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530.【番外編】ぼくの名前はソメドック 2

「ソメドック、もう泣かなくていい。ソメドック。」


???あれ?お祖父様国王陛下の声?目を擦り、見上げると、そこには、お祖父様国王陛下がいらっしゃった。何故お祖父様国王陛下が我がウェスターナル公爵領にいらっしゃるのだろうか?ああ…、ぼくを罰するために御出ましになられたに違いない。父上は、我が王国の王家の王子殿下だったお方だから。


「お祖父様国王陛下。ぼくは、父に攻撃魔法を放ってしまいました。五星の攻撃魔法は、守るための魔法で人を傷つけるための魔法ではないと教わっていたのに。ぼくは犯してはいけない罪を犯しました。如何なる罰をも受けます。どうかぼくを処分して下さい。」


泣いてばかりいてはいけない。膝をつき、頭を下げる。ぼくは、父親殺しの大罪を犯した。罪を負わなくてはならない。


「ソウルならばもう大丈夫だ。怪我は治したよ。だが、大量出血したから輸血が必要だ。今から王宮に連れて帰るけれど、ソメドックも一緒に王宮に来るかい?」


驚いて父上を見る。父上は気を失ったままだが、真っ黒に焼け焦げていた身体が傷一つない綺麗な身体のパンイチ姿で横たわっている。本当に火傷が治っているのだ。千切れていたはずの腕までもがくっついていた。


「え?え?え?」


どういうことかわからないぼくにお祖父様国王陛下が治して下さったと母上が説明してくれた。そしてもう二度と攻撃魔法で人を傷つけてはいけないと叱られた。


お祖父様国王陛下だからこそ、父上の生命は助かったのだ。本当ならばぼくは己の父親を殺めた罪人だ。いや、ぼくの犯した罪は消えない。ぼくは罪を償わなくてはならない。


「申し訳ありません、お祖父様国王陛下、お祖母様称第一王妃陛下、母上。

父上が王宮から戻られましたら謝罪致します。もう二度とあのようなことは致しません。ワガママも言いません。赤ちゃんにも謝罪致します。申し訳ありませんでした。」


ぼくは、父上が怒って当たり前のことを赤ちゃんに言ってしまった。赤ちゃんなんていなくなればいいだなんて、ぼくは、ぼくのきょうだいの存在を否定したのだ。母上は悲しまれたに違いない。


「ん?ソメドック、君は、王宮に来ないのかい?」


「はい、お祖父様国王陛下。ぼくは、自領視察に行かなくてはいけませんから。お祖父様国王陛下、両親が領を留守にする間、我がウェスターナル公爵領を守る責務をぼくにお与え下さい。」


「ああ、いいだろう。ウェスターナル公爵家五星嫡男ソメドック・マ・ウェスターナル。両親が留守の間、本家五星嫡男として見事に自領を守ってみせよ。」


「はい、お祖父様国王陛下。この度は、お祖父様国王陛下に父をお助けいただき、感謝しかありません。どうか父と母をよろしくお願いいたします。」


ぼくは、跪き、頭を下げた。


お祖父様国王陛下は、父上たちをお連れになり、一瞬でいなくなった。凄い魔法の技術だ。ぼくも精進し、本家ウェスターナル公爵家の五星嫡男として我がウェスターナル公爵家領を守らなければならない。



…………………


あれから、六年。ぼくは、10歳になった。来年度から王都第一中等学校に通うために、ウェスターナル公爵領第一初等学校の卒業式後に王都に上る。本来ならば、初等学校一年生に入学する時に王都に上るのだが、三年遅れの上都になった。理由は『赤ちゃん』。三年前、ぼくに二人目の妹が生まれてきたのだ。ぼくは三人きょうだいの一番上の『兄』となった。


妹たちは二人とも四星。ぼくを『おにいさま』と呼んで慕う妹たちはとても可愛い。ぼくは、妹たちのお手本になるような、賢く、強く、正しい尊敬される『兄』にならなくてはいけない。我がウェスターナル公爵家本家五星嫡男として守りたい人たちがたくさんいる。



ぼくの名前は、ソメドック・マ・ウェスターナル。父ソウルと母メリッサの息子という意味の名前だそうだ。父は医師として領民の健康を守り、母は次期ウェスターナル公爵として領民の生活を守っている。ぼくはそんな立派な両親にいただいたその名に恥じないような嫡男になりたい。

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