準備をしなくてはならない。イッチバーン公爵を止めて下さった前ニッチェル公爵にもお礼を申し上げる。私は分家イッチバーン公爵家出身の父親譲りのイッチバーンニッチェル(ファストリアセガンリア)家系五星だが、流石は本家イッチバーン公爵家を継いだイッチバーン公爵リスカ様だ。同じ家系五星だが、私よりも全然強い。彼女の身体から溢れ出した魔力に改めてそう思った。

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