第二章第二話
なるべく音を立てない様に、ドアの鍵を開ける凛。
別に時間的にも、普通に鍵を開けて中へ入ればいいのだが、もう少し寝かせておこうという凛の優しさだった。
……のだが、凛の優しさは無に終わった……。
「凛、おはよう。」
歯磨きしながら、入ってくる凛を迎える雪村。
「なーんだ起きてんじゃん。せっかく起こさない様に入って来たのにさっ。おはよ、雪村。」
「凛が学校行って職員室の前に張ってるって言うから、俺も少しは早く行かなきゃと思って……。」
顔を拭きながら部屋に戻ってきた雪村。
「爆破予告なんてイタズラだろうし、何か余計なお世話的な気持ちになっちゃってさ。雪村みたいに静観してようかなって。」
「俺は、静観も何も、起こったら起こったでいいと思ってるよ。……でも、この間起こった北海道の地震は少し考えさせられるね。……例えば、大勢の人の命に関わるなら、知らせなきゃ、とかさ……。」
「そんな事言ったら爆破予告だって同じじゃん。」
「あぁ、そうか……。SNSに呟いても、結局はからかわれて終わり。でも実際に起こった……。何のリツイートも無し。……あれこれ気を使ったところで誰も聞く耳持たず。」
「雪村!私は信じるよって言ったでしょ!」
「じゃあ凛は何で学校から戻った?やっぱどうでもいいと思ったからじゃない?」
「確かに余計なお世話かなとは思った。……まだ雪村の正夢を信じきってないのかも……ごめん。」
「謝る事ないって。今日だって、どうなる事やらって感じなんだしさ。」
「難しいね。静観かどこかに知らせるか。雪村がクラスの友達に聞いた気持ちが分かる。ノートの内容は必ず起こるのも分かる。……今日、2つの夢が同じ日に重なってる。でもこのまま静観するよ。」
時刻はAM7:00になろうとしていた。
「凛、7時だ。学校に行こ。確認しなきゃ。」
雪村と凛は、学校に向かった。