1.プロローグ
一部の者(MR保持者)だけが魔法を使うことができるある世界。
MR━━魔力の質と量でランク分けされMR一星(最弱)~MR五星(最強)まで存在する━━
強い魔力を持つ者が国を支配する、強い魔力を持つ王の国が世界を支配する、そんな世界でどの国よりも広い国土を持ち、どの国よりも人口が多く、経済力も世界一。この世界約30ヵ国の頂点に立つ大国の名前は、テラ・ダール・ヤ・マティス帝国。
今でこそ帝国は世界一の大国だが、150年以上前に、帝国の帝位を継ぐ皇太子の魔力が弱小国の国王程度しかないことが世界中に知れ渡る事件が起きた。弱い王の国は隣国に支配されてしまう。帝国には未来がないと滅亡寸前だった。
その弱かった帝国を強い帝国へと見事に建て直した三世代の女性皇帝達がいた。
第48代皇帝セフィーア・ヤ・マティス。
彼女は事件を起こした弱い魔力しかない異母弟皇太子に代わり、新しい皇太子、新皇帝となり、とても強い魔力の『帝王結界』を帝国全土の三分の一まで張り、皇帝の魔力が帝国を守るだけ十分強いことを世界各国に示した。
第49代皇帝セシル・ヤ・マティス。
セフィーアの皇女。10歳で皇太子、帝国国外代表となり、彼女の時代に世界国外代表ランキングベスト5に帝国が初登場する。成人後は世界ランク二位にまで上げ、強い帝国をさらに各国に示す。
第50代皇帝エリザベート・F・ヤ・マティス。
母親のセシルよりもさらに強い魔力を持つ先祖返りの大皇帝。帝国史上初帝国全土に『帝王結界』を張り、国土、人口、経済力、生産力、全て世界一の大帝国を造り上げる。
セフィーアの時代から少しずつ改革してきた、女性の地位の向上と社会進出、それに伴う子育て支援、女性医療、福祉の充実。給食、学費無料の帝国民皆学校で、帝国民全体の学力能力向上改革、経済建て直し改革を大成させた。
三代女性皇帝以降、帝国は、安定して強い帝国、強い経済力を現在も維持している。