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532.【番外編】楽したいのに 1

「ウェスターナル公爵。」


仕事終わり、王宮のウェスターナル公爵家専用控室を退出した時、廊下を歩くクノン称第一王妃陛下に呼び止められました。


「はい、クノン称第一王妃陛下。いかがなさいましたか?」


慌てて、膝をつき、頭を下げます。王家のお方が四大公爵家の専用控室に来ることはほぼないことです。こちらが呼び出されて出向くのが当たり前だからです。先触れさえもないなんて一体どういうことなのでしょうか?


「膝なんて付かなくていいですわ。つい先程、とっても嬉しい知らせが届いたので、慌ててすぐここに来たのです。ふふっ。喜びあいたいと思っていたのだけど、あなたのところにはまだ連絡が入ってないみたいね。ふふっ。ならば私の口から言うのは駄目ね。ふふっ。帰宅すれば分かるはずだから、まだ秘密にしておくわね。ふふふっ。うふふふっ。」


何故かとても嬉しそうにそうおっしゃって、クノン称第一王妃陛下はさって行きました。


???


意味不明なのですが、何となく、何となく、もしかして…、と思ったことがあります。


『もしかしたら、サダドックとカルア王女様のところに2人目の子どもが出来たのかしら?あの嬉しそうなお顔ならば、きっとそうね。』


下の息子サダドックは、高等学校卒業後、分家ウェスターナルの四星当主として独立後、王族王女様のカルア王女様を配偶者に迎え入れ、二年前に四星の女の子を授かりました。


上の娘メリッサは、クノン称第一王妃陛下の王子様を配偶者に迎え入れ、五星の男の子と四星の女の子の二人の子どもたちがいます。


我がウェスターナル公爵家は、長年、王家王族のお方とのご縁がなかったのですが、我が子の世代は、2人揃って王族の王子様、王女様を我がウェスターナル公爵家に迎え入れることとなりました。そして、可愛い孫たちも授かったのです。子孫がまた一人増えるのは、我がウェスターナル公爵家にとってとても喜ばしいことです。


『次の孫は、男の子かしら?女の子かしら?四星なことは間違いないから、男の子ならば嫡男で、女の子ならば王都の貴族から婚約話が殺到するわね。ふふふっ。』


クノン称第一王妃陛下のあの満面の笑顔から孫が出来たことはほぼ間違いないはず、とそう思い、私も笑顔で帰路につきました。



「おかえりなさい、メアリー様。いい知らせが自領から届きましたよ。びっくりビッグニュースです。」


玄関で私の帰りを待っていた夫が、満面の笑みでそう言っています。


「うふふふっ。あなたまでが笑顔でそう言うなんて、私、何となくそのいい知らせが何のか分かったわ。

もしかしたら私たちにまた一人孫が増えるってことだと思っているのよ。どう?正解かしら?」


「あははっ、よくお分かりになられましたね。その通りです。少し前に自領の義母上様からそのように連絡が入りました。王宮のメアリー様にすぐに連絡しようとしたのですが、義母上様が初子ではないので、わざわざ王宮に連絡を入れなくても帰宅してからでいいとそうおっしゃいました。故に、ここでメアリー様のお帰りをお待ちしていたのです。あははっ、もしや、クノン称第一王妃陛下ですか?王宮にもこの喜ばしい知らせが入っているはずですから、陛下がメアリー様に何かおっしゃったのですか?」


「ええ。嬉しい知らせが届いたけれど、自分の口からは言えないと、満面の笑顔でそうおっしゃったのよ。我がウェスターナル公爵家と陛下に共通の嬉しい知らせならば、もしかしたら孫が出来るのかしら?…とそう思っていたのよ。

ところで出産予定はいつなのかしら?」


「来年の1の月の半ば辺りらしいですよ。今日妊娠が分かったばかりですから。」


思った通り孫でした。来年の頭、1の月の半ばならば、今度の孫の出産には立ち会えそうです。今年の年末に私はメリッサに爵位を譲り、自領に戻る予定ですから。


「うふふふっ。楽しみだわ。」


「はい。メアリー様。」


夫と二人嬉しくて笑い合います。私たち夫婦は、王都にいて、娘夫婦も息子夫婦も自領にいますから、1年に一度くらいしか会えません。ですから、私は、三人いる上の孫たちの出産に立ち合うどころか、生まれて数ヶ月経ってからしか会いに行けませんでした。そして、次に孫達と会うのは、1年前後先となってしまっていたのです。しかし、今回の孫が産まれる時には、私は、爵位を娘に譲った後となり、自領にいることになるのです。子どもはあっという間に大きくなります。四人目の孫で、漸く新生児に会えるのです。あの乳臭い可愛い新生児を早く抱っこしたいのです。

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