550.【番外編】皇帝セラティー・ヤ・マティス 6
我が皇女の魔法の先生になって欲しいと、フィアレアラいとこ姉上様にお願いしたところ、思っていた通り断られてしまいました。ですが、私には秘策があります。その秘策を繰り出します。
「フィアレアラいとこ姉上様がどうしても無理な場合は、私の父上に魔法の先生をお願いすることも考えてはいます。ですが、父の年齢から我が皇女が七歳になってからの魔法指導は難しいのが現実です。私が教えないといけないとは分かってはいますが、ご存知の通り私にはその技術力がありません。フィアレアラいとこ姉上様か、もしくは、図々しいお願いと思いますが、エリザベート皇女殿下にお願いしたいと思っています。」
「エリザベートは、王国でリマリーエと一緒にザカランの子ども達の魔法の先生をしているから駄目よ。それにね、王国と帝国では距離が離れ過ぎていて、幻影の魔力消費が激しいのよ。毎日なんてかなり難しいわ。」
ザカラン国王陛下の子供たちの魔法の先生は、エリザベート皇女殿下?ならば…。
「魔力量が半減する18時以降でもよいのです。フィアレアラいとこ姉上様に断られたら、我が皇女は『帝王結界』を張る技術を得られるかどうかわかりません。我が帝国の未来のためにも是非お願い致します。」
そう言って通常の魔法の先生の給金の10倍を提示します。フィアレアラいとこ姉上様がザカラン国王陛下として休みなく働いているのはたくさんいる妻子を養うためですから、それを利用します。
『いとこ姉上様が我が皇女の魔法の先生となれば短い時間でたくさん稼げますよ〜、だから、我が皇女の魔法の先生になって下さい』と。
「マジ?セラティー?本気?」
よし、やりましたわ。秘策がヒットしました。フィアレアラいとこ姉上様の金策に付け込むという私の秘策が。狙い通りフィアレアラいとこ姉上の顔が変わりました。ふふっ。ここからが本番です。
「はい、もちろん本気です。私は、女性皇帝ですから、男性皇帝のように皇帝配偶者にお金がかかりません。その上配偶者も二人ですから皇家の公設維持費用にかなりの余裕があります。『帝王結界』を張る技術は我が皇女のためだけでなく、皇家の未来の皇子皇女のために必要な技術です。もし我が皇女がその技術を得られなければ我が帝国は終わりなのです。それを思えば安いくらいです。」
「でも子どもの魔法指導は毎日なのよ。こんなに時給を高くしたら、毎月凄い金額になるわよ。」
「ああ、それでしたら、高額時給となりますので通常の税金1割ではなく4割となり、実際の手取り月給は6割ほどと少なくなります。税率が上がりますから国庫にも返金されますので大丈夫です。」
「…。」
フィアレアラいとこ姉上様が考えられています。たとえ4割税金を取られたとしても破格の給金であることは間違いありません。ここで針合わせにかかります。
「我が皇女は、まだ0歳ですから今すぐではありません。二、三歳になってからの魔法指導をと考えていますので、どうか我が帝国の未来のためにご検討下さい。
それから、もしも、もしも、なのですが、伝説の末子皇女エリザベート殿下が我が皇女に魔法指導していただけるならば、その1.5倍の時給を出します。」
「えっ?マジ?エリザベートならば時給1.5倍?セラティー、あなた正気?」
「はい。フィアレアラいとこ姉上様、私はエリザベート皇女殿下の魔法の技術ならば我が身を持って感じました。我が皇女までも伝説となられたお方に魔法指導いただければ、間違いなく未来の皇家の財産となります。我が帝国の未来がかかっているのです。この程度大したことありません。」
さぁ、如何ですか?フィアレアラいとこ姉上様。
さぁ、さぁ、さぁ~〜。さぁ~〜〜〜。




