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535.【番外編】楽したいのに 4

ふらふらと自室に向かいます。


三人目?


メリッサに?


三人目?


夫も言ってましたが、私も五星女性が三人目を授かるなんてほとんど聞いたことがありません。

いえ、それどころか、三人も子どもを産んだ五星女性なんて歴史に出てくるエリザベス王太后陛下とエリアノーラ特別妃殿下しか知らないくらいです。


なのに、三人目?


メリッサが?


三人目を授かった?


もちろん、喜ばしいことです。

喜ばしいことなのですが、まさかの三人目に大混乱です。そんなことってあるのかと。おかげで前回二週間前の孫の件は、サダドックのところだと盛大に勘違いしていました。夫がメリッサに連絡していないことを気にしていましたが、まさかメリッサが三人目を授かったなんて全く思わなく、サダドックのところだと思って後回しにしていたのです。慌てる必要はないと。


驚き過ぎて、途中から夫の言うことに短い返事しか出来ませんでした。我がウェスターナルのことなのにクノン称第一王妃陛下に全てお任せすると。もちろん、驚いていなくても陛下のおっしゃることに逆らう気持ちは一切ありませんが…。


はぁああ〜〜、と大きなため息が出ました。


何故?


私には我が嫡子メリッサが理解不能です。


五星女性が四星の夫を迎えた場合、一人目は五星の可能が高いのですが、二人目以下は必ず四星。しかも、下の子ほど弱い魔力しかありませんし、授かることも難しくなります。故に、大抵の場合、一人目を産んだ時点で満足し、二人目、三人目を望まないのが普通なのです。


私もそうでした。

当時、分家ウェスターナル当主だった私の一人目は五星のメリッサ。メリッサは分家ウェスターナルを継げますが、二人目の四星長男サダドックは分家として独立出来ない子です。分家の仕事を手伝う平民として独立しなくてはならない子となるのですから、分家五星の私の子どもは二人で十分過ぎるほどでした。


まぁ、それは、当主が女性に限らず男性であっても同じです。嫡子になれない分家の子は平民になってしまいますから、分家は多くの子を望みません。下の子に何も与えてやれないのですから、妻も子も一人ずつ。それが普通のことなのです。


我が嫡子メリッサ…。


あなたは、本家ウェスターナルを継ぐ嫡子ですから、その子ども達は何人いても分家ウェスターナルとして独立出来ます。


出来るのですが…、

その場合、分家に本家の財産を分け与えなければならないのです。それは、本家の縮小だけでなく、分家の拡大に伴う本家の責任拡大に繋がります。故に、貴族は分家を最少限とし、多くの子どもを望まないのが普通なのです。もちろん下の子どもほど低MR、低魔力な上に授かりにくいこともありますが。たまに女の子を多く授かった場合に跡継ぎの男子を望む者もいることはいるのですが…。


はぁ~〜。


やはりあの子の感性は、私とは全く異なるようです。最初から本家の嫡子として生まれていたら、三人目を望まず、早く爵位を継ぐために王都に戻りたいと思うはずです。それが普通なのです。その証拠にメリッサの一学年年上の新サザリーナンダ公爵カナリーエ殿なんて、一人嫡子を得るとすぐに王都に戻って来ました。もう四年も前のことです。次の子は必ず四星になるから子どもを産むのは五星嫡子一人で十分と、そう言ってました。


はぁ~〜。


どうやら私はもうしばらくウェスターナル公爵でいないといけないようです。


はぁ~〜〜〜。


最早、ため息しか出ません。

私以外の他の四大公爵家は、世代交代を終え、新世代の若い当主達が王都で次の世代の子供達を育成しながら責務にあたっています。後は私一人だったのに…。


あの子に爵位を譲るカウントダウンは始まってすぐ取り消しとなってしまいました。

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