525.【番外編】再びあなたの息子として 2
「ソウル異父兄上、お怪我は大丈夫なのですか?
もう。甥っ子のソメドックに文句言ってやりたいところですわ。」
???
ソウル?ぼくのことか?ソメドック?誰だ?○○ドックという名前なのだからウェスターナル家系の男だとは分かるのだが…。
娘レアラよりも小さな幼女がぼくの方に駆け寄りそう言った。
「リリーレアラ第一王女様、お食事中です。お席にお戻りください。」
侍女にそう言われた幼女は気不味そうな顔をして、国王と第一王妃の座る席を見て頭を下げた。
「申し訳ありません、父上、母上。失礼致しました。」
あの幼女は、『リリーレアラ』という名前の第一王女様らしい。全く知らない名前とは思えない。ぼくの母上の名前『レリーリアラ』によく似ている。
何がなんだか分からず、ボケっと突っ立ったままのぼくのところに、今度は国王と第一王妃らしき方々が食事を止めてぼくのところに来た。
「食堂ではなんだから、こちらに来てくれ。」
若い国王らしき男にそう言われ、会議室に連れて行かれる。名前を聞かれて名乗る。
「私は、ゴ・リキ・マ・アール王国前国王フェリオ・マ・アールの第二王子ヴィアラン・レリ・アールと申します。医務室で医務官が私の父上、母上と家族が朝食中だと聞いて食堂に来たのですが、私の父上と母上、家族はいませんでした。
ここは、ゴ・リキ・マ・アール国王ではないのですか?私の実姉国王・アリアレイア・マ・アールは何処にいるのでしょうか?」
「君の名前は、『ヴィアラン』なのか?」
「はい。」
そう答えた途端に、第一王妃らしき女性が泣き出した。「ヴィアラン、ヴィアラン」とぼくの名前を呼んで。
「クノン、ヴィアランはまた君の息子に生まれてきたようだ。
ヴィアラン、君の父親ならばここにいる。」
パッと現れたフェリオ父上とフィオナ父母上。
「父上、父母上。今までどちらにいらっしゃったのですか?母上は?姉上は?レアラは?」
「ヴィアラン、今の君の名前は『ヴィアラン』ではない。目を閉じ、思い出せ。今の君の名前を。ゆっくり、ゆっくりでいい。」
「父上…。どういうことですか?ぼくの名前は『ヴィアラン』です。」
「『ソウル』だ。今の君の名前は『ソウル』。『ソウル・レリ・アール・マ・ウェスターナル』。それが今の名前だ。」
『ソウル』?さっきのあの幼い王女様もぼくをそう呼んでいた。『ソウル兄上』と。
…まさか???
父上は、何処か隣国を征服したのか?そして、新しく隣国の『王』となり、新しい家族を得た?ここは父上が新しく支配している隣国?『ソウル』とはこの国でのぼくの名前なのだろうか?
今更?
今更なのか?
もしかして、今更、ぼくに『妹』が出来ていたのか?父上は六十歳にもなってぼくの『妹』を作った?孫どころか曾孫ではないか。超驚いて父上を見る。
「父上…。もしかして新しい若い妃をお迎えになられたのですか?あの幼女王女の母親の。」
「「「「違〜〜う。」」」」
…全員揃って大きな声で否定した。




