529.【番外編】ぼくの名前はソメドック 1
ぼくのなまえは、そめどっくです。よんさいです。すきなたべものは、おにくです。やさいはきらいです。
ぼくは、もうすぐ『おにいちゃん』になります。ぼくのははうえのおなかのなかには『あかちゃん』がいるからです。
さいしょは『おにいちゃん』になることをうれしくおもいました。
でも…。
ははうえが、ぼくのははうえが、だんだんぼくといっしょにいてくれなくなりました。
ははうえは、ごはんをたべているとき、きぶんがわるいと、しょくどうをでていくことがおおくなりました。
ははうえは、たいちょうがわるいと、よくおへやでおやすみするようになりました。
ぼくは、ははうえとあそんでほしいのに、だっこしてほしいのに、ちちうえにもじじょたちにもとめられてしまいます。ははうえのおなかのなかにはあかちゃんがいるからと。
なんかいも、なんかいも。
ぼくがははうえにちかづこうとするたびにそういってみんながぼくをとめます。
あかちゃんがおなかにいるせいで、ぼくは、ははうえにだっこしてもらえなくなりました。
かなしくて、さみしくて、いやなきもちになりました。あかちゃんにははうえをとられてしまったからです。ぼくはだんだんあかちゃんなんていなければいいのにとおもうようになりました。
きょうは、じりょうしさつにしゅっぱつするひです。にしゅうかんかけてじりょうをまわります。そのしさつにははうえはいけません。おなかにあかちゃんがいるからです。
またおなかのあかちゃん。
おなかのあかちゃんのせいでぼくはははうえなしでじりょうしさつにいかされます。ぼくはははうえといっしょにいたいのに。
「いやだ。ぼくはじりょうしさつにいかない。ははうえとここにのこる。」
ぼくは、ちちうえにそういいました。
「ソメドック、母上のお腹には赤ちゃんがいるから視察回りには行けない。『お兄ちゃん』になるクセにワガママを言ってはいけない。」
ちちうえはぼくをしかりました。
またあかちゃん。
またあかちゃんのせいでぼくはがまんしないといけないといけないといわれました。
「あかちゃんなんていらない。あかちゃんなんていなくなればいい。おにいちゃんになんかなりたくない。」
「なんてことを言うのだ、ソメドック。母上とお腹の赤ちゃんに謝罪しろ。」
ぼくは、ちちうえになぐられました。
「うわああ〜ん。うわああ〜ん。いやだ。うわああ〜ん。」
いたくてかなしくて、ぼくはなきながらちちうえにいいました。
「じりょうしさつなんていやだ。うわああ〜ん。いきたくない。うわああ〜ん。じりょうしさつなんてちちうえひとりでいけばいい。」
「我が王国の国防を担当するウェスターナル公爵家の五星嫡男ともあろう者がそんな無責任なことを言うな。」
ちちうえはまたぼくをなぐりました。そして、しゅっぱつのじかんだといって、むりやりぼくをしさつにつれていこうとしました。
「ちちうえなんかだいきらいだ〜。とんじゃえ〜〜。」
ぼくは、ちちうえにむかってこうげきまほうをはなちました。
ちちうえは、まっくろになってふっとびました。そして、ぼくをつかんでいたちちうえのうではちぎれてぼくのあしもとにぼとりとおちました。
「キャーァー、ソウル様、ソウル様。ああーああー。ソウル様。」
ははうえがまっくろになったちちうえのところにかけよりないています。
ぼくはとんでもないことをしてしまいました。
ぼくは、こうげきまほうでちちうえを、ちちうえを、ちちうえを、ちちうえをころしてしまいました。
「うああ〜ん。ちちうえ、ちちうえ。うわああ〜ん。うわああ〜ん。」
ぼくはどうしたらいいのかわかなくなりました。かなしくてかなしくてなみだがでました。ぼくのこうげきまほうでまさかちちうえがあんなふうになるなんておもいませんでした。
「ごめんなさい、ちちうえ。ごめんなさい、ちちうえ。うわああ〜ん。うわああ〜ん。」
「誰か、早く、王都のお義父上様国王陛下とお義母上様称第一王妃陛下に連絡して。早く。」
ははうえがなにかをさけんでいますが、ぼくはあたまがまっしろになっていてなにがなにやらわかりません。
「うああ〜ん。ちちうえ、ちちうえ。うわああ〜ん。うわああ〜ん。ごめんなさい、ちちうえ。うわああ〜ん。」
ぼくはなくことしかできませんでした。




