531.【番外編】ぼくの名前はソメドック 3
ぼくの名前は、ソメドック・マ・ウェスターナル。10歳。MR五星。今日、ぼくは王都第一中等学校に入学した。新入学試験ではトップの成績を修め、新入生代表の挨拶を務めた。両親もぼくの入学式に出席してくれた。とても嬉しくおもった。
「ソメドック、中等学校入学おめでとう。あなたは我が王国の国防を担当するウェスターナル公爵家五星嫡男なのです。中等学校では貴族子弟の模範となるような強く正しい行いを心掛けなさい。」
「はい。母上。」
「ソメドック、中等学校入学おめでとう。お前は小さい頃から我がウェスターナルを守るために、魔法も剣術も一生懸命頑張っていた。成績も優秀で、妹たちの面倒見もいい優しいお兄ちゃんだ。お前は父の自慢の息子だ。
だがな、困ったことがあったら、いつでも父や母上に相談したらいいんだぞ。何もかもひとりで抱え込む必要はない。父も母上もお前の味方だ。」
「はい。ありがとうございます、父上。」
「自領を離れることになって寂しいこともあるかも知れないけれど、公爵家の子弟は、学期末休みには自領に戻り自領視察回りをする責務があるわ。3ヶ月半も経てば自領に戻ることになるから不安になる必要はないのよ。」
「はい。母上。」
「確かに、3ヶ月半、いや、実際には1ヶ月前に王都に上ったから、自領を4ヶ月半もウェスターナルお義祖父様とウェスターナル義母上に任せっぱなしになってしまうな。
よし、ならば、父もソメドックが一学期末休みになったら一緒にウェスターナル公爵領に戻るかな。ぼくも領民の健康状態を確認する必要がある。」
えっ?てっきり一人で帰るのだと思っていたが、父上が一緒に来てくれるなんて嬉しいな。
「それはダメです、ソウル様。ソメドックは、もう準成人年齢の中等学校一年生なのです。自領視察はソメドック一人に任せたらいいのです。」
母上…。それはその通りなのですが…。
「だが、ぼくは医師として領民の健康を…。」
「ならば、ソメドックの自領視察に領の医師を同行させますわ。一学期末休みの間中ソウル様がいない生活なんて私には淋しくて耐えれません。」
「メリッサ…。」
「行かないで下さい、ソウル様。私だってお母様の爵位を継いだばかりで不安なのです。ソウル様に私の側にいてほしい。」
「ああ、分かった。ぼくは君の側にいるよ。どこにも行かない。新しく始めた宮殿医務官の仕事もあるしな。」
「ありがとうございます、ソウル様。嬉しい。
と、いうわけだから、自領視察はあなた一人で行くのよ、ソメドック。」
「すまないな、ソメドック。母上が淋しがるから父は母上の側にいなくてはならない。お前ならば一人で大丈夫だろう。」
「…。」
知ってた。ぼくの両親はラブラブなことを。四歳だったあの頃、ぼくは自分のことしか見えてなかった。落ち着いてよく周りを見ると、父上の側に常に母上がくっついていた。ぼくはあの頃覚った。『赤ちゃん』に母上を取られたと思ったのは間違いだったと。最初から母上は父上だったのだと。
「ああ、そうだわ。ソメドック、なんなら妹たちを連れて自領に戻るといいわ。
…そうね、それがいいわね。そうしなさい、ソメドック。孫が三人揃って自領に帰ればお母様たちがお喜びになられるわ。
ソウル様、行きましょう。」
ぼくの両親は、いちゃいちゃラブラブとぼくの部屋を出て行った。
ぼくの名前は、ソメドック・マ・ウェスターナル。
父ソウルと母メリッサの息子という意味の名前だ…。
はぁ~〜〜。




