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517.【番外編】私の異母妹 2

家に帰った私とお父様は、すぐに異母妹を呼び、確認した。


「スーラ、お前、同盟国の前国王クノハ陛下にお会いしたというのは本当か?同盟国から我が帝国にお前をザカラン王太従弟殿下の御側妃予定の婚約者にとの申し出が来ている。」


お父様がそう言うと、異母妹は理由を話し始めた。どうしてもフィアレアラ皇女殿下の御婚約者になりたかった異母妹は、二人だけになれるチャンスの時に積極的に自分をアピールしたらしいのだ。そして、返事を急かした。


同盟国の国王陛下になるご予定のフィアレアラ皇女殿下は、第二配偶者をお迎えにはなられない。困ったフィアレアラ皇女殿下は、同盟国の前国王クノハ陛下にご相談なされた。

クノハ陛下は、ザカラン王太従弟殿下の御婚約者は三人(実質二人)では不十分と思われていたので、異母妹にお声をかけたらしいのだ。ザカラン王太従弟殿下の妃にならないかと。

異母妹は、ザカラン王太従弟殿下ことフィアレアラ皇女殿下の妃になれるラストチャンスだと思い承諾したらしい。


「スーラ、ちょっと待ちなさい。ザカラン王太従弟殿下は、フィアレアラ皇女殿下なのでしょう?ってことは男性ではなく女性なのではないの?」


「ザカラン王太従弟殿下は男性です。フィアレアラ皇女殿下は御自身の御身体に呪詛をかけておられます。故に、本来の女性の御身体になられるためには呪詛を打ち破る魔力が必要になるのです。これがフィアレアラ様が男性を配偶者にお迎えになられない理由です。

つまり、全く魔力を使わないならば、呪詛の影響でフィアレアラ様の御身体は男性になってしまうのです。そのような御身体で子を身籠ればフィアレアラ様の御生命が危険ですから。」


フィアレアラ皇女殿下は、留学中、我が帝国に帰国する前から御自身の御身体に呪詛をかけていたらしいのだ。理由は、次世代、同盟国の王家王族家系五星がクララ第一王女殿下唯お一人になることを防ぎ、同国の王子様となるためだ。


我が帝国の皇家皇族家系五星と同盟国の王家王族家系五星はなんと同じ家系五星らしい。我が帝国に伝わる末子皇女伝説は一部真実で、我が帝国の旧帝国時代の伝説の末子皇女エリザベート・F・ア・メディアスタ殿下は、本当に海を渡り、同盟国の祖となったらしいのだ。故に、フィアレアラ皇女殿下は、同国の王子様になるらしい。


めちゃくちゃなお話しだ。旧帝国時代に呪詛だなんて信憑性に欠ける。到底受け入れられるお話しではない。


「反対よ。そんなお話しも信じられないし、大切な異母妹のあなたが我が帝国から出ていくなんて認められないわ。ザカラン王太従弟殿下の御婚約者ならば既に三人いるのよ。あなたが四番目、しかも『正妃』ではなく『側妃』予定の御婚約者になるなんて許可出来ないわ。あなたは我がロクデカン公爵家の令嬢なのよ。」


「お異母姉様。信じる信じないを強要するつもりはありませんし、このことは我が帝国と同盟国の国家機密に関することですから、他言無用でお願いいたします。もし部外者の耳に入れば記憶を消されてしまいます。最悪、存在すらも…。」


「うっ。」


確かに、皇帝陛下も国家機密だとおっしゃっていた。ならば、このお話しは事実なのだろうか?


「お異母姉様。我が帝国では皇家皇族の配偶者は三人までですが、娼婦、男娼ならば何人でもお付けになることが出来るのです。MR関係なく。」


「それは…。」


その通りだ。MRが三星以下ならば娼婦で四星以上ならば実質『側妃』だ。公爵令嬢と雖も皇家皇族のお方に望まれればお断りなんて出来ない。いや仮に断ったとしても必ず言う事を聞かされてしまう。『NO』と言った次の瞬間に『YES』と言わされるのだ。ならば最初から『YES』と言った方が安全なのだ。『皇帝至上主義国家』の我が帝国で皇家皇族家系五星のお方に逆らうことは許されない。


「同盟国では『正妃』は二人までですが、『側妃』は何人でも認められています。その他、どの王国でも国家の存続に関わる王家王族の家系五星のお方の配偶者ならば『正妃』の他に複数人の『側妃』が認められているのは普通のことです。つまり、公爵家の四星令嬢が『側妃』になるのは取り立てて騒ぐことではなく普通のことなのです。」


「それは…。」


その通りだ。正妃の数は決まっているので正妃になれなければ側妃となる。つまり、例え五星だったとしても年齢があわなければ側妃となってしまうのだから、四星公爵令嬢が側妃となることは普通のことといえば普通のことだ。


「我が帝国のイッチバーン公爵家の令嬢とニッチェル公爵家の令嬢が同盟国の国王陛下にご正妃、ご側妃として嫁いだことや、同盟国の王女殿下が我が帝国のサーンバンメ公爵家に降嫁した歴史は初等学校で習う帝国史に出てきますし、フィアレアラ様の御母上様は同盟国の王家王族のお血筋であることも周知の事実です。

ならば私がザカラン王太従弟殿下の側妃となっても何の問題はないではありませんか。

しかも、ザカラン王太従弟殿下の正体はフィアレアラ様なのです。お父様もお異母姉様も私がフィアレアラ様の配偶者になってもいいと言って婚約を解消してくれたではありませんか。」


「それは…。」


その通りだ。ぐぅの音も出ない。


「ザカラン王太従弟殿下は、そのままフィアレアラ様を男性にした感じでしたわ。御本人ですから当たり前ですが。ふふっ。男性のフィアレアラ様は、甘いマスクの超イケメンでしたわ。背が高くて、めちゃくちゃ格好良くて、最高に素敵なお方でした。」


へー。そうなんだ。確かにフィアレアラ皇女殿下は超美少女だ。超美少女が男性になれば超イケメン…。なる…。


って納得している場合ではない。重要なのは、異母妹が我が帝国から出て行くことだ。


「反対よ。誰が何と言っても私は反対よ。お願いよ、スーラ。他国に嫁ぐなんてバカなことは考え直して。」


「そうだぞ、スーラ。父も反対だ。大切な娘を他国に嫁がせることは許可出来ない。」


「お異母姉様、お父様。私、フィアレアラ様が好きなのです。好きな人の妃になりたい。フィアレアラ様がザカラン王太従弟殿下として同盟国に行くならば私もフィアレアラ様に付いて行きたい。どうか私が同盟国のザカラン王太従弟殿下の婚約者になることをお許し下さい。お願いいたします。」


異母妹の決心は固い。しかも、異母妹は、同盟国の前国王陛下と国王陛下にザカラン王太従弟殿下の婚約者になりたいと既に気持ちを伝えている。皇帝陛下もそうおっしゃった。ならば国家間の正式な申し出を我がロクデカン公爵家が反対しても無駄だろう。


一番いいのは、一番いいのは…。


異母妹の気持ちを認めて、祝福することだ。


そう思った私は泣きながら異母妹が同盟国に嫁ぐことを認めたのだった。

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