第二章第六話
バイトが終わって、凛からのLINEの受信を見た雪村。内容を確認した。
(また起こっちゃったんだ……。何とも複雑な心境。)
(バイト終わってこれから帰る。)
(おつ。夕方のニュース番組は大変な事になってたよ。)
(帰り、気を付けて。)
(戻ったらTVとネット、確認するよ。)
アパートに帰ってきた雪村は、自転車置き場に自転車を急いで置くと、部屋に小走りに戻った。
ベッドに寄りかかり、TVを点けて、国営放送のニュースを映す。別の内容のニュース報道を横目で見ながら、スマホのニュースアプリを開いた。
「元々暴落の気配が有った銘柄だった?芸能人Tは、それを買わされたのかな?全財産を投じたらしいのかぁ……。SNSでもトレンド1位だし。大騒ぎだね。夕方の臨時ニュースが想像つくよ。」
呟きながら凛にLINEを送った。
(アパートに戻って確認した。可哀想な話だけど、夢と同じ事になってる。)
(今はTVよりネットが騒がしい。)
(うん。SNSのトレンド1位になってる。)
(Tに興味は無いから、私には関係無い。深く考え過ぎない様にしとく。)
(あぁ、凛の言う通り。気にしてたら頭おかしくなるって。)
(7月末までに何度か夢見るんだろうね雪村は。)
(分からない。見ない時は全然見ないから。)
(ふうん、そうなんだ。)
(やっぱり凛に話さない方が良かったかなとか、最近思う。ノートの内容を気にしないでいた方がいいよ。)
(別に気にしないから大丈夫。でもノートのチェックはするよ。)
(うん、チェックだけね。凛が考え過ぎない程度でいいよ。大した出来事ではないんだしさ。)
(今日はもう風呂入って寝るー。おやすみぃ。)
(うん、おやすみ。)