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512.【番外編】ぼくの人生計画 1

婚約式、婚約披露パーティーの後、ぼくは婚約者クノンにぼくの後宮に入って欲しいと提案した。


クノンは、ぼくの希望を受け入れてくれたが、まだ学生だからと、入宮は一学期末休みに入ってからになった。


めちゃくちゃ嬉しい。『ザカラン』の姿で堂々とクノンの部屋に出入り出来るなんて。そして思春期ど真ん中のぼくは、クノンに溺れた。クノンが可愛い過ぎるのが悪い。期末休みで学校に行かなくていいことも悪い。1日中クノンを抱いて離したくなくなった。クノン以外何も見えない。クノン以外何も要らない。


が、それは僅か三日で終わった。


クノンにストップをかけられたのだ。


クノンに溺れたぼくは、回復魔法で回復させ続けられるという彼女の負担を全く考えず、自分の欲望を優先してしまった。


反省した。


そして彼女に嫌われてはたいへんだと愛する力加減の全く分からないぼくは、彼女と話し合い、ルールを決めることにした。


そして、二人で決めたルールの下、クノンと幸せな日々を重ねた。


高等学校二年生、六の月上層会議後、クララ王女様がぼくの第二妃予定の婚約者に内定し、国民発表になった。


年が明け、高等学校三年生になった三の月上層会議の後、リマリーエがぼくの『側妃(五星なので第二特別妃)』予定の婚約者に内定した。


さらに、六の月上層会議では、なんと、帝国のロクデカン公爵家の次女スーラがぼくの婚約者に内定したと国民発表になった。


四人の婚約者を得たぼくは、満足していた。王国の王太従弟としての人生は、順風満帆だ。王太従弟宮の奥のことも全部クノンにお任せだ。クララ王女様、リマリーエ、スーラとの婚約式から結婚式、パーティーに至るまでの日程調整も全部クノンだ。


前世、フェリオとフィオナだった頃も全てレリーリアラに任せていたことを思い出す。前世も彼女が側で支えてくれていたからこそ、フェリオとフィオナの一人二役が可能だったのだ。彼女がいなければ、パンクしていた。彼女にいくら感謝しても足りないくらいだった。


彼女を失って、フィオナの姿になれなくなってしまった。レリーリアラを助けることが出来なかったフィオナの姿になんの価値があるのだろうかとそうおもった。


その後も次々と妃たちに先立たれ、心にぽっかり穴の空いたようなぼんやりとした老後を過ごした。


はぁ~〜〜っと深いため息が出た。

ぼくは、今世もまた彼女に先立たれ、彼女のいない長い人生を送らないといけないのだろうか…。


とても寂しいが避けれないことだと覚悟しなくてはいけない。フィオナもエリザベートも長生きした。ぼくもおそらく長生きする。そして、彼女はぼくよりも19歳も年上だ。


レリーリアラを亡くした後のフィオナの人生は、あまりいいものではなかった。


フィオナの王位を継いだ第一王女アリアレイアは、フィオナそっくりの顔をしていた。性格は、母親のレリーリアラに似ていると言われていたが、愛するレリーリアラには全く似ていない。フィオナにだけ反発ばかりする生意気で可愛くない娘だった。


アリアレイアは、母親のレリーリアラが亡くなった後、フィオナと二人揃って気落ちした。国権第一位の女性の御位王太后として支えてくれていた母親を亡くしたアリアレイアは、国王でいることが苦痛になった。息子アンリに王位を譲り、隠居していたのだが、王配シンドックに先立たれた後、アリアレイアは年を取ったフィオナやアンリたち息子一家を置いて王宮を出て行った。


せめて、アリアレイアがレリーリアラにそっくりだったらまだよかったのに、フィオナにそっくりの顔でどよ~んと落ち込むアリアレイアがまるで自分自身が落ち込む姿のように見えていたフィオナは、アリアレイアが王宮を出て行く時、特に反対しなかった。フィオナの側には王家の直系である孫のアンリたち一家がいたから。


だが、アリアレイアには不満があった。本来フィオナがしなければならない仕事なのに有無を言わせずアリアレイアに手伝わせていた自分が悪いのだが、反発ばかりすることが気に入らなかった。フィオナの王位を継いだくせに母親にべったり頼り、自分はスルーされるのは気分が悪かった。



そうだ。


ぼくは閃いた。


クノンにそっくりでぼくに優しい娘がいれば、もしクノンに先立たれたとしてもぼくの寂しい心が少しは癒やされるだろう。


アリアレイアみたいにフィオナそっくりの可愛くない反抗的な娘ではなく。


そうだ。


クノンは再婚だから、ぼくとの子供は必ず四星になる。ならば、アリアレイアのような生意気な五星王女は生まれてこない。


いいことを思いついた。


産み分けだ。


女の子だ。クノンと同じ四星王女が欲しい。


決めた。


クノンに相談して、女の子を授かる方法を試してみよう。


ぼくの人生計画は、老後を見据えた計画にする必要がある。フィオナの老後はイマイチだった。今度は寂しい老後ではなく、クノンそっくりの娘と過ごす癒やされ老後にしよう。


ふはははっ。これだ。これに決めた。


あははっ。いいぞ、いいぞ。


ぼくの人生計画は、始まったばかりだ。

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