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524.【番外編】再びあなたの息子として 1

強い魔物を倒し、家に戻る途中に複数の魔物に囲まれてしまった。体力も魔力もほとんど残ってなかったぼくらは、複数の魔物に対処することが出来なかった。


なんとか魔物達を追い払ったが、ぼくは利き腕を失った。そして妻は…。ぼくは妻を守ることが出来なかった。だが、哀しんではいられない。妻をその場に埋葬し、一人娘の待つ家に戻る。血の匂いに敏感な魔物はぼくを追いかけてくる可能性が高い。妻を守れなかったぼくだが娘だけでも守らないといけない。


「すまない、レアラ、父様は、母様を守れなかった。レアラ、お前はこの短剣を持ってイッチバーン公爵領領主代理前イッチバーン公爵アットボン殿に保護を求めなさい。この短剣を見せれば、アットボン殿ならば必ずお前を保護していただけるはずだ。誰にもらった短剣かと聞かれたら、父様の名前を言いなさい。父様の名前は、ヴィアルではない。お前と母様には黙っていたが父様の本当の名前は『ヴィアラン』だ。そして、二度とここに戻ってきてはならない。魔物に食べられてしまうから。レアラ、分かったら早く逃げなさい。父様は、もうお前を守れない。」


ぼくは、娘になんとかそれだけ言ってそのまま気を失ったのだった。


……………………………


『あれ?ここは?』


薬品のにおいがする。


ぼくは…?


ぼくは、どうやら助けられたようだ。なんとなく、本当になんとなくだが、フィオナ父母上の魔力を感じた。ぼくは、フィオナ父母上に助けてもらったのだ。娘のレアラは、ぼくの短剣を持ってアットボン殿に保護を求めることが出来たのだろう。アットボン殿がフィオナ父母上に連絡をしてくれたのだと思われる。


ゆっくり…、ゆっくり目を開ける。医務官らしき男性が二人と女性が二人ぼくを見守っていた。


「王子様、お気付きになられましたか?よかった。安心致しました。」


医務官らしき男性の一人がそう言った。


「ここは、何処だ?ぼくは…?」


「王子様は、利き腕を失うという大怪我をなされましたが、国王陛下がお助けくださいました。

ここは、王宮医務室です。我等、国王陛下の御命令で王子様のご看病をしております。王子様の失われた利き腕は、国王陛下がお治しくださいました。」


そう言われて、右腕を見る。確かに失ったはずの右腕が再成されていた。相変わらずフィオナ父母上の魔法の力は桁外れに凄い。


「父上と母上は?」


「国王陛下ご夫妻ならば、今時間はご朝食を取られております。王子様のご家族様もご一緒です。」


「そうか、分かった。」


ぼくは急いで起き上がり、王家の食堂に向かって歩き出した。


「王子様。お待ちください。王子様。まだ十分回復しておりません。医務室でお休みください。王子様。」


医務官がそう言っているのを無視して走る。娘のレアラが待っている。ゆっくり医務室で休んでなんていられない。ぼくは急いで帝国の自分の家に帰らないといけない。…妻を。妻の遺体が魔物に食い散らかされてはたいへんだ。早く戻り、荼毘に付す必要がある。


食堂の扉の前に控える者達に命令する。 


「扉を開けろ。父上、母上とぼくの家族が朝食中だと聞いている。」


「その通りですが、お食事中ですので、終わった後でないと扉を開けるわけには参りません。」


「いいから、早く開けろ。ぼくは息子なのだから問題ない。急いでいるんだ。」


強引に扉を開けさせ、そして叫んだ。


「父上、母上、それに姉上。ご迷惑をおかけしました。私は、家に戻りますので、これにて失礼致します。レアラ、父様のところに来なさい。お家に帰るぞ。


…えっ?」


一斉にぼくを見た人達を見て、ぼくは固まった。食堂で食事をしていたのは、全員、ぼくの知らない方々だった。

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