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520.【番外編】スーラ・ヤ・ロクデカン様というお方は… 2

高等学校を卒業後、スーラ・ヤ・ロクデカン様は、同盟国に留学なされた。同盟国の高等学校の医療コースに進学し、医師となるためらしい。


スーラ様のご成績は、我が帝都第一高等学校に於いてフィアレアラ様に次ぐ学年第二位。文句なしの才女だ。とても優秀な成績で高等学校の学習課程を全て終えているにも関わらず、彼女は医師となるために同盟国で高等学校一年生から学習し直すらしいのだ。


同盟国では医療コースは中等学校から始まり、我が帝国の医療コースは高等学校から始まる。同盟国では医療コースは一般教養と専門教養の両方を六年かけて学ぶのだが、我が帝国の医療コースは高等学校の三年間専門教養のみを集中して学ぶ。


どうせ一年生からやり直すのならば、我が帝国の帝都第二高等学校の医療コースの方が適していると思うのだが、彼女は同盟国に留学することで同盟国の国民に受け入れてもらいたいようなのだ。


『同盟国の次期国王になられるC・ザカラン・F・レリ・アール王太従弟殿下の側妃予定の婚約者』として。




我が帝国の六大公爵家の一つロクデカン公爵家のご令嬢なのに『側妃』予定のご婚約者で、しかも、四人目の妃…。


我が帝国は、世界一の大国で、同盟国の三〜五倍の国力を誇る。我が帝国は、同盟国よりも格上の国ということはこの世界の常識だ。そんな大国である我が帝国の公爵家のご令嬢なのにこのような低すぎる扱いをされてでも、彼女は、同盟国の国民に受け入れて欲しいのだ。



プライドの高い我が帝国の貴族たちの中にはこれを不満に思う者が少なくない。『よくロクデカン公爵家は令嬢のご婚約を受け入れたな、世界一の大国である我が帝国の六大公爵家としての誇りはないのか』と、ウワサされたりもした。

が、スーラ様のご婚約は、同盟国の前国王クノハ陛下と国王クロード陛下の両陛下からの正式な申し入れにより成立し、皇帝陛下がお認めになられている以上、誰も表だって文句言えないでいる。



……………………


スーラ様が我が帝国からお出になられてから、七年が過ぎた。医師となられたスーラ様は、ついに同盟国の国王ザカラン陛下のご側妃殿下にもなられた。そして、半年も経たないうちに同盟国と我が帝国で同時に発表された。


『ザカラン国王陛下のご側妃スーラ・マ・アール妃殿下、五星の御子様をご懐妊』


と。


ザカラン国王陛下にとっては、四人目となる御子様で、五星の御子様を授かる可能性は、おそらく25〜30%前後くらい?、スーラ様は四星の中では強い魔力を持っているので、もう少し上、くらいだろうか?とフィアレアラ様はおっしゃっていた。なのに幸運にも五星の御子様をご懐妊なられたのだ。


スーラ様は、見事に、前々国王クノハ陛下を始めとする全王国民の期待に応えることが出来たのだ。


『おめでとうございます。本当によかった。五星の御子様のご懐妊、心よりお喜び申し上げます。本当におめでとうございます。』


私は、心の中でそう祝福した。




そして、初めてお会いした、スーラ様のお産みになられた五星御子様は、フィアレアラ様にそっくりの王女様でした。


『今日はね、ラリーレアラをスーラの家族にお披露目するために二人を帝国に連れて来る予定よ。ラリーレアラが生まれた時に、スーラの両親は王国に来てくれていたけれど、他の家族は来れなかったから。』


フィアレアラ様は、そうおっしゃって、スーラ様と生まれたばかりのラリーレアラ第二王女様を我が壱の宮家にお連れになられた。


『びっくりするほどフィアレアラ様にそっくりでしょ?

フィアレアラ様は、我が王国に留学していたから、貴族の中にはフィアレアラ様を見知っている人が多いのよ。

こんなにフィアレアラ様にそっくりの王女なんてどうしたらいいのか将来を心配してしまうわ。』


スーラ様は、苦笑いをしながらそうおっしゃっていたが、幸せそうな優しい笑顔をラリーレアラ第二王女様に向けられていた。



私は、フィアレアラ様の御子様を懐妊することはない。フィアレアラ様は、私の前でザカラン国王陛下のお姿になることはないのだから。


あのお方にそっくりのあのお方の五星の御子様をその腕に抱くスーラ様が正直羨ましい。


そして、私は、永遠にスーラ様には敵わないと思ったのだった。

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