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518.【番外編】私の異母妹 3

「お〜ば〜う〜え。」

「いらっしゃい、ラリーレアラ第二王女様。」

「らーちゃんきたよ~。おばうえ、だっこして〜。」


同盟国の国王陛下に側妃として嫁いだ私の可愛い異母妹の産んだ五星第二王女ラリーレアラ様。私は、この姪っ子が可愛いくて可愛いくて仕方ない。私にめちゃくちゃ懐いているのだ。


「お異母姉様、ラリーが甘えてしまって申し訳ありません。

ラリー、伯母上にそのように甘え思いっきり抱きついてはいけません。王女の品位に関わります。」


「ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ…。」


母親に怒られて今にも泣き出しそうな姪っ子。可哀想に思ったが、以前異母妹がラリーレアラ第二王女様は我が帝国と王国のハーフの王女様だから必要以上に厳しく躾ていると言っていたのだ。我が帝国のためだけでなくラリーレアラ第二王女様自身のために。故に私は口出し出来ない。


「まぁまぁ、いいじゃない、スーラ。ラリーはまだ二歳になったばかりなのよ。じゃあ、ロクデカン公爵領の義父上と義母上のところに行きましょうか。」


フィアレアラ皇女殿下は、そうおっしゃって私達を全員我がロクデカン公爵領に一瞬で連れて行って下さった。そして、仕事があるからとすぐにいなくなった。


私が領に行くのは月に一回あるなし程度だが、異母妹は月に二、三回はラリーレアラ第二王女様を連れて里帰りしている。さらに、異母妹は、我が帝国の友人達とも会っていて、友人達を帝都の我がロクデカン公爵家に招いたり、パーティーなどに出席したりしている。


我が帝国から遠く離れた同盟国に嫁いだとは思えないほど異母妹はよく我が帝国に帰省しているのだ。


そして、私達家族も。

我がロクデカン公爵領は、帝国六大公爵領で一番遠い。なので、普通ならば自領に戻れるのは数年に一度程度だ。ところがフィアレアラ皇女殿下が一瞬で我がロクデカン公爵領まで連れて行って下さるおかげで私は父上や母上方、年老いた祖父母、異母弟や異母弟の家族、みんなに会える。フィアレアラ皇女殿下には感謝してもしきれないほどだ。


………………………………………



「じゃあ、私、仕事があるから。」


休日なのに、フィアレアラ皇女殿下はだいたいいつもそう言ってすぐいなくなる。たくさんいる妃と子供達を養うためにほぼ休みなく毎日一生懸命働いているらしい。異母妹は医師になってよかったと言っている。医師として働くことで少しでも王家の財産を守ることが出来る、将来、ラリーレアラ第二王女様が王族として独立した時の財源を作ることが出来ると、そう言って。



ザカラン国王陛下のお妃様たちは、みんな仕事を持っている。ご正妃陛下お二人は国政を担当し、五星ご側妃殿下は、王子様王女様方の魔法教育を担当されている。五星ご側妃殿下は素晴らしい魔法の技術を持っていると聞いている。




「おばうえ〜。らーちゃんね、まほうをね、ならいはじめたの。りまりーえははうえとねえりざべすおばあさまがおしえてくださるのだけど、むずかしくて、らーちゃんだけぜんぜんできないの。」


魔法か…。私も五星だから子供時代は一生懸命練習したが、私のような最下位家系五星とはおそらくレベルが全然違うと思われる。その証拠に私の姪っ子王女様から感じる魔力はとても強い。ってか、エリザベスお祖母様って?まさか…。いや、詮索無用だ。お互いのためにも。




世界ナンバーワンの家系五星の私の姪っ子王女様。その家系五星の魔力量は、我が帝国ナンバーワン公爵家系五星であるイッチバーンの約5倍。我がロクデカン公爵家系五星は、イッチバーン公爵家系五星を1とすると0.3くらいしかない。


つまり、姪っ子の魔力量は、我がロクデカン公爵家系五星よりも16倍以上あることになる。まだ二歳になったばかりなのに既に私よりも上の五星。幼くとも、私の姪っ子は、同盟国の五星王女殿下に相応しい強い五星なのだ。


しゅんと下を見て凹む姪っ子の力になりたいとは思うが、情けないことに私のような最下位家系五星ではどうすればいいのか分からない。


「でもね、りまりーえははうえとねえりざべすおばあさまがしぜんとあそぶことがいちばんたいせつなまほうのちからとなるっておしえてくださったの。だからね、おばうえ、きょうはいっぱいあそんでください。」


次の瞬間にはそう言ってぱぁ〜と満面の笑顔で私に抱きつく超可愛い私の姪っ子王女様。

なるほど、確かに魔法を練習する上で自然の摂理を知ることは大切だ。ならば自然豊かな常夏の我がロクデカン公爵領でいっぱい遊ばせてあげよう。私は姪っ子を抱き上げた。


「ならば、今日は、キャンプに行きましょうか?ラリーレアラ第二王女様。王女様は海と山どちらに行きたいですか?」


「やま〜。」


「承知致しました。みんなで山に行きましょう。」


私は、ロクデカン公爵家の嫡子だったが、帝都で生まれ育ち、自領のことは全然知らなかった。だが、フィアレアラ皇女殿下が異母妹の里帰りの時に私も一緒に自領に連れて行ってくれるようになり、漸く自領のことをよく知るようになれた。


我が帝国の各公爵は、子に爵位を譲ると親は自領を守るために王都を離れる。が、子が女性の場合、妊娠、出産、育児中は前公爵がサポートすることになっているためにお父様は少し前まで王都にいたのだ。故に、お父様と私はフィアレアラ皇女殿下に我がロクデカン公爵領まで送っていただいた時には、年老いたお祖父様と一緒に我が領を視察して回っていた。さらに、高等学校を卒業した異母弟が自領に戻り、お祖父様のサポートをしてくれていた。お父様が自領に戻るまでの期間中もお父様と私は安心して自領を守ることが出来ていた。私は、幸せ者だと思っている。



「おじうえ〜。らーちゃん、やまにいきたい〜。」


「承知致しました。ラリーレアラ第二王女様。ならば、すぐに山にお出かけなさりますか?それとも休日朝市に立ち寄ってからに致しますか?少し遠いお山でしたら、直接お山に行かれるのも良いかと思います。」


「んーとね、きゅうじつあさいちにいくとたのしくてやまにいけなくなるから、きょうはやまだけでいい。」


「承知致しました。我が王女様。」


ラリーレアラ第二王女様が何を言ってもすぐに行動出来るように異母弟は常に準備万端だ。フィアレアラ皇女殿下のお迎え時間までには必ず邸に戻らないといけないのでお出かけ準備時間、王女様をお待たせするわけにはいかないのだ。頼りになる異母弟が自領にいてくれて本当に有り難く思う。


「お兄様、いつもありがとうございます。

ラリー、よかったわね。みんなで山に行きましょうか。」


「はい。ははうえ。」



我がロクデカン公爵家の家族は、全員が笑顔だ。私は月に一度あるかないかの我がロクデカン公爵領で過ごすこの時間をとても幸せに思っている。

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